略式結納ってなに?当日の流れや服装・マナー、結納式にかかる費用を解説!
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両家で「略式結納」を執り行うことになったあなた。
「結納にはいろいろ決まりがあるみたい・・・スムーズに進められるかなぁ」
と不安に思っていませんか?
馴染みがない儀式だけに、当日どんな風に進めればいいのかは事前に押さえておきたいところ。
そんなあなたのために、略式結納の流れや必要なもの、気を付けるべきマナーや当日の服装について解説します。
また、気になる結納式の費用についても紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
「略式結納」ってなに?
まずは「略式結納」とは何か、かんたんに確認しておきましょう。
「両家の間で正式に婚約をととのえる伝統的な儀式」である結納には、「正式結納」と「略式結納」の2種類があります。
正式結納は、両家を行き来して間を取り持つ「仲人(なこうど)」を立てるのが特徴で、両家が直接対面することはありません。
一方略式結納は、両家がホテルや料亭、女性宅に集まって結納の儀をとり行うのが一般的。
ホテルや料亭が用意している「結納プラン」を使うこともあるようです。
正式結納と略式結納の違いについては、こちらの記事もどうぞ。
また、結納の他に両家が集まるイベントとしては「顔合わせ食事会」があります。
顔合わせ食事会は両家の親睦や交流を目的としており、結納のような儀式ではないので決まったしきたりがないのが特徴です。
結納と顔合わせ食事会の違いについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
「結納」と「顔合わせ食事会」の違いって?メリット・デメリットは?
「結納」とは?どんな意味があるの?「顔合わせ食事会」との違いや準備の仕方も解説!
それぞれの違いについて確認できたら、続いては略式結納について詳しく見ていきましょう!
略式結納の流れは?
先述のとおり、略式結納は両家が一堂に会して結納の儀式を行います。
実は略式結納でも、正式結納と同じく仲人を「立てる場合」と「立てない場合」があるのですが・・・
最近では仲人を「立てない」ことがほとんどのようです。
そこで、まずは仲人を立てない場合の略式結納の流れを見てみましょう。
略式結納の流れ
仲人なしの略式結納の流れは、大まかにはこのような感じです。
順番に詳しく見ていきましょう!
1 結納品の飾り付け、両家が着席
まずは結納品の飾り付けをします。
和室なら床の間かその前
洋間ならテーブルの上
に飾り付けます。
飾り付けの流れは、男性側が部屋に入って飾り付け、着席。
つぎに女性側が入室して飾り付け、着席するという順番で行います。
席順は、一般的なマナーと同じく入口から遠い場所が上座となり、床の間がある場合はその前が最上位の席となります。
例えばこの図だと、床の間に向かって「右側が男性家族」「左側が女性家族」という形になります。
もし、兄弟姉妹などの他の家族も参加する場合は、相手方に相談しておくと安心です。
その場合は、本人・両親に続いて、年齢の順に座ることになります。
詳しい席順についてはこちらをご覧ください。
2 はじまりの挨拶
結納式のはじまりの挨拶をします。
仲人がいない場合は、男性の父親が進行役を務めるのが一般的。
進行の順番が覚えられない場合や、話すのが苦手な場合は、メモを見ながらの進行でもOKです。
事前に家で練習しておくとベターですね!
ホテルなどで結納を行う場合は、会場のスタッフに進行役をしてもらえることもあるようですよ。
結納の進行役については、こちらの記事で詳しく説明しています。
3 男性側から結納品を納める
男性の母親が、飾った男性側の結納品のところへ行き、結納品を持って女性の前に運びます。
結納品は「家族書」と一緒に片木盆(へぎぼん)に載せて、このお盆ごと渡すのがしきたりです。
片木盆(へぎぼん)
母親は軽く一礼して、席に戻ります。
続いて、男性の父親、または男性本人が、結納品を納める口上を述べます。
「幾久(いくひさ)しくお納めください」
といった、特別な言い回しをするのが特徴です。
口上についてはこちらの記事も参考にしてくださいね!
結納品は、
・目録
・結納金
・熨斗(のし)
・子生婦(こんぶ)
・寿留女(するめ)
・友白髪(ともしらが)
・末広(すえひろ)
・勝男武士(かつおぶし)
・家内喜多留(やなぎだる)
の9品目が基本。
略式結納では品目を減らしてもOKです。
その場合は縁起がいいように、割り切れない奇数にするといいですね。
結納品にかかる費用は、地域や品目数によって金額に差があるので事前に確認しておきましょう。
結納品については聞きなれない言葉も多いので、こちらの記事で確認しておくと安心です。
結納品は何をいくつ用意する? 品目ごとの意味や地域による違いを分かりやすく解説します!
また、「結納金」の金額は切りのいい100万円が主流。
金額は家庭や地域によって様々なので、ふたりで話し合うといいですね。
結納金の金額については、こちらの記事も参考になりますよ。
「家族書」はお互いの家族を紹介し合うもの。
事前に両家で話し合って、省略してもOKです。
詳しい書き方についてはこちらの記事でご紹介しているので参考にしてみてくださいね。
結納での「家族書」「親族書」ってなに?書き方・包み方・渡し方は?
4 女性側が受書を渡す
女性が、男性側の「結納品の目録」を取り出して、確認。
続いて、父、母の順番で確認します。
目録を元に戻したら、女性の父親、または女性本人がお礼の口上を述べます。
次に女性の母親が、贈られた結納品を床の間へ持っていき、その後「結納品を受けとりました」という「受書」を男性に渡します。
男性は受書を確認し、父、母に回します。
「結納品の目録」「受書」の書き方についてはこちらの記事を参考にどうぞ!
ここまでで、男性側から女性側への結納品の受け渡しが終わりました。
結納は大きく「関西式」と「関東式」に分かれます。
「関西式」の場合、結納品を納めるのは男性側からだけ。
なので、結納品のやりとりはこれで終わり、次は「5 婚約記念品の披露」に移ります。
一方「関東式」では、女性側からも結納品を納めるのがしきたり。
そのため、ここまで説明したのと同じ流れで、今度は女性側から男性側へ、結納品を納めることになります。
関東式・関西式の違いについてはこちらの記事も読んでみてくださいね。
また関東式・関西式の他にも各地域で違いが出るところなので、両家で事前に打ち合わせておくといいですよ。
5 婚約記念品の披露
婚約指輪などの「婚約記念品」を準備している場合は、ここで交換します。
既に交換している場合は、この場でお互いの両親にお披露目するとよいですね!
6 締めの挨拶
男性の父親から、締めの挨拶をします。
この後、記念撮影や、食事会を行います。
桜茶や昆布茶に、紅白饅頭などのおめでたい菓子を添えて一服してもいいですね。
以上、仲人を立てない場合の略式結納の流れをご紹介しました。
たくさん工程がありましたね。一般的な略式結納に準備していくものをまとめておきます。
・進行のメモ(必要な場合)
・結納品
・結納金
・婚約記念品
・目録・受書・家族書
現代ではあまり行われていない、仲人を立てる場合の略式結納についてはのちほど説明しますね。
略式結納での服装
正式結納ではフォーマルが基本ですが、略式結納ではセミフォーマルもOKです。
女性は明るめの色合いを使った膝丈ワンピース。
男性は華やかなネクタイを使ったスーツ。
なんて素敵ですね。
大切なのは両家の「格(フォーマル度)」をそろえること。
格が揃うようにあらかじめ相談しておきましょう。
詳しい服装についてはこちらの記事をチェックしてみてください。
結納で何を着る?ふさわしい服装マナー完全版【ふたり、親、兄弟姉妹】の具体例も!
略式結納当日の服装についてご紹介しました。
次は、略式結納の際に気を付けたいマナーについて見ていきましょう。
略式結納でのマナー
略式結納は、略式とはいっても、婚約のための大切な儀式です。
覚えておきたいマナーを6つご紹介していきます。
決まった口上以外は口にしない
結納式の間は、決まった口上以外はできるだけ口にしないようにしましょう。
私語は慎み、粛々と儀式を進めます。
言葉づかいに注意する
結婚などのお祝いごと全般で言われるマナーのひとつですが、縁起がよくないとされる「忌み言葉」は避けるのが無難です。
たとえば、つぎのような言葉。
・別れる
・切れる
・割れる
・離れる
・壊れる
別れや破談をイメージさせるネガティブな意味の言葉ですよね。
神経質になりすぎる必要はありませんが、会話の中でうっかり使ってしまわないようには気をつけたいところ。
挙げた言葉以外にも、どんな言葉が「忌み言葉」に当たるのかは事前に調べておくといいですよ。
結納品は風呂敷に包む
結納品を持っていくときは風呂敷に包んでいくようにしましょう。
この時、結び目は作らないようにするのが一般的。
「ほどく」ことが別れを連想させてしまうとされています。
逆に結納品を持ち帰るときは「結んだ縁がほどけないように」という意味を込めて、風呂敷をギュッと結ぶといいですよ。
結納品は使いまわさない
基本的には、結納品を使いまわすことは避けましょう。
「福分け(お祝いのおすそ分け)」として、結納品を使いまわす風習がある地域もあるようですが・・・
一般的には使いまわさないものとされているので、風習を知らない相手だと嫌な気持ちにさせてしまうかもしれません。
結納の形式と同様に、事前に相談して地域差を把握しておくようにしましょう。
「結納のあと、頂いた結納品はどうしたらいいの?」
という人はこちらの記事をチェック!
「手土産」「引き出物」を持参することも
昔は男性側が女性の自宅を訪問して結納を行うのが一般的でした。
女性宅を訪問する男性側は「手土産」を、女性側は訪問のお礼として「引き出物」を用意しお互いに渡していました。
その名残から、現在でも「手土産」や「引き出物」を持参する場合があるようです。
今は女性側の家ではなくホテルや料亭で結納を行うことも多いので、手土産を用意するかどうかは両家で話し合って決められるといいですね。
手土産や引き出物については、こちらの記事を参考に選んでみてくださいね。
座布団は使わないのが正式
和室で行うことが多い結納。
「一段上から相手を見ることになってしまう」という理由から、正式には座布団を使わないことになっているようです。
ただ略式結納であることもふまえ、座布団を使うかどうかは両家で決められるといいですね。
結納が終わった後のお茶や食事のタイミングでは使ってOKです。
結納式にかかる費用の相場
続いては、気になる人も多そうな結納式にかかる費用の相場について紹介します。
先輩カップルが実際に使った、結納式の費用をまとめてみました。
※「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」より
20万円未満が8割ほどを占めており、なかでも5万円から10万円未満の場合が多いようです。
会場によっては、この他に会場使用料や席料がかかる場合もあるようです。
結納のプランを選ぶときに参考にしてみてください。
仲人を立てる場合はどうなるの?
最後に、仲人を立てる場合の略式結納の流れについて見ていきましょう。
仲人を「立てる場合」が「立てない場合」と違うのは、次の2つの点。
・司会進行役を仲人が務める
・両家の間の結納品や受書などの取次を、仲人夫人が行う
簡単に言うと、
「両家が直接言葉や品物のやりとりをするのではなく、仲人を介してやりとりする」
わけですね。
間に仲人が入る分、結納の手順も増えます。
「仲人なし」の場合と違う2~4の手順を、詳しく見てみましょう。
2 仲人と男性側がはじまりの挨拶
まずは男性の父親が、代表して仲人に
「本日はよろしくお願いいたします」
という挨拶をします。
続いて仲人は、両家に向かって
「本日はおめでとうございます。結納のお取次ぎをさせて頂きます」
という旨の挨拶を述べます。
両家からお願いされて、仲人が儀式を進めるという形ですね。
ここからの司会進行は、仲人が務めます。
3 男性側の結納品を仲人に渡す
男性の母親が、仲人夫人の前に結納品を運びます。
そして、男性または男性の父親が、仲人に取次をお願いする口上を述べます。
結納品は直接相手側に渡さず、いったん仲人に渡すのが仲人なしと違うところですね。
4 仲人が結納品を女性側に納める
仲人夫人が、結納品を女性の前に運びます。
仲人は、男性側から取り次いだ結納品を納める口上を述べます。
このように、両家のすべてのやりとりを仲人が仲介する「仲人あり」の場合ですが、「仲人と相手側がやりとりをしている間、もう一方は静かに控える」ということには注意。
仲人と一緒にお辞儀をしてしまいそうになっても、ぐっと堪えて!
また、仲人を引き受けてくれた人へのお礼も忘れずに。
「御礼」「御車代」「御酒肴料」「手土産」の4つを用意しておきましょう。
仲人を立てようと考えている人はこちらの記事もチェックです!
「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」
結婚に関するWEBアンケート調査
調査対象:入籍3年以内の男女
調査時期:2018年7月
対象人数:男性500人 女性500人
まとめ
各種結納の確認から、略式結納の流れ、マナーや服装についてご紹介しました。
略式といっても、儀式ならではの、決められた手順や口上がありましたね。
また結納式の費用は、20万円未満で行うことが多いこともわかりました。
普段はしないことばかりで緊張してしまいそうですが、大まかな流れを把握していると安心。
マナーや服装に注意して、落ち着いて臨めば大丈夫です。
きちんと行えば、両家にとって、一生に一度のよい記念になりますよ!
また、両家が顔を合わせる場は結婚式の話し合いをするのにもぴったり。
結婚式の半年以上前、少なくとも3か月ごろには結納を行えるといいですね。
詳しい日時や場所の決め方についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
結納の準備!日時や場所の決め方ってどうする?
今回は一般的な略式結納についてお話しました。
男性が女性側の家に入る「婿養子」の場合の結納については、下記の記事を参考にしてくださいね。
婿養子の場合の結納の段取りは?
略式結納での男性の振舞い方についてはこちらの記事でも詳しく説明しているので、ぜひ見てみてください。
略式結納の場合、男性はどう振舞うべき?
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