結納の「関東式」と「関西式」の違いって?
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日本の伝統的な婚約の儀式、「結納」には、地域の風習やしきたりによって、さまざまな違いがあります。
今回は、代表的な「関東式」「関西式」とよばれる2つの結納のスタイルを取り上げ、その違いを解説します。
男性側と女性側の地域が違うときの対応方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
関東式・関西式ってなに?
結納の準備をするにあたって、初めて「関東式」や「関西式」という言葉を聞いた人も多いかもしれません。
ざっくり言うと、
「関東式」とは、「関東地方を中心とした東日本で行われている結納スタイル」のこと。
「関西式」とは、「関西地方を中心とした西日本で行われている結納のスタイル」のことです。
「関東式」と「関西式」の結納が行われている主な地域は、次のとおり。
関東式エリア:北海道、東北地方、関東地方、新潟県、静岡県、沖縄県など
関西式エリア:関西地方、東海地方(静岡県以外)、北陸地方(新潟県以外)、中部地方、中国四国地方、九州地方
九州地方では、独特の「九州式」という結納スタイルがありますが、「関東式」、「関西式」に分ける場合は「関西式」に含まれます。
九州式について知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
結納品は何をいくつ用意する? 品目ごとの意味や地域による違いを分かりやすく解説します!
では、「関東式」と「関西式」では具体的にどんなところが違うのでしょうか。
代表的な違いを4つ見てみましょう。
【違い1】結納品の贈り方
関東式では本来、男性側と女性側の双方で結納品を用意し、贈り合います。
お互いの結納品を交換することから、関東式の地域では「結納を交わす」という言い方をします。
一方、関西式の結納では、基本的に男性側のみが結納品を準備します。
女性側は結納品を用意せず、結納品の受領書である「受書」のみを渡すのが一般的です。
男性側から女性側へ贈るだけなので、関西式では「結納を納める」と言います。
【違い2】結納品の品目
関東式と関西式では、贈る「結納品」の品目にも違いがあります。
「関東式」と「関西式」の主な結納品の品目をまとめると、こんな感じです。
画像提供:結納屋さん.com
比べてみると、「関東式」と「関西式」で共通のものもありますが、それぞれ独自の結納品もありますね。
同じものでも呼び名が変わるものもあり、例えば「結納金」は、「関東式」なら「金宝包(きんぽうづつみ)」「御帯料(おんおびりょう)」。
「関西式」なら、「小袖料(こそでりょう)」と呼びます。
また、関西式では婚約指輪も結納品のひとつとして数に含めることが多いですが、関東式では含めません。
逆に、関東式では結納品のひとつに数える、結納品のリスト「目録(もくろく)」は、関西式では別途用意して、結納品のひとつとしては数えないのが一般的です。
それぞれの結納品の詳しい意味や由来については、こちらの記事も読んでみてくださいね。
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【違い3】結納品の飾り方
関東式と関西式では、結納品の飾り方にも大きな違いがあります。
まず関東式の結納品の飾り方がこちら。
「関東式」では、1つの台に9品の結納品すべてをまとめて乗せます。
見た目もすっきりコンパクトですね。
一方の関西式は・・・
画像提供:結納屋さん.com
「関西式」では、結納品を1つずつ台に乗せます。
関東式に比べると豪華な雰囲気ですね。
松竹梅をかたどった飾りも「関西式」の特徴のひとつ。
飾りの下には、それぞれ結納金や酒料、食事代にあたる松魚料(まつうおりょう、しょうぎょりょう)を置きます。
【違い4】結納返し
結納返しとは、「結納を受け取った側が相手側へお礼の意味をこめてお返しを贈ること」です。
「関東式」では、男性側から女性側へ結納金を納めた場合、女性側はもらった結納金の半額程度をお金や品物で返すのが一般的です。
結納金の半分ほどを返すことから、「半返し」とも言われています。
一方、「関西式」では、元々結納返しをしないことが多いようです。
結納返しをする場合であっても、内容は結納金の「1割程度」の品物やお金など。
関東式の「半返し」と比べると控えめですね。
ただし、結納返しについては、地域や家の慣習によって大きな違いがあり、「関東式」「関西式」にあてはまらないことも。
そもそも最近では、結納金を準備しない場合もあります。
結納金や結納返しの「あり・なし」、金額については両家でよく話し合って決めてくださいね。
お互いの地域が違うときは?
どんなスタイルで結納を行うかは、基本的に「二人の実家がある場所」を目安にすることが多いよう。
例えば、二人の実家が東京ならば「関東式」の結納を行う、ということですね。
ただ、二人の実家が関東式・関西式いずれかの同じエリアにあればいいのですが、中には「一方が関東、もう一方が関西」という人もいるかもしれませんね。
こんなときはどうしたらいいのでしょうか。
お互いの地域が違うときは、次の2つを「関東式」「関西式」のどちらにするか、すり合わせる必要があります。
1 結納品の贈り方
先ほどご紹介したとおり、「関東式」では双方が結納品を準備して取り交わすのに対し、「関西式」では男性側が女性側へ結納品を納めるのみ。
結納品を交換するのか、それとも男性側が結納品を納めるだけにするのかを決めましょう。
2 結納品
結納品についても、関東式と関西式のもので品目や飾り方に大きな違いがありました。
どちらのスタイルの結納品で結納を行うのかについても話し合いましょう。
女性側の家が結納品が豪華な関西式エリアにある場合は関西式にする、といった気遣いができるといいかもしれませんね。
関東式と関西式、どちらにするか双方の地域の慣習や希望をふまえて、事前によく話し合って決めることが大切です。
まとめ
結納は地域によって、大きく「関東式」と「関西式」の2つのスタイルがあります。
関東式のエリアは、関東地方のほか、北海道、東北地方、新潟県、静岡県、沖縄県など。
関西式エリアは、関西地方のほか、静岡県以外の東海地方、新潟県以外の北陸地方、中部地方、中国四国地方、九州地方など。
関東式と関西式では主に4つの違いがあります。
・結納品の贈り方
・結納品の品目
・結納品の飾り方
・結納返し
二人の地域が関東式、関西式で異なる場合は、「結納品の贈り方」と「結納品」をどちらのスタイルにするか、すり合わせが必要に。
事前にお互いの家族でよく話し合って決めましょう。
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