ズバリ! 結納金の相場は? いくら包むべき?
音声で聴く!
結納の際、男性側の家から女性側の家へ贈られることの多い「結納金」。
結納金って、いくら用意したらいいのでしょうか?
金額はどのように決めるもの?
そこで今回は、結納金の相場や、「なぜその金額にしたのか?」という理由をまとめてご紹介します。
さらに結納金についてよくある【Q&A】もお届けしますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!
そもそも結納金とは?
婚約を公(おおやけ)にする儀式、「結納」。
この結納のときに男性側から女性側へ贈られる結婚準備金のことを「結納金」と呼びます。
つまり、女性が嫁入りの準備をするためのお金ということですね。
今ではお金が贈られていますが、昔は花嫁衣装として着物などの現物が贈られていたそう。
こういった由来があることから、結納金は「御帯料(おんおびりょう)」や「小袖料(こそでりょう)」と呼ばれることもあるそうです。
結納金の基礎知識についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
結納金ってなに?もらった結納金って誰のもの?相場やマナーは?
では、現代におけるこの結納金の相場は一体いくらぐらいなのでしょうか?
まずは、具体的な金額の相場を見ていきましょう。
結納金の相場は?
先輩カップルへ行った「結納金の金額」についてのアンケート結果はこちら。
金額 | 割合 |
---|---|
50万円未満 | 15.6 |
50万円~100万円未満 | 32.3 |
100万円~150万円未満 | 42.5 |
150万円~200万円未満 | 6.0 |
200万円以上 | 3.6 |
(出典:「結婚スタイルマガジン」トレンド調査2018)
100~150万円未満がもっとも多く、次いで50~100万円未満が多くなっています。
あわせると約7割の人がこの金額帯を選んだようですね。
というのも、結納金の金額は「キリのよい金額」もしくは「縁起が良いとされる金額」を選ぶ人が多いようです。
そして「キリのよい金額」の中でも、最も一般的なのが100万円。
アンケート結果を見ても、やはり100万円が結納金の金額を決める際のひとつの目安になっていると言えそうですね。
一方、「縁起が良いとされる金額」としては、50万円、70万円など、「奇数のつく金額」があります。
「偶数だと『割り切れる』ので『別れ』をイメージさせる」という理由で、結納には奇数の方が向いているのだとか。
ただ、偶数の中でも80万円は例外的に、縁起が良いとされます。
これは、「8」に「末広がり」という良い意味があるからなのだそうですよ。
地域によっても違うの?
同じ調査から地域別の結納金の相場をまとめると、次のようになりました。
全国(平均値) | 92.5万円 |
---|---|
北海道 | 111.7万円 |
青森・秋田・岩手 | 123.3万円 |
宮城・山形・福島 | 92.0万円 |
茨城・栃木・群馬 | 55.8万円 |
埼玉・千葉・東京・神奈川 | 103.5万円 |
山梨・長野・新潟 | 84.4万円 |
石川・富山・福井 | 66.0万円 |
静岡・愛知・岐阜 | 92.0万円 |
京都・大阪・兵庫・滋賀・ 奈良・和歌山・三重 | 83.6万円 |
鳥取・島根 | 98.3万円 |
岡山・広島・山口 | 83.5万円 |
高知・香川・徳島・愛媛 | 111.6万円 |
福岡・大分・佐賀・長崎・ 熊本・宮崎・鹿児島・沖縄 | 86.7万円 |
(出典:「結婚スタイルマガジン」トレンド調査2018)
地域別に金額を見てみると、トップは青森・秋田・岩手の123.3万円。
他の地域でもだいたい80~110万円くらいになっています。
全国の平均額は、92.5万円。
これについても、最も一般的と言われている100万円に近い金額になっていますね。
ではこうした結納金の金額は、誰がどのように決めるものなのでしょうか。
次はその点を解説します。
金額は誰がどうやって決める?
誰が決めるの?
基本的に結納金の金額を決めるのは、結婚する両家のうち、男性側です。
男性側から女性側へ、いくら用意すべきか聞くのは失礼にあたると言われています。
確かに、聞かれた女性側の立場に立ってみると、いくら欲しいかなんて答えにくいですよね。
とはいえ、男性側としては、
「こちらで全部勝手に決めてしまっていいのか?」
とも思ってしまうもの。
そのため実際は、男性本人と両親とで話し合い、ある程度金額を決めた後、女性側へさりげなく確認して調整することが多いようです。
では、男性側で金額を決めるときには、何を基準にすればいいのでしょうか?
どうやって決めるの?
結納金の金額には、「何円でないといけない」という厳密な決まりはありません。
だからこそ、みんながどのように決めているのか気になるところですよね。
ここでは、金額を決めるときの基準のうち、代表的な2つをご紹介します。
1 男性側の収入・貯蓄額
結納金を出すのは男性側の家なので、男性側の収入・貯蓄額が1つの基準となります。
昔は男性の両親が結納金を出すことが多かったようですが、最近では男性本人が用意することも。
結婚式の費用なども考えて、無理のない範囲で決めてくださいね。
ちなみに具体的な金額の目安は、男性の「月給の2~3ヶ月分」や「ボーナス1回分」だと言われています。
2 地域の慣習や家の考え
先ほどご紹介したデータからもお分かりの通り、地域によって結納金の金額は違います。
そのため、「地域の相場」を基準に金額を決める人も。
他には、家によって考えが違うこともあるので、「親戚・兄弟の過去の事例」を参考にするというケースもあるようです。
以上、金額を決めるための基準でした。
続いて、結納金の具体的な金額ごとに、「なぜその金額にしたのか」という理由をご紹介します。
みんなはどう決めた?
最もポピュラー【100万円】
先ほどもお伝えしたように、結納金として最も一般的なのが、キリのよい「100万円」。
「一本」「一包み」と呼ばれることもあり、結納金の金額としては定番です。
実際に選んだ人からも、
「100万円が一般的と聞いたから」
「周りもそうだったから」
「地域の相場にあわせて」
などの声が聞かれます。
相場を素直に取り入れて選んでいる人が多いようですね。
他には、「『帯付き』で贈るのがよいと人から聞いたから」というケースも。
銀行の窓口で100万円を下ろした時に、札束を帯で留めてもらえますが、これを「帯付き」と言います。
「帯付き」の100万円はきちんと感があるということで、選ぶ人もいるようです。
キリ良く【50万円】
結納金として50万円を選んだ理由は、
「キリが良くて、奇数のつく縁起の良い金額だから」
「両家の間で、100万円は多いという話になり、その半分の50万円になった」
「もとは100万円を贈って、女性側からは『結納返し』として50万円を返してもらう予定だったが、手間がかかるので50万円だけ贈って、結納返しをナシにした」
など。
「結納返し」というのは、男性側からの結納に対して、女性側からお返しをすること。
つまりお返しをする手間を省くために、結納金の金額を調整したということですね。
結納返しについては、こちらの記事も読んでみてくださいね。
結納返しってなに?絶対しないといけないの?する場合の相場やマナーについても解説!
奇数・末広がりで【70万円・80万円】
頭に奇数がつく「70万円」や、末広がりの8がつく「80万円」は縁起が良いということで選ぶ人も。
縁起以外の理由としては、
「女性側では嫁入り支度にタンスや着物が必要とのことで、その支度金として70万円を贈った」
「予算100万円のうち、婚約指輪を30万円で購入したため、残りの70万円を結納金にあてた」
「100万円はちょっと厳しかったから」
「ボーナス1回分を目安に」
などの声が。
「嫁入り支度」についてはいろいろと風習が分かれるようなので、両家で話し合っておくと安心です。
少数派【50万円未満】
全体的に「50万円未満」は少数派のよう。
それでも、中には「結納金が30万円だった」なんて人もちらほら。
理由としては、
「もともと結納を予定しておらず、行うことにはなったものの、簡単にすませたかったから」
「親に頼らずに結納金を用意したから」
「貯金額が少なかったから」
「結納金を少なくする代わりに、挙式費用を自分(男性側)が多く負担することにしたから」
など。
このように結婚する本人同士で相談して少なく決めたケースが多いようです。
高額派【200万円以上】
最後に「200万円以上」の高額派のケースをご紹介します。
ひとことで高額派と言っても、200万円から、500万円、さらには1000万円の例など、家や人によって額はまちまち。
ただ選ぶ人が多いのは、200万円~300万円のようです。
この金額を選んだ理由はこちら。
「正式結納を行ったから」
「金銭的に余裕があったから」
「自分が長男で、彼女には『長男の妻』として、実家に嫁いでもらったから」
「婿養子だから」
伝統的な手順やしきたりにのっとって行う「正式結納」は、簡略化された「略式結納」に比べて、手間も時間もかかります。
そのためきちんとした儀式に合わせて、結納金を多めにすることもあるようです。
正式結納や略式結納について詳しく知りたい人はこちらをチェック!
また、男性が女性の両親と養子縁組して、女性の家に入る「婿養子」の場合・・・
婿養子となる男性は、女性の家や家業などの跡継ぎを任されることがほとんど。
そのため男性本人や男性側の家の負担に対する配慮として、通常より結納金を増やすケースが多いそう。
具体的には女性側が用意する結納金の相場は、通常の嫁入りの2~3倍になると言われています。
一般的な結納金額100万円を基準にすると、確かに200万~300万円になりますね。
結納金に関してよくある【Q&A】
では最後に結納金についてよく挙げられる質問をまとめました。
Q. 結納金はどうやって渡せばいいの?
A.
結納の際に結納品の1品目としてご祝儀袋に入れて渡すのが一般的。
また直接手に持って運ぶのではなく、袱紗(ふくさ)に包んで運ぶのがマナーと言われています。
結納金の渡し方について詳しくはこちらをどうぞ。
ちなみに結納品については、地域にもよりますが、全部で9品目揃えるのが正式なよう。
結納品についてはこちらの記事が参考になりますよ。
結納品は何をいくつ用意する? 品目ごとの意味や地域による違いを分かりやすく解説します!
Q. 結納金はなしでもいい?
A.
結納金は結納品のひとつでもあるので、結納金はなしにして、他の縁起の良い品物だけを贈る方法もあります。
ただ場合によっては相手の両親が、
「娘を大事にしてもらえないのではないか?」
と感じてしまうケースもあったようです。
結納金なしの結納も増えてきているとは言え、結納金をなしにする場合は、事前に理解を得ておいた方がいいかもしれませんね。
結納金なしの結納についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
結納金なしの結納は失礼にならない?なしにする理由や割合など、最近の結納事情を紹介
また最近では、そもそも結納自体をしないというカップルも少なくないようです。
では、実際に結納をした人は全体のうちどれぐらいの割合を占めるのでしょうか?
「気になる!」という方はぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
結納する?しない?両家でもめないためには?決め方や体験談、顔合わせとの違いを紹介
Q. 結納金は断れる?
A.
最近では、女性が男性の家に嫁ぐという考え方も変わり、女性側から結納金を断る場合もあるようです。
その場合は、彼を通してあらかじめその意を伝えるとGOOD。
具体的には、
「ご配慮いただいてありがとうございます。お気持ちだけで結構ですので、もしよろしければ辞退させてください」
というように、感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。
Q. 結納金の使い道は?
A.
冒頭でも述べたように、結婚準備金というのが結納金の一般的な解釈ですが、これといった決まりはありません。
結婚式の費用とするのはもちろん、新生活の資金とするのもよいでしょう。
ただし、基本的に結納金は女性の「家」に納めるもの。
ふたりだけで決めるのではなく、両親とも相談して使い道を決められると良いですね。
結納金の使い道についてはこちらの記事が参考になりますよ。
Q. 結納金に税金はかかるの?
A.
基本的には、税金(相続税)はかかりません。
相続税について記された「相続税法基本通達」では、
21の3-9
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。
と定められています。
つまり、結婚準備に充てる資金として贈られ、結婚準備の中で使う分には税金はかかりません。
しかし、気をつけなければならない点として、先ほどの「相続税法基本通達」の中では以下のようにも記されています。
21の3-5
生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの以外のものとして取り扱うものとする。
つまり、結納金として受け取ったお金でも、それを貯蓄に回したり、家や株を購入するために使ったりした場合は税金がかかる可能性がある、ということです。
個々のケースによって状況は異なるので、心配な場合は税理士や税務署などに相談してみてくださいね。
※「結婚スタイルマガジン」トレンド調査2018
結婚に関するWEBアンケート調査
調査対象:入籍3年以内の男女
調査時期:2018年7月
対象人数:男性500人 女性500人
まとめ
男性側から女性側へ、結納の際に贈られる「結納金」。
そんな結納金には、結婚への準備金という意味があるようです。
金額はキリの良い100万円が主流のようですが、50万円や200万円を贈るケースもありましたね。
結納金の金額を決めるのは、多くの場合「男性側」。
収入や家の考え方、地域の慣習などをもとに決める人が多いようです。
ご紹介した金額例を参考に、両家が納得できる結納にしてくださいね。
「顔合わせ・結納」の他の記事
「顔合わせ・結納」
の次に知っておきたいこと
- 結婚に関する疑問を解決したい方へお役立ち記事2100本!「結婚ラジオ」
- 結婚のあれこれ、スキマ時間に楽しく読みたい方へイメージ膨らむ♪「結婚準備の基礎知識」
- 結婚式場を決めたい、お得に結婚式を挙げたい方へ全国約2000式場をご紹介「結婚式場を探す」