「結納」とは?どんな意味があるの?「顔合わせ食事会」との違いや準備の仕方も解説!
音声で聴く!
結婚にまつわる儀式、「結納」。
「名前は聞いたことがあるけど、くわしくはわからない・・・」
そんな人が多いかもしれませんね。
なんとなく、堅苦しいイメージもありますが、そもそも結納ってなんでしょうか?
どんな意味があるんでしょう?
日本の伝統的な儀式である「結納」について、見ていきましょう!
そもそも結納とは?
結納とは、婚約を正式なものとするための儀式のこと。
結納の儀式をし、結納品のやりとりをすることで、「結婚の約束」を両家の間でも確認します。
@16_rapunzel.727
「婚約」とは、二人が将来結婚することを約束することですが、約束だけなので手続きは必要ありません。
二人がお互いに、「将来結婚しよう」という意思があれば、婚約が成立していると言えます。
ただ、二人の間だけで結婚の意思が確認できていても、それは言わば口約束ですよね。
この、二人だけの口約束である「結婚の約束」を、二人以外の人にも知らせてより確かなものにするという意味があるのが、「結納」です。
「婚約を公(おおやけ)にする儀式」ともいえます。
他にも婚約を公にする方法には、
・キリスト教徒が、教会で聖職者の立ち会いのもと、神と列席者に誓いを立てる「婚約式」
・「婚約式」を元にし、神ではなく列席した人に婚約の誓いを立てる「人前婚約式」
・婚約したことを周囲の人に知らせる「婚約披露パーティー」
などがあります。
結納とは、日本独自の伝統的な婚約式と言えるかもしれませんね。
また、結納は、二人の婚約を確認するだけではありません。
二人の婚姻によって、両家が新たに結びつくことを祝う儀式でもあるんです。
二人にとってだけでなく、両家にとっても大切な意味のある儀式なんですね。
結納の種類
結納には地域や家のしきたりによってさまざまな形式がありますが、大きくわけると
・正式結納
・略式結納(仲人あり・なし)
の2つに分けられます。
「正式結納」と「略式結納」の違いを簡単に説明しますね。
「正式結納」と「略式結納」
「正式結納」では、仲人が両家の間を往来して、結納品と結納返し品のやりとりをおこないます。
そのため、両家が同じ場所に集まる必要はありません。
一方の「略式結納」は、新婦側の家や、ホテルなどの会場に両家が集まって執りおこなわれます。
現代の「略式結納」では、仲人を立てることは少なくなりましたが、仲人を立てて司会や結納品の受け渡しの役割をお願いする場合もあります。
「結婚スタイルマガジンWEBリサーチ」では、結納をしたカップルの約8割が「略式結納」だったという結果が出ています。
現代の結納では、「略式結納」がもっとも一般的なスタイルと言えそうですね。
詳しい内容は、こちらの記事をチェックしてみてください。
「結納」と「顔合わせ食事会」との違いは?
さて、「結納」と同じく婚約したカップルが行うイベントに、「顔合わせ食事会」があります。
顔合わせ食事会は、先に触れた略式結納と同じように、両家が料亭やホテル、レストランなどに集まっておこなうもの。
では結納と顔合わせ食事会の違いは何なのでしょうか。
もっとも大きな違いは、その目的です。
結納が、婚姻を正式なものにする儀式であるのに対して、顔合わせ食事会は両家の親睦を深めるための会。
だから顔合わせ食事会には決まった形式はなく、比較的自由なスタイルでおこなわれることが多いんです。
また、それぞれ目的が違うので、さまざまな違いがあります。
そのひとつが、婚約の証として贈る結納品の有無。
顔合わせ食事会の場合、指輪などの婚約記念品のお披露目をおこなうことはありますが、結納品の交換を行うことはあまりありません。
また、服装にも違いが見られます。
儀式である結納では、基本的に両家とも格の高い礼装で揃えます。
一方、顔合わせ食事会はそのスタイルによって服装もさまざま。
男性はブラックスーツ、女性はワンピースなど、改まった服装で行うこともあれば、両家で話し合って普段着で行われる場合も。
もちろん、会場のドレスコードなどもあるので服装は気を付ける必要がありますが、顔合わせ食事会のほうが比較的フォーマル度は低いようですね。
結納と顔合わせ食事会の違いを簡単にまとめると、このようになります。
結納 | 顔合わせ食事会 | |
---|---|---|
目的 | 婚約を正式に 承認するため | 両家の親睦 と交流のため |
結納品・ 結納返し品 | あり | なし |
服装 | 正礼装、準礼装、 略礼装 | スタイルにより さまざま |
場所 | レストラン、 ホテル、料亭、 新婦の家など 改まった場所が多い | スタイルにより さまざま |
次の記事でも、両者の違いを詳しく取り上げているのでぜひ読んでみてくださいね。
「結納」と「顔合わせ食事会」の違いって?メリット・デメリットは?
結納をした人の割合
では、結納をおこなったカップルは、どれくらいいるのでしょうか。
結納・両家の顔合わせの実施状況
両方行った 23.0%
結納のみ行った 4.8%
両家の顔合わせのみ行った 72.2%結婚スタイルマガジントレンド調査2018※
結婚スタイルマガジントレンド調査2018によると、結納をおこなったカップルは全体の27.8%。
意外と少ない・・・と思うかもしれませんが、結納をする・しないは地域差が大きいので、地域によっては高い割合でおこなわれていることも。
家の意向もあるので、お互いの家族との関係を良好にするためにも、結納をするかどうかは慎重に判断した方が良さそうですね。
くわしくはこちらの記事もチェックしてみてください。
結納する?しない?両家でもめないためには?決め方や体験談、顔合わせとの違いを紹介
結納の費用はどのくらい?
結納でかかる代表的な費用は、次の4つ。
・結納式の費用
・結納金
・結納品の費用
・結納返しの費用
それぞれいくらくらいなのか、見ていきましょう。
結納式の費用
一般的に、結納式にかかる費用は食事代を含めると以下の通り。
平均は13.3万円で、金額帯だと20万円未満が8割を占めています。
会場によっては食事代に加えて、会場の使用料や席代がかかることが多いよう。
食事代は一人あたり1~2万円程度が目安のようです。
結納金
結婚の支度金として、男性側から女性側へ贈られることが多い「結納金」。
キリの良い100万円を贈ることが多く、グラフでも100~150万円未満が最大。
平均額も92.5万円と100万円に近い値になっています。
結納品の費用
婚約の証として贈る「結納品」。
@16_rapunzel.727
地域や家によって品目や数が異なりますが、一般的に3,5,7,9などの奇数で用意します。
品目数ごとの相場は以下の通り。
品目数 | 費用 |
---|---|
3品目 | 1~5万円 |
5品目 | 3~10万円 |
7品目 | 3~15万円 |
9品目 | 5~20万円 |
※「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」より
全体の平均は10.4万円となっています。
結納返しの費用
結納品や結納金をもらった側が、納めた側へ贈る「結納返し」。
こちらは現金で返すか品物で返すかで相場が異なります。
現金の場合と品物の場合それぞれの費用相場は次の通り。
現金は「10~20万円未満」と「50~60万円未満」が多く、平均額は44.8万円。
品物は内容によって相場が変わりますが、「5万円~30万円」が全体の約7割を占めており、平均額は19.5万円となっています。
地域によって金額や品物が変わってくるので、両家で話し合っておくと良さそうです。
結納にかかる費用について、より詳しく知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください!
結納をする意味ってなに?
結納がどういったものか、説明してきました。
では、結納の儀式を、昔ながらの伝統的な形式で行う意味ってなんでしょうか?
主に4つの意味が考えられます。
ひとつずつ見ていきましょう。
1 気持ちが改まる
先ほどご紹介したように、婚約には何か特別な手続きがあるわけではありません。
「婚約したといっても、何も変わらなくて逆に不安になってしまうなあ・・・」
なんて人もいるかもしれませんね。
その点、結納の儀式を行うと「これで婚約したんだ」と、改めて実感することができます。
二人の気持ちが改まり、結婚に向けて責任感を持つことに繋がるんですね。
2 両家の改まった挨拶の場になる
婚姻によって両家が親戚になるといっても、家それぞれに考え方や習慣は大きく違うもの。
結納は、そんな考え方や習慣の違う両家が、
「これから末永くよろしくお願いします」
と改めて挨拶できる絶好の機会です。
二人の結婚は、両家の親にとっても大切なことです。
結納の儀式を通して親同士がきちんと挨拶をすることで、今後のお付き合いをスムーズに進める第一歩になるかもしれませんね。
3 婚約を周囲に知らせることができる
結納は、「二人は結婚の約束をした婚約者です」ということを宣言するようなものだとご紹介しましたね。
これは家族以外にも同じことで、結納をすることで、お互いの親族、会社の上司や同僚、友人などに、正式な婚約をしたことをお知らせできます。
特に年配の人や目上の人には、
「この前両家で結納を行いました」
と伝えれば、「結婚に向けてしっかり準備を進めているんだな」と、安心してもらえそうです。
4 日本の伝統文化に触れられる
普段はなかなか接することのない、日本の伝統文化を感じられるのも、結納をする意味と言えるかもしれません。
緊張感を持って儀式に臨むことで両家の絆も深まり、いい思い出になりそうですね。
結納の準備の仕方
続いて、もっとも一般的な「仲人なしの略式結納」の準備についてざっくりとご紹介します。
日取り
まず、日取りを決めます。家族の都合を優先しつつ、「お日柄」のよい日の午前中におこなうのがよいとされます。
「お日柄」は、「大安」、「友引」、「先勝」の日がいいようです。
とはいえ、近年ではお日柄も気にせず、都合を優先して予定を組むケースも。
結納の時期は、カップルによって結婚式の半年前~直前まで、ばらつきがあります。
お日柄についてはこちらの記事も参考になりますよ。
赤口とは?大安、仏滅など六曜の意味を紹介!入籍・結婚式をしていいのかも解説
場所選び
最近では、ホテルや専門式場、料亭、レストランなどでおこなうケースが増えています。
その場合、会場は両家の中間くらいの場所か、女性の家に近い会場が選ばれることが多いようです。
結納のあとに食事会をおこなう場合は、午前中に結納を済ませてそのまま移行するのがスムーズです。
日時や場所決めについては、こちらの記事が参考になります。
結納品の準備
婚約の儀式の際に贈る結納品。
家内喜多留(やなぎだる)など、縁起のよいとされる結納品一式を準備します。
大きく分けると「関東式」と「関西式」の2パターンがあり、関東式では結納品をお互いに「交換」し、関西式では男性側から女性側に結納品を「贈り」ます。
地域によって結納品の品目や数が違ったり、「結納返し」の習慣も異なったりしますので、両親ともしっかり相談をして準備しましょう。
結納品の地域差については、こちらの記事が詳しいです。
当日の流れ
結納の進行は、以下のような流れが一般的。
1 結納品の飾り付け、両家が着席
2 はじまりの挨拶
3 男性側から結納品を納める
4 女性側が受書を渡す
5 女性側から結納品を納める
6 男性側が受書を渡す
7 婚約記念品の披露
8 締めの挨拶
受け渡しの際の「口上」や、流れをしっかり覚えて当日を迎えましょう。
詳細な流れやマナーは、以下の記事を読めばバッチリです。
略式結納ってなに?当日の流れや服装・マナー、結納式にかかる費用を解説!
結納にまつわるQ&A
続いて、結納の気になるギモンについてQ&A形式で解説します!
Q.結納には誰が参加するの?
A. 結婚するふたりと両家の両親、仲人がいれば仲人も参加するのが一般的だが、親族が参加するケースも。
参加者については決まりがあるわけではないので、両家の合意のもと兄弟姉妹や祖父母などの親族が参加することもあります。
地域や家ごとに習慣が異なりますが、人数や構成を揃えて両家のバランスをとるのが大切なようです。
Q.結納ではどんな料理を出せばいいの?
A. 特に決まりはなく、和食でも洋食でも大丈夫。
結納式の後は食事会をすることが多く、料亭やレストランなど様々なタイプの会場で結納プランが用意されています。
料理の内容には特に決まりがないので、両家で相談して選べるといいですね。
コース料理であれば、オーダーが無い分、気兼ねなく会話を楽しめます。
結婚スタイルマガジンの「顔合わせ・結納会場」では、料理だけでなく結納プランや部屋の雰囲気など、会場の魅力をたっぷり紹介しています。
結納会場を選ぶ際には、ぜひチェックしてみてくださいね!
【コラム】結納の起源・歴史・語源
最後に、結納の歴史や言葉の由来について紹介します。
歴史に触れることで、結納という儀式をより大切に感じられるかもしれませんね。
結納の起源は?どんな歴史があるの?
結納の起源は、今から1600年ほど前の仁徳天皇(にんとくてんのう)の時代。
仁徳天皇の皇太子が妃(きさき)をむかえる際に、「納采(のうさい)」と呼ばれる儀式を行ったことがはじまりだとされています。
「納采」とは、男性の親が女性の親に贈り物をして、挨拶をすること。
今でも皇室では、一般の結納の儀式にあたる「納采の儀(のうさいのぎ)」が執り行われています。
この結婚の際に贈り物を贈る儀式は、平安時代には貴族の間にも広まりました。
室町時代になると中国の婚礼制度も取り入れながら、武家の間にも広まります。
江戸時代になると、裕福な商家などでも結納・結婚式の儀式が行われるようになりました。
ようやく庶民の間に結納の儀式が広まったのは、明治時代になってからだと言われています。
結納の儀式は、長い歳月をかけて一般に広がってきたのですね。
「結納」という言葉の語源は?
次は「結納」という言葉の語源についてです。
「結納」の語源にはさまざまな説があります。主なものをご紹介しましょう。
語源1
婚礼を申し込むという意味の、「言い入れ」が由来になっているという説。
動詞の「言う」の部分が「ゆう」と変化し、それにともなって「言い入れ」も「ゆいいれ」と変化していきました。
この「ゆいいれ」に「結い納れ」という漢字があてられ、今の「結納」になったという説です。
語源2
婚姻関係を結ぶお祝いの席で、両家がともに飲食する酒と肴(さかな)を、「結いのもの」といいます。
この「結いのもの」が由来となり、「結納」となったという説です。
結納品に酒やスルメ、昆布が使われているのはその名残だという説も。
ほかにも、「『両家を結びつける』という意味の『ゆきひも』が『ゆいのう』になった」など、語源については諸説あるようです。
どれも興味深いですね。
※「結婚スタイルマガジン」トレンド調査2018
結婚に関するWEBアンケート調査
調査対象:入籍3年以内の男女
調査時期:2018年7月
対象人数:1000人
まとめ
結納とは、日本独自の婚約スタイルで、「婚約を公にする儀式」のことでした。
結納ははるか昔から、形を変えながら日本の文化に根付いていったんですね。
日本古来の伝統儀式を行うことは、結婚に対して決意を新たにし、両家が良好な親戚づきあいをするためのきっかけになるようです。
堅苦しく感じるかもしれない結納ですが、日本の伝統文化に触れることのできる貴重な機会。
両家で相談し、結納を行うことも考えてみるといいかもしれませんね。
「顔合わせ・結納」の他の記事
「顔合わせ・結納」
の次に知っておきたいこと
- 結婚に関する疑問を解決したい方へお役立ち記事2100本!「結婚ラジオ」
- 結婚のあれこれ、スキマ時間に楽しく読みたい方へイメージ膨らむ♪「結婚準備の基礎知識」
- 結婚式場を決めたい、お得に結婚式を挙げたい方へ全国約2000式場をご紹介「結婚式場を探す」