正式結納と略式結納の違いとは?
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結婚に向けての日本の伝統儀式である「結納」。
なんとなく、堅苦しいイメージがあるかもしれません。
でも、ひとくちに「結納」といっても、いくつか種類があるのをご存じですか?
ここでは結納の種類と、その違いをご紹介します。
また、最近の結納はどんな風に行われているかも合わせて見てみましょう。
結納の種類にはどんなものがあるの?
まず、「結納」ってなんでしょうか?
簡単に言うと
「両家の間で正式に婚約をととのえる儀式」
のこと。
地域や家のしきたりによって、いろんな形式がありますが、大きく3つに分かれます。
・正式結納
・略式結納(仲人あり)
・略式結納(仲人なし)
それぞれどんな形式なのか、さっそく見ていきましょう。
正式結納ってどんなもの?
正式結納は、両家の間を取り持つ「仲人(なこうど)」が両家を行き来して、「結納品」や「受書(うけしょ)」のやりとりをします。
「受書」とは、「結納品をたしかに受け取りました」という証となる書類です。
「正式結納」は仲人が仲立ちをするので、両家同士は直接会うことがないのが大きな特徴。
「正式」の名前のとおり、最も格式高い結納の形式と言えます。
では、正式結納は具体的に、どんなことをするのでしょうか。
正式結納の流れ
まずは正式結納の一般的な流れから。
1.仲人が男性宅を訪問して、男性側から女性側への「結納品」を受けとる。
そして女性宅へ行き、「結納品」を渡す。2.仲人は、次のものを女性宅で受けとり、男性宅へ戻って渡す。・結納品を受けとったという「受書」
・女性側から男性側への「結納品」3. 仲人は、男性宅で、女性側からの結納品に対する「受書」を受けとる。
そして再び女性宅へ行き、「受書」を渡す。4.女性側は仲人を料理などでもてなす。
なんだか仲人は両家の間を行ったり来たりしていますね。
このように負担の多い仲人には、「酒肴料(しゅこうりょう)」と呼ばれるお礼金を渡すのが一般的です。
また、結納の流れは地域によっても違います。
上記のように、仲人が
「男性宅→女性宅→男性宅→女性宅」
と両家の間を一往復半するのは「関東式」。
「男性宅→女性宅→男性宅」
と一往復するのが「関西式」と言われています。
正式結納の詳しい流れについては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
正式結納、当日の流れ&マナー
正式結納の結納品は?
結納品は、「関東式」では9品目。
「関西式」では5~9品目が正式です。
たとえば「関東式」の結納品には次のようなものがあって、それぞれ縁起の良い意味が込められています。
結納品一式(関東式)
・「長熨斗(ながのし)」
あわびを叩いて伸ばしたもの。あわびは長生きする貝であることから、「延命長寿」の願いが込められています。
・「子生婦(こんぶ)」
「よろこぶ」の意味が込められています。昆布は生命力が強いことから、子宝の象徴とされます。
・「友白髪(ともしらが)」
白い麻糸を束ねたもので、夫婦が「共に白髪になるまで」添い遂げられるように、という願いが込められています。
結納品の内容については地域によって違いがあるので、詳しくはこちらをチェックしてくださいね。
仲人は、両家から預かった結納品を、「白木の台」にまとめて乗せて、納めます。
9品もの結納品を持って両家の間を行き来する仲人は、本当に大変ですね!
両家が離れている場合は、1日では終わらずに2日かかることもあるそう。
仲人へはきちんとお礼金などを用意して、感謝の気持ちを示したいですね。
略式結納ってどんなもの?
次は略式結納について見てみましょう。
略式結納には、「仲人あり」の場合と「仲人なし」の場合があります。
どちらの場合でも、両家が女性宅やホテル、料亭などの会場に集まって、結納品の受け渡しをするのが特徴です。
仲人あり・なしの違いは、会の進行役や結納品の受け渡しを、誰が行うのかというところ。
「仲人あり」の場合は仲人が行い、
「仲人なし」の場合は男性の父親が行う
というケースが多いです。
略式結納の流れ
ここでは「仲人なし」の場合の流れをご紹介します。
1.結納品を床の間かその前に飾っておく。2.男性側からの結納品を女性側に渡す。3.女性側は結納品の目録を確認し、それに対する受書を男性側へ渡す。4.女性側からの結納品を男性側に渡す。5.男性側は目録を確認し、女性側へ受書を渡す。6.婚約指輪などの婚約記念品を披露。7. 締めの挨拶の後、祝宴。
正式結納と比べると、略式結納は仲人の行き来がない分かなりシンプルですね。
略式結納の詳しい流れは、こちらの記事も参考にしてくださいね。
略式結納ってなに?当日の流れや服装・マナー、結納式にかかる費用を解説!
略式結納の結納品は?
正式結納と同じ9品目の結納品を準備する場合もありますが、省略して7品目や5品目にすることも。
結納品の品数や内容は、地域によってかなり違いがあるようです。
また、結納品は準備せず、結納金のみや、婚約指輪のみにする場合もあります。
正式結納と略式結納の違いって?
正式結納と略式結納について、簡単にご紹介しました。
正式結納は
「仲人が両家を行き来して、両家は直接顔を合わせない」
略式結納は
「両家が一堂に会して結納の儀式を行う」
というところが大きな違いでしたね。
正式結納はより厳粛で格式高く、そのかわり手間もかかります。
また、正式結納は必ず仲人がいるのに対し、略式結納は「仲人なし」と「仲人あり」の場合がありました。
正式結納
↓
仲人ありの略式結納
↓
仲人なしの略式結納
の順番に、儀式が簡略化されていきます。
では、最近の結納はどんな形式で行われるこ
とが多いのでしょうか?
続いて見ていきましょう。
最近の結納はどんな風に行われているの?
「結婚スタイルマガジンWEBリサーチ」によると、先輩カップルが行った「結納」の種類は次のとおり。
略式結納(仲人なし) | 76.2% |
正式結納 | 18.1% |
略式結納(仲人あり) | 5.7% |
7割以上の人が、「仲人なしの略式結納」を選んでいます。
現在では、仲人を立てず、堅苦しいしきたりを省略した略式結納が主流になっているようですね。
また、同じ略式結納でも
「結納品を準備せず、婚約記念品だけにする」「結納金は納めない」
など、地域や家のしきたりによって形式はさまざまなよう。
ただし、結納は結婚に向かうための大切な儀式であることに変わりはありません。
簡略化する場合も、両家でよく話し合い、両家ともが納得した形で行うことが大切。
どうしても両家の意見が食い違い、まとまらない場合は、より結納へのこだわりが強いほうに合わせたほうが、スムーズに進められそうです。
まとめ
正式結納と略式結納のいちばん大きな違いは、
正式結納:仲人が両家を行き来して、両家は直接顔を合わせない
略式結納:両家が一堂に会して行う
というところでしたね。
最近では仲人を立てず、儀式も簡略化した
略式結納を選ぶ人が増えているようです。
結納のやり方は地域によっても家のしきたりによっても変わってきます。
両家がしっかりと話し合い、お互いが納得できる形を選ぶのがベストです。
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