正式結納、当日の流れ&マナー
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古式ゆかしい「正式結納」。
最近では、正式結納をする人はあまりいなくなったと言われています。
その理由のひとつは「格式が高く、その分手間も時間もかかるから」。
いったいどんな風に行われるのか、ちょっと気になりますよね。
日本の伝統的な正式結納の流れと、正式結納ならではのマナーをあわせてご紹介します。
正式結納の特徴
まずは、正式結納の基本から。
正式結納には、必ず「仲人」が必要です。
仲人の役割は、両家の間を行き来し、すべてのやりとりを仲立ちすること。
両家の間のやりとりをすべて仲人が行うので、両家同士は直接顔を合わせないのが、正式結納の大きな特徴です。
また、結納には地方によって形式があります。
主な形式は、「関東式」と「関西式」のふたつ。
関東式は男性側・女性側がお互いに結納品を準備し、「交換」しあいます。
ですので、一般的に関東式の場合は、「結納を交わす」という言い方がされます。
一方、関西式では、結納品を準備するのは男性側のみ。
男性側から女性側へ、一方だけが結納品を渡すので、「結納を納める」と言われることが多いです。
では、「関東式」「関西式」それぞれ、どんな流れで行われるのでしょうか?
さっそく見て行きましょう!
関東式の流れは?
主に関東で行われる「関東式」の正式結納では、仲人が次のように、両家の間を「一往復半」行き来します。
男性の自宅 ⇒ 女性の自宅
女性の自宅 ⇒ 男性の自宅
男性の自宅 ⇒ 女性の自宅
大まかな流れはこんな感じです。
①男性側の自宅 (1回目)
仲人が男性側からの結納品を預かる
↓
②女性側の自宅 (1回目)
仲人は男性側からの結納品を納め、女性側からの受書(※)と結納品を預かる
※「受書」:結納品を受け取った「受領証」のようなもの
↓
③男性側の自宅 (2回目)
仲人は、女性側からの受書と結納品を納め、男性側からの受書を預かる
↓
④女性側の自宅 (2回目)
仲人は男性側からの受書を渡す
上の①~④について、両家でそれぞれどんなことをするのか、詳しく見ていきましょう。
①男性側の自宅 (一回目)
1 男性側は結納品を飾り付け、仲人を待つ2 仲人が到着したら上座に案内し、男性・両親も着席する
3 仲人があいさつの口上を述べ、父親が返礼の口上を述べる4 母親が仲人の前へ結納品を運ぶ。父親または男性本人が仲人へ、結納品の取次をお願いする口上を述べる5 仲人は結納品と目録(※)を確認し、受取の口上を述べる※「目録」:結納品の品目数を記した「納品書」のようなもの6 仲人は結納品を風呂敷に包んで、男性側の自宅を出る
仲人は男性側から預かった結納品を持って、女性側の自宅へ向かいます・・・
②女性側の自宅(一回目)
1 女性側は結納品を飾り付け、仲人を待つ2 仲人が到着したら上座に案内し、女性・両親も着席する
3 仲人が結納品を取り次ぐ口上を述べ、仲人夫人が男性側の結納品を女性本人の前に運ぶ4 本人が目録を確認、続いて父親・母親の順に確認し、目録を元に戻す5 父親、または女性本人がお礼の口上を述べ、母親が結納品を飾る6 母親が「受書」と男性側への結納品を仲人のもとへ運ぶ。父親または女性本人から仲人へ、結納品の取次をお願いする口上を述べる7 仲人は結納品と目録を確認し、受取の口上を述べる8 仲人は結納品を風呂敷に包んで、女性側の自宅を出る
仲人は女性側から預かった結納品と受書を持って、再び男性側の自宅へ・・・
③男性側の自宅(二回目)
1 仲人夫人が女性側からの結納品を床の間に飾る2 全員着席したあと、仲人が受書を男性本人の前へ差し出し、口上を述べる3 父親、または男性本人が受け取りの口上を述べる4 仲人が結納品を取り次ぐ口上を述べ、仲人夫人が女性側の結納品を男性本人の前へ運ぶ
5 本人が目録を確認、続いて父親・母親の順に確認し、目録を元に戻す6 父親、または本人がお礼の口上を述べ、母親が結納品を飾る7 母親が受書を仲人に渡し、仲人は受取の口上を述べ、受書を風呂敷に包んで男性の自宅を出る
このとき、男性側は「祝い膳」というお食事を準備して、仲人をもてなす場合もあります。
しかし、このあとには女性側の自宅を訪問しなければならないので、時間がない場合も。
そんなときは、祝い膳の代わりに「酒肴料(しゅこうりょう)」といって、お金を包んで渡すこともあります。
仲人は男性側から預かった受書を持ち、またまた女性側の自宅へ向かいます・・・
④女性側の自宅(二回目)
1 全員が着席したら、仲人が受書を女性本人の前に差し出す2 仲人が締めのあいさつをする3 父親がお礼のあいさつをし、一同深く礼をする
以上で正式結納(関東式)の儀式は終了!
このあと、女性側は仲人を祝い膳でもてなし、酒肴料(謝礼金)を渡します。
両家の間を一往復半する仲人は、なんて大変なんでしょうか・・・!
両家が遠方にある場合は、1日では終わらず2日かかることもあるそうですよ。
仲人へは感謝のしるしに、きちんとおもてなしや謝礼金の用意をしておきたいですね。
では続いて、「関西式」の正式結納を見てみましょう。
関西式の流れは?
主に関西で行われる「関西式」の正式結納では、結納品を納めるのは男性側のみ。
流れは基本的に関東式と同じですが、結納品が男性側からのみなので、仲人の行き来は減ります。
具体的には、
男性の自宅 ⇒ 女性の自宅
女性の自宅 ⇒ 男性の自宅
という「一往復」で終わり。
こんな流れで進めます。
①男性側の自宅
仲人が男性側からの結納品を預かる
↓
②女性側の自宅
仲人は男性側からの結納品を女性側に納め、受書を受け取る
↓
③男性側の自宅
仲人が女性側からの受書を納める
関東式に比べると楽なように思えますが、それでもやっぱり行き来する仲人は大変そうですね。
正式結納のマナー
結納のなかで重要な役割を担い、負担の大きい仲人には、きちんと謝礼をお渡しするのがマナーです。
仲人には、主に「お車代」と「御礼(酒肴料)」をお渡しします。
「お車代」とは、いわゆる交通費のこと。
両家を行き来してもらうので、一般的な交通機関を利用した場合の交通費に、手間賃程度を加えて渡します。
男性側、女性側の両方から渡すのが一般的です。
また、「御礼」は、謝礼として結納が終わった後に渡します。
渡す金額は、正式結納の場合、結納金の1~2割が相場のよう。
結納金が100万円なら、10~20万円ということですね。
ただ、地域や家によって、お礼の渡し方や相場は変わってきます。
両家で事前に確認するようにしましょう。
気を付けたいポイント
ご紹介したように、正式結納は仲人にかなり負担がかかる方法です。
もし正式結納を行う場合は、仲人をお願いしたい方に事前にきちんと承諾を取っておきましょう。
結納の日取りも、仲人の都合を優先したほうが良いですね。
また、ここでご紹介した正式結納の流れは、あくまで一般的なもの。
「関東式」と「関西式」の違いだけでなく、地方や家によって結納の形式は変わることがあります。
両家でしっかり形式の違いについて話し合い、どんな方法で行うのか決めておきましょう。
まとめ
正式結納の一日の流れ、いかがでしたか?
きっちりと格式高いところが魅力の正式結納ですが、仲人には負担が大きいこともしばしば。
もし行う場合は、仲人に対してしっかりとマナーを守り、感謝の気持ちを示すことが大切です。
地方でそれぞれ違う形式があることも忘れずに、どんなスタイルで結納を行うのか、両家でしっかり話し合ってくださいね!
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