仏前式ってどんな結婚式?神前式との違いは?魅力や進行例、注意点などを一挙解説!
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最近、結婚式に「和」のスタイルを取り入れる「和婚」の人気が高まりつつあるよう。
今回注目する「仏前式」もそんな「和婚」の一つです。
耳慣れないかもしれませんが、素敵な挙式スタイルですよ。
その魅力や進行例を詳しく紹介していきますので、ぜひ読んでみてくださいね。
仏前式ってどんなもの?
「仏前式」とは、読んで字のごとく「仏様の前で」式を挙げるスタイルのこと。
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仏様の見守る前で、親族に囲まれながら式を挙げることができますよ。
仏前式というと、同じ和婚の「神前式」との違いが気になる人も多いのではないでしょうか?
そこでまずは、仏前式と神前式の違いを詳しく見ていきましょう。
神前式とは何が違うの?
仏前式と神前式は、主に次の4つの点で異なります。
意味
仏前式と神前式の違い1つ目は、挙式に込められた「意味」です。
まずは「仏前式」に込められた意味から。
仏教には「因縁」という考えがあります。
それによると、これまでの歩みが「因」となり、様々な「縁」に恵まれ、2人は結ばれた・・・となるそう。
つまり「因」と「縁」により出会い、結婚できたことを、仏様や先祖に感謝し報告するのが「仏前式」です。
一方、神前式は「二人の結婚を神様に報告」し、「神様にお守りしてもらうことを願う」、という意味があると言われています。
結婚を報告するだけでなく、今後のご加護を願う意味合いがあるということですね。
場所
仏前式と神前式の違い2つ目は、挙式を行う場所。
仏前式は、「お寺」や「自宅」で行われることが多いもの。
お寺の場合は、新郎もしくは新婦の先祖代々のお墓がある「菩提寺(ぼだいじ)」で行うのが一般的。
他には、縁のある寺院で行われることもあるようです。
自宅で行う場合は、僧侶を自宅に招き、自宅の仏壇の前で行います。
対して神前式は、「神社」や「結婚式場の中につくられた館内神殿」で式を挙げるパターンが多いよう。
基本的にはこのような違いがありますが、最近では、ホテルや結婚式場へ出張してくれる寺院もあるようです。
つまり「お寺」や「自宅」以外でも仏前式を挙げられるケースがあるということですね。
また仏前式は、基本的に新郎新婦のどちらかがその宗派の信徒であることが前提とされています。
ただ最近では信徒でなくても仏前式を挙げられる所もあるようなので、気になる寺院があれば、事前に相談してみましょう。
結婚スタイルマガジンでは、仏前式ができる結婚式場を探すことができます。
仏前式を考えている人は、こちらも要チェックです!
内容
3つ目の違いは、式の内容です。
仏前式には、僧侶から新郎新婦へと念珠が授けられる「念珠授与」という特徴的な儀式があります。
他には、新郎新婦のお焼香も、仏前式ならではの内容と言えそうです。
ちなみに焼香(しょうこう)とは、お香をつまんで香炉で焚くこと。
心と体の穢れを落とす意味があるそうです。
仏前式の詳しい流れについては、後ほど丁寧に解説しますね!
一方神前式では、紙垂(しで)をつけた榊(さかき)の枝を神前にお供えする「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」という儀式が特徴的。
玉串奉奠についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
【神前式】玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法をイラストで丁寧に解説!
費用
4つ目の違いは、式にかかる費用。
仏前式にかかる費用は、挙式の場所によっても異なりますが、だいたい10~25万円くらいが相場と言われています。
一方、神前式にかかる費用の相場は、25~30万円ほど。
ただ、ここで紹介した費用の中には、衣裳や着付け代、写真代などは含まれていません。
それらはまた別に手配することになりますが、一般的には教会式や神前式に比べて、仏前式の方が比較的リーズナブルに済むことが多いようです。
以上、仏前式と神前式の違いをご紹介しました。
同じ和婚ということで似ているようにも思える仏前式と神前式ですが、こんなにも違いがあるんですね!
神前式についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もどうぞ。
神前式の基礎知識まとめ!式の流れや魅力・費用・衣裳・髪型など一挙解説
仏前式の魅力
神前式に比べるとまだ珍しい仏前式ですが、仏前式ならではの魅力もたくさんあるんです。
順番に見ていきましょう。
両家の結びつきを感じられる
ご先祖様からのご縁に感謝し、来世でも共にあることを誓う仏前式。
結婚という節目に、自分の家族のこと、また相手の家族のことを深く考える機会になります。
自分の家族と、これからともに歩んでいくパートナーの家族、両家に感謝する素敵な式になりそうです!
厳かな気持ちで結婚の重みを感じられる
厳粛な雰囲気の仏前式では、思わず背筋が伸びることでしょう。
お香を焚いて、数珠を手に合掌・・・。
日本ならではの歴史を感じながら、式を挙げられます。
参列者の印象に残る
仏前式はまだ珍しいので、「これが初めての仏前式!」という参列者も多いはず。
参列者にとっても思い出深い、心温まる挙式になりそうです!
仏前式の進行例
では、ここからは
「寺院で仏前式をする場合の進行例」
を詳しくご紹介します。
宗派によって違いはありますが、全体の流れは大体こんな感じ。
それぞれどんな流れで進めるか、見ていきましょう。
1 入場
先に両親と親族が、式を挙げるお寺の堂内に入場・着席します。
このとき、入る順番は両親、親族、来賓の順が一般的。
また本尊に向かって右側が新郎席、左側が新婦席となるパターンが多いようです。
そのあと、媒酌人(ばいしゃくにん)に導かれ新郎新婦が入場。
最後に、式をとり行う僧侶が入場します。
ちなみに「媒酌人」とは、結婚式当日に新郎新婦のお世話をしてくれる人です。
2 敬白文朗読(けいびゃくもんろうどく)
まず、僧侶が「焼香」をします。
つづいて僧侶が本尊前の「礼盤」と呼ばれる高座に上がり、仏と先祖に二人の結婚を報告するための言葉を読み上げます。
この言葉を「敬白文」といいます。読み方は「けいびゃくもん」。
読めた人はスゴイ!
僧侶が敬白文を読んでいる間は、新郎新婦は頭を垂れ、参列者は起立します。
厳粛な雰囲気の中で、結婚の重みを感じられそうですね。
3 念珠(ねんじゅ)の授与
僧侶から、
白い房の念珠が新郎へ
赤い房の念珠が新婦へ
授けられます。
新郎新婦は、念珠を親指以外の4指にかけて合掌しましょう。
4 指輪の交換
結婚指輪の交換をする場合は、ここで行います。
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僧侶から指輪を受け取り、
新郎から新婦へ
新婦から新郎へ
の順に、お互いの左手薬指に指輪をはめましょう。
5 司婚の儀(しこんのぎ)
僧侶が二人に結婚の誓いを求め、二人はそれぞれ「誓います」と答えます。
さらに「ご本尊」に向かって誓詞(せいし)を読み上げます。
誓詞とは誓いの言葉のことで、新郎新婦の代わりに媒酌人が読み上げる場合もあるようです。
これを受けて僧侶は、参列者に「結婚の成立」を宣言します。
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6 新郎新婦の焼香(しょうこう)
新郎→新婦の順に1回ずつ焼香し、合掌します。
参列者も同じように合掌。
7 式杯
「式杯」は、神前式における「三献の儀」(三三九度)にあたるもの。
新郎新婦がお神酒(おみき)を飲み交わし、夫婦の契りを結ぶ儀式です。
具体的には、小・中・大の3つの杯を使って、次の順番で進めます。
①「小杯」で新婦→新郎→新婦の順に
②「中杯」で新郎→新婦→新郎の順に
③「大杯」で新婦→新郎→新婦の順に
飲むときは、
一回目、二回目は口をつけるだけ、
三回目で飲み干します。
8 親族固めの杯
参列者全員で起立した後、配られた杯を三回に分けて飲み干し、合掌します。
9 法話
僧侶が、結婚を祝してお祝いの言葉と法話を述べてくれます。
法話とは、仏教の教えを伝えるありがたいお話のこと。
全身に染みわたらせるように、心して耳を傾けましょう。
10 退場
最後に、一同起立して合掌・礼拝します。
退場は、
僧侶→新郎新婦→媒酌人→両親→親族
の順が一般的。
以上、仏前式の流れでした。
念珠の授与があったりお焼香をしたりと、仏前式ならではの儀式で厳かな気持ちになれそうですね。
仏前式の知っておきたい慣習
魅力いっぱいの仏前式ですが、少し注意が必要なポイントもあります。
知らずに後々困った・・・ということがないよう、ここでは特に知っておきたい2つをご紹介します。
参列者は親族のみの場合が多い
仏前式の参列者は親族のみの場合が多く、友人や同僚は参列しないのが一般的なようです。
ただ宗派や会場にもよるため、親族以外の人を呼びたい場合は会場に相談してみるといいですよ。
式中は正座するケースも
大きな寺院などでは椅子が用意されているところもありますが、式のあいだは座布団の上に正座するというケースも。
式の所要時間は30分ほどなので、足腰が悪い参列者がいる場合は配慮が必要です。
心配な場合は、事前に会場へ
・式中は正座になるか
・椅子を用意してもらえないか
などの確認をしておくのがおすすめ。
椅子を用意してもらえなさそうな場合は、参列者本人に持ってきてもらうか、新郎新婦が用意してあげるといいですね。
【Q&A】仏前式にまつわる疑問を解決!
最後に、仏前式にまつわるよくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで目を通して、気になる疑問を解決してくださいね!
Q. 新郎新婦はどんな衣裳を着るの?
A.新郎新婦ともに和装が定番のスタイル
新郎は「紋付羽織袴」(もんつきはおりばかま)、新婦は「白無垢」(しろむく)を選ぶカップルが多いよう。
とはいえ、必ず和装と決まっているわけではなく、なかにはウェディングドレスなどの洋装を選ぶカップルもいるようです。
ただ、和装にしても洋装にしても、お寺だとホテルや専門式場とは違って衣裳のレンタルはできないことも多いよう。
衣裳については事前に確認して、レンタルできなければ自分たちで別に手配しましょう。
Q. 仏前式でも指輪交換はできる?
A.仏前式でも指輪交換は可能
やっぱり指輪交換は欠かせない、そんなふたりでも大丈夫。
進行例でも説明しましたが、仏前式でも指輪の交換はできます。
念珠の授与のかわりに指輪の交換をするカップルもいれば、念珠・指輪の両方を準備するカップルもいます。
Q. 披露宴はどこでする?
A.ホテルや料亭などの別会場で行うパターンが多いよう
仏前式を寺院で挙げる場合は、披露宴はホテルなどの別会場へ移動して行うのが一般的です。
また、最近では披露宴を行うための広いスペースを設けてくれる寺院もあるようなので、一度問い合わせてみるのもいいですね。
仏前式と披露宴をあわせて行える結婚式場やホテルを利用するのもおすすめです。
Q. 宗派が異なる場合はどうする?
A.よく相談のうえ、どちらかの宗派に合わせるのが基本
「仏前式を考えているけど、二人の宗派が違う…」
そんなときは、どちらかの宗派に合わせるのが基本です。
一般的には新郎の宗派に合わせることが多いようですが、厳密な決まりはありません。
宗教の話はセンシティブなもの。
どちらの宗派に合わせるかは、親族も含めてよく相談してから決めましょう。
Q. 参列者に伝えておくことはある?
A.当日の持ち物や服装を伝えておく
仏前式には、数珠が欠かせません。
参列者への招待状には「数珠を持参してください」と書いておきましょう。
参列者の服装については、教会式や神前式と同じく礼服やパーティードレスで構いませんが、露出が多い服装は避けてもらった方がよさそうです。
まとめ
仏前式は、仏様や先祖に二人の結婚を報告する挙式スタイル。
同じ和婚の神前式とは挙式に込められた意味や場所、進行内容、費用などの点で異なります。
進行内容には、仏前式ならではの厳粛な雰囲気を感じられるシーンがたくさんありますよ。
厳かで落ち着いた雰囲気の挙式がしたい二人にはぴったりの挙式スタイルと言えそう!
また基本的には二人のどちらかがその宗派の信徒である必要がありますが、最近では宗派や宗教に関わらず、仏前式ができる寺院もあるようです。
「仏前式、気になるけど信徒じゃないからなぁ」という人も、まずは相談してみましょう。
そんな仏前式には、両家の結びつきを感じられる、参列者の印象に残りやすいといったメリットも。
魅力いっぱいの「仏前式」、ぜひ選択肢に入れてみてくださいね。
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