事実婚とは?選ばれる理由や注意点をわかりやすく解説!【手続き・制度もまるわかり】
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最近では、
「結婚してもお互い名字を変えたくない」
「制度にとらわれない関係性でいたい」
などの理由から、婚姻届を提出せずに結婚生活を送る「事実婚」も増えてきています。
この記事では、事実婚にまつわる制度や、メリット・デメリットを分かりやすく解説!
事実婚をする場合にしておくといい手続きもご紹介しますよ。
事実婚とは?
事実婚とは、婚姻届を提出しないまま、お互いに結婚の意思を持って、事実上の結婚生活を送っている状態のこと。

婚姻届を出していないため、法律上は夫婦ではありませんが、生活の実態は入籍した夫婦とほぼ同じです。
「事実婚」という法的な制度があるわけではないので、「この条件を満たしたら/この手続きをしたら事実婚」というはっきりとした定義はありませんが・・・
一般的には、
・「夫婦である」とお互い認識している
・共同生活を送っている
・社会的に夫婦と認められている
という条件が揃っていると、事実婚状態と認められることが多いといわれています。

「社会的に夫婦と認められている」というのは、「ふたりは夫婦だ」と周りが思っていたり、住民票に夫(妻)であることを明記していたりする状態を指すようです。
住民票については後ほどお話ししますね。
ちなみに、事実婚に対し、婚姻届を役所に提出して、戸籍上の夫婦になることを「法律婚」と呼ぶこともありますよ。
では、婚姻届を出さないことによって、どんな違いが出てくるのでしょうか?
続いては、事実婚と法律婚の制度上の違いを詳しく見ていきましょう。

「事実婚」と「法律婚」はどう違う?
事実婚と法律婚の違いを表でまとめたものが、こちら。
2026年1月現在
※△…条件を満たすことで認められる場合があるもの
特に法律婚と大きく違うのは、姓や子どもの親権など。
配偶者控除が受けられないというのも事実婚の特徴です。
一方、健康保険の被扶養者になったり、遺族年金の受給をしたりといった公的な制度については、事実婚でも書類などで夫婦であることを証明できれば適用されるよう。

携帯電話や自動車保険の家族割なども、事実婚カップルに適用している会社もありますよ。
ただし、適用している会社でも、書類などで夫婦であることを証明する必要があるところがほとんどです。
このほか、一部の市区町村で行われている不妊治療への助成も、市区町村によっては事実婚カップルを助成の対象としていますよ。

以上、事実婚と法律婚の制度上の違いを解説しました。
次は、この違いを踏まえてより具体的に事実婚のメリットとデメリットを見ていきましょう。
事実婚のメリット
事実婚のメリットとしてよくいわれるのは、このようなこと。
・夫婦別姓でいられる
・結婚に伴う手続きが少ない
・離婚しても戸籍に残らない
事実婚が選ばれる理由とあわせて、詳しくご説明しますね。
夫婦別姓でいられる
みなさんも最初に思い浮かんだかもしれませんが、「姓を変えなくても良い」ことが事実婚のメリットの1つです。

今までずっと使ってきた愛着のある名前、周りから呼ばれ慣れている名前を、変えたくない

今の氏名である程度キャリアを積んでいるので、名字を変えることに抵抗がある

前の配偶者との子どもがいて、子どもの気持ちを考えるとあまり名字を変えたくない
姓が変わったあとも、身分証に旧姓併記をしたり、職場で旧姓を使い続けたりすることも可能ですが、生活するうえで本名を名乗らないといけないことも多くあります。
こういったことを考えると、「姓を変えたくないので入籍しない」という選択をする人がいるのも、うなずけますね。
結婚に伴う手続きが少ない
婚姻届を提出するときは、書き方が分からず調べたり、証人に署名をしてもらう必要があったりと、意外と手間がかかるもの。
名字や本籍が変わると、それに伴って運転免許証やパスポート、保険などの変更手続きも必要です。
これだけある手続きが省けるのは、たしかにメリットといえそうです。

法律婚だと、入籍や名義変更の手続きに時間がかかりそうだから事実婚にした
離婚しても戸籍に残らない
入籍した夫婦が離婚するときには、届け出をする必要があり、戸籍には離婚したという記録が残ります。
しかし、事実婚であればそもそも入籍していないので、戸籍に記録が残ることはありませんし、離婚に必要な手続きも省略できます。
特に一度離婚を経験した人だと、こういった事実婚の「リスクの低さ」をメリットに感じるのかもしれません。

続いて、事実婚のデメリットを見ていきましょう。
事実婚のデメリット
法律婚と比べたときの事実婚のデメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
・夫婦向けの税制優遇が受けられない
・相続や生命保険の受け取りが不利になる
・子どもができたときに必要な手続きが多い
・夫婦関係の証明がしにくい
夫婦向けの税制優遇が受けられない
事実婚では税金の「配偶者控除」や「扶養控除」が認められません。

配偶者控除、扶養控除というのは、一言でいうと「税金の軽減」です。
配偶者や扶養の対象者について、法律で定める一定の条件を満たしている場合に受けられるもの。
入籍していない場合、これらの控除は認められないので、税金の負担が大きくなってしまうことがあります。

また税金とは別ですが、ローンが組めなかったり、職場の福利厚生としての「家族手当」を受けられなかったりする場合があるのも、事実婚のデメリットといえるでしょう。
相続や生命保険の受け取りが不利になる
事実婚の場合、結婚相手に遺産の相続権はありません。
財産を残したいなら、「遺言書」を作成する必要がありますが、遺言により相続できたとしても、「相続税」がかかります。

さらに民間会社の生命保険も、会社によりますが事実婚の結婚相手を受取人に指定できない場合も多いよう。
受取人になれる場合も、生命保険料控除が適用されなかったり、受け取りの際に相続税を課税されてしまったりと、税制面では法律婚より不利になるようです。
子どもができたときに必要な手続きが多い
事実婚で妊娠・出産を迎えたときは、様々な手続きが必要となります。

たとえば、「認知」の手続き。
入籍していないふたりの間に子どもが生まれたら、「認知」をしないと父親との親子関係が認められないので、子どもには父親からの扶養や相続を受ける権利が無い状態になります。
また、子どもの「親権」にも注意が必要。
入籍していれば両親に「共同親権」がありますが、事実婚の場合は「母親のみ」が親権者になる決まりです。

・親権を父親に変更したい
・子どもの姓を父親の姓に変えたい
といった場合は、「認知」した上で家庭裁判所での手続きをする必要があります。
子どもができたときの手続きについてはこちらの記事が参考になりますよ。
事実婚で子供ができたらどうすればいい?手続きや注意すべきポイントを徹底解説!
夫婦関係の証明がしにくい
夫婦関係の証明が難しく、また役所や会社などによって判断が変わるのも事実婚の大変なポイント。

賃貸住宅の契約やスマホ家族割を利用するときなど、夫婦であることの証明が必要なときに、事実婚だとスムーズにいかないことがあります。
また、ふたりのどちらかに入院や手術が必要になった場合。
病院によって判断はそれぞれですが、法律婚なら親族として入院や手術の同意書にサインできるけれども、事実婚ではできない場合があるようです。

代理手続きができる場合でも、委任状や夫婦関係を証明するものが必要だったりするため、手間がかかることが多いそうですよ。
デメリットについてさらに知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
入籍しなかったら何か問題ってあるの?入籍しないデメリットとは
事実婚のメリットやデメリットについてお話ししました。

事実婚は法律婚と同じような権利が認められてきているとはいえ、
お金の面で不利な点が多かったり、制度を使うにしても夫婦である証明に手間がかかったりする点が、法律婚とは大きく違うんですね。
では、事実婚で夫婦関係を証明するためには、どんなことをしたらいいのでしょうか?
続いては、事実婚の証明に役立つ手続きや、しておくといい手続きについて詳しく解説します。

事実婚でしておくといい手続きは?
これまでお伝えした通り、夫婦であることを証明したいときに、事実婚だと証明が難しいことがありますが・・・
一般的に、次のような手続きをしていると、夫婦関係を認めてもらいやすくなるようです。
・住民票の手続き
・公正証書の作成
・パートナーシップ制度の利用
詳しく見ていきましょう。
住民票の手続き
まずやっておくと便利なのが、住民票の手続き。
住民票をふたりで同一の世帯にして、世帯主との「続柄」を「妻or夫(未届)」と記載してもらいます。

そうすることで、住民票が夫婦関係を証明する有力な書類となり、様々な手続きがスムーズに進みやすくなりますよ。
公正証書の作成
公正証書とは、法務大臣によって任命された公務員である「公証人」が作成する公文書のこと。
・ふたりが事実婚の夫婦であること
・財産やお金に関する決めごと
・子どもができたときの決めごと
・・・など、事実婚をするにあたってふたりが約束したことを記載する契約書の役割を「公正証書」がはたします。

作成費用は公正証書の枚数や記載する内容によって異なりますが、およそ2万円~10万円ほど。
公正証書があれば、トラブルの防止にもなるほか、入院や手術のときの代理手続きなどもスムーズに進むことが多いようです。
パートナーシップ制度の利用
「パートナーシップ制度」は、同性カップルに対して婚姻と同等の関係であることを自治体が認める制度。
自治体によっては同性カップルに限らず、異性の事実婚カップルも対象としている場合があります。

パートナーシップ制度によって「パートナーシップ宣誓書」などの書類を発行してもらえると、契約や各種手続きがスムーズになることも。
2026年1月現在、パートナーシップ制度には540を超える自治体が参加しており、これから導入する自治体もさらに増えるようです。
参考:Marriage For All Japan 日本のパートナーシップ制度
夫婦関係を証明するのに役立つ手続きはこんな感じです。
このほか、遺言書の作成や死後事務委任契約といった手続きもしておくと、もしものときのためになります。

事実婚では結婚相手に相続権がないため、財産を残すには遺言書を作る必要があることは先ほどご説明しましたね。
死後事務委任契約は簡単にいうと、自分が亡くなった後の葬儀の手続きや遺品整理などを指定した人にお願いする契約です。
これらの死後事務は一般的に法律上の親族が行うことが多いのですが、事前に契約を結んでおくことで、事実婚のパートナーにお願いできるようになるんですよ。

事実婚にまつわる疑問を解決!
最後に、事実婚に関するよくある疑問を見ていきましょう!
「内縁」と「事実婚」はどう違う?
「内縁」と「事実婚」は同じ意味として考えられることが多いです。

かつては
・内縁:事情があって婚姻届を提出できない状態
・事実婚:主体的な意思で婚姻届を提出していない状態
というように使い分けることもあったようですが、最近ではほぼ同じ意味で使われているようですよ。
何年一緒に住めば事実婚と認められる?
はじめにお伝えしたように、「事実婚」という法的な制度があるわけではないので、事実婚と認められるための決まった条件はありませんが・・・

一般的には、お互いに「夫婦である」という認識を持ち、2~3年同居していると事実婚と認めてもらいやすくなるよう。
ただ、お互いに夫婦と思っておらず単純に恋人同士で一緒に暮らしている状態は、「同棲」と呼ばれ、事実婚とは区別されますよ。
また、住民票や公正証書などの手続きをしていると、一緒に住んでいる期間が短くても事実婚と認められる場合もあるようです。

事実婚をするうえで話し合っておくべきことはある?
事実婚では、法律婚に比べて税制面で不利だったり、ローンが組めない場合があったりするので、お金のことについて認識を揃えておくといいでしょう。
普段の生活で使うお金のことだけでなく、将来車や家を買うときのことも視野に入れて話し合うとよさそうです。

また、法律婚に移行するタイミングも一度話しておくと安心。
事実婚にも多くの権利が認められてきているとはいえ、法律婚と比べるとまだまだ不利な点が多いですよね。
子どもが生まれたときや、どちらかが病気になったときなど、事実婚だと困る場合もあるかもしれないので、あらかじめお互いの考えを確認しておくといいですよ。

そのほか、円満な結婚生活のために話し合うべきポイントを知りたい人はこちらをどうぞ。
結婚前に話し合って決めておきたい8つのこと!上手く話し合うコツもご紹介
まとめ
婚姻届を提出せずに、事実上の結婚生活を送ることを「事実婚」といいます。
明確な定義はありませんが、次の3つを満たしていると事実婚と認められやすいといわれています。
・「夫婦である」とお互い認識している
・共同生活を送っている
・社会的に夫婦と認められている
夫婦別姓でいられたり、結婚にあたって必要な手続きが少なかったりする一方で、
税制面で不利になったり、夫婦関係の証明がしにくかったりというデメリットもありました。
住民票の手続きや公正証書の作成などをしておくと夫婦関係を証明しやすくなるので、事実婚をする場合は検討してみるといいでしょう。
ご紹介したメリット・デメリットを参考にふたりで話し合い、「ふたりらしく幸せに生きられる結婚スタイル」を選んでくださいね。
※「入籍」は本来、既にある戸籍に入ることを意味しますが、本記事では一般的な理解に合わせて「結婚」と同じ意味で使用しています。
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