結納返しってなに?絶対しないといけないの?する場合の相場やマナーについても解説!
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「結納返し」ってご存知ですか?
「結納へのお返しのことかな?
でも、具体的に何をするんだろう?
そもそも必要なの?」
そんな結納返しにまつわる疑問にお答えします。
「結納返し」の意味からお返しの方法、タイミングまで、一緒にチェックしてみましょう!
「結納返し」ってなに?
結納では、男性側から女性側へ「結納品一式と結納金」を贈るのが一般的。
「結納返し」とは、男性から贈られたこの「結納」に対する「お返し」のこと。
ちなみに地域によっては「返しのし」や「土産のし」と呼ばれることもあるようです。
そして「結納返し」では、結納と同じく「結納返し品一式とお金」を贈るのが本来の形とされています。
しかし、最近では結納とともに「結納返し」も簡略化されてきているよう。
「正式な結納返し」や「簡略化された結納返し」については後で詳しく見ていくとして、まずは結納返しが必要なのかという疑問にお答えしていきますね。
結納返しは必要?みんなはどうしてる?
そもそも「結納返し」は必要なの?と疑問に思った人もいるかもしれません。
結論から言うと、「しなければならない」という決まりはナシ。
ただ結婚スタイルマガジントレンド調査2018によると、実際に結納をした人の65.4%は「結納返し」を行ったようです。
結納返しを「した」人、「しなかった」人、それぞれの意見はこちら。
<お返しをした人>
・礼儀としてするもの
・結納返しのしきたりがあると知ったから
・自分(もしくは相手)の両親から言われて
・正直出費が大変だった…
<お返しをしなかった人>
・地域の慣習で結納返しはなしと決まっていたから
・相手側から「いらない」と言われたから
・受けとる結納金を減らして、お返しがいらないように両家で調整したから
・お返しのお金をふたりの新生活資金にまわしたから
お返しをしなかった人の「両家で調整した」とはどういうことでしょう?
それは例えば「結納金を100万円受け取り、半分の50万円お返しするところを、結納金自体の金額を50万円に減らすことで、50万円のお返しをなくしてしまう」というような方法のことです。
次の「新生活資金にまわす」例については、相手のご両親から
「お返しはいらないから新生活の準備に使って」
と言われて選ぶケースが多いようです。
このように、お返しを「しなかった」人の中にも、最初はするつもりだった人がある程度はいると考えられそう。
結納に限らず、人から頂きものをしたら、お礼の気持ちをあらわすことは多いですよね。
結納返しと聞くと難しそうに思うかもしれませんが、先ほども少しお話しした通り最近ではお返しするものもさまざま。
両家が納得できる結納返しのスタイルを見つけるためにも、ここからは結納返しの内容について詳しく解説していきます。
結納返しの正式な形式
まず、結納返しの本来の方法をご説明します。
「関東式」「関西式」の2つがあるので、それぞれ見ていきましょう!
関東式
関東より東で一般的な形式が、「関東式」。
関東式の結納返し品は、結納品とほぼ同数・同じような品を用意します。
関東では結納を「取りかわす」という言い方がされますが、これは男性側も女性側も同様に結納品を準備し、「お互いに納める」からなんですね。
そんな関東式の結納返し品がこちら。
・目録
・熨斗(のし)
・子生婦(こんぶ)
・寿留女(するめ)
・勝男節(かつおぶし)
・友白髪(ともしらが)
・末広(すえひろ)
・御袴料(おんはかまりょう)=お金
・家内喜多留(やなぎだる)=お金
お金(御袴料)の額は、いただいた結納金の半額程度。
半額なので、「半返し」と呼ばれます。
それぞれの結納品について詳しく知りたい人は、こちらを参考にしてくださいね。
結納品は何をいくつ用意する? 品目ごとの意味や地域による違いを分かりやすく解説します!
次は「関西式」を見ていきましょう。
関西式
関西では、結納を「納める」といわれます。
多くの場合、男性側(結婚相手を迎え入れる側)が女性側へ、結納品を納めて、女性側からのお返しはしないよう。
結納品の「交換」である関東式とは違って、関西式では「一方から渡す」だけなので、「納める」という言い方なんですね。
ただ、地域の慣習や家の考えによっては、「関西式だけど結納返しをする」という場合も。
そんな場合の結納返し品一式がこちらです。
・熨斗(のし)
・末広(すえひろ)
・御袴料(おんはかまりょう)=お金
・肴料(さかなりょう)=お金
・酒料(さけりょう)=お金
先ほどの関東式と比べると、控えめな内容ですね。
お金(御袴料)も「1割程度」もしくは「なし」の場合もあるようです。
なぜ関西式のほうが関東式より控えめになるのかというと・・・そこには昔ながらの考え方の違いが。
昔、関東では「両家が同格」という価値観から、結納品の半額に当たるお金や品を返す「半返し」を行っていました。
一方関西では、「男性が格上」という男性側を立てる風習があったそう。
その影響から、お返しをしても1割程度だったり、結納返しをしなかったりするようです。
ちなみに大きく分けると関東式と関西式の2つですが、さらに細かく見ていくと地域によって特徴がある場合も。
例えば、九州には元々結納返しの慣習はなかったようですが、最近ではスーツや時計などの記念品を贈るケースが増えているそうですよ。
とはいえ家によって考え方は異なるので、相談なしに
「関東出身だから関東式の半返しでいいかな」
「関西の家だし1割程度にしておこう」
とするのは要注意。
相手の家とじっくり相談して、両家が納得する形式を選んでくださいね!
簡略化した形式
次は、簡略化された形式の結納返しについて、見ていきましょう。
簡略バージョンの場合、結納返し品は数を減らして「熨斗・お金(御袴料)・末広」の3点とするのが一般的。
これに「肴料・酒料」を加えた5点にする場
合もあります。
また、「お金(御袴料)」を腕時計やスーツなどの品物に代えることも多いよう。
その場合の3点セットは、「熨斗・代わりの品・末広」となります。
これらは結納返し当日、台に載せるのですが、「代わりの品」としてスーツなどを選んだ場合、大きくて台に収まらないかもしれません。
またスーツだと、当日までに仕立てが間に合わず、準備ができないことも考えられます。
そのときは、「目録」とよばれる贈る物リストに、その品物を贈る旨を書いて、品物の代わりに台に置けばOKです。
ところで、「お金」と「品物」では、どちらを贈る人が多いのでしょうか。
先輩カップルへのアンケート結果はこちら。
※「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」より
以下出典は同じ
全国平均で
「品物」を贈る人が55.2%
「お金」が32.1%
との結果に。
2種類以上を組み合わせて贈る人もいるので一概には言えませんが、「品物」派が多いようですね。
次は、気になる結納返しの相場について見ていきましょう!
結納返しの相場
品物で贈る場合と現金で贈る場合に分けてご紹介しますね。
品物の相場は?
どんなアイテムを選ぶかによっても金額は変わるようですが、先輩カップルに聞いた「結納返し品にかかった費用」のアンケート結果はこちら。
5~10万円未満 | 17.6% |
10~15万円未満 | 18.9% |
15~20万円未満 | 14.9% |
20~25万円未満 | 10.8% |
やはり費用にはバラつきがありますね。
選ぶ品物の種類の他にも、
・いただいた結納品や結納金の金額
・品物だけ贈るのか、現金も贈るのか
などによっても予算は変わってきそうです。
結納返しを品物で贈るケースについて詳しくは、こちらの記事も読んでみてくださいね。
結納返しの品物、オススメは?実際に贈った人の費用もチェック!
現金の相場は?
「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」によると、結納返しを現金でする場合の全国平均は44.8万円。
地域ごとに見てみると、首都圏平均が62.3万円、関西平均が35.0万円となっています。
やはり、関西より関東のほうが高めの傾向にあるようです。
ただ繰り返しになりますが結納返しの金額は、いただく結納金の金額を基準に考えるのが基本なので、あくまで参考程度に考えてくださいね。
また結納返しの金額は、10万円や30万円といったキリのよい金額にするのが一般的。
さらに金額を決めるときは、縁起の良さにも配慮できるとベター!
具体的には、「死」や「苦しみ」を連想させる「4」や「9」、「別れ」を想起させる偶数の金額は避けたほうがいいとの声があるようです。
結納返しの相場や金額のマナーについては、こちらの記事も参考になりますよ。
結納返しのタイミング
「結納返し」を贈るタイミングは主に次の3つ。
結納当日
最近は、結納と同じ日に結納返しも行うパターンが主流のよう。
両家が離れていたり、ふたりとも仕事をしていたりすると、日程の調整はなかなか大変なもの。
結納と結納返しを同じ日にすれば、一度で済ませられるところがメリットですね。
ホテルや料亭などの会場、もしくは女性側の家に皆が集まって行うことが多いようです。
ただしこの場合は、結納品を確認してからお返しを用意することができないので、内容を事前に相手側に確認しておくと安心ですよ。
結納後に日をあらためて
正式に結納返しを行う場合は、結納後にあらためて日をもうけます。
この場合、結納返しの一式を持って、相手側の家をたずねることに。
時期については、結納後~結婚式の2週間ほど前までに行う人が多いようです。
入居のときに
ふたりが新居へ荷物を運び入れるタイミングで、結納返しを行うケースも。
嫁入り道具などを持ち込むときに、同時に済ませるという考え方ですね。
この場合は荷物の搬入などに時間がかかるとバタバタしてしまう可能性もあるので、ダンドリには気を付けたいところ。
嫁入り道具について気になる人は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
結納返しに関するQ&A
最後に結納返しに関するさまざまな疑問に、結婚スタイルマガジン編集部がお答えしていきます。
万全な状態で結納返しにのぞむためにも、要チェックです!
Q. 結納金なしの場合の結納返しは?
A. 結納金なしの場合は、基本的に結納返しもなしでOK。
最近の結納では、結納金を贈らないケースも少なくないよう。その場合は、結納返しはしなくてもいいとの声が多いようです。
というのも結納返しの手間をとらせたくないという理由から結納金を贈らない人もいるそうですよ。
ただし、結納金なしの結納でも、
・結納品(飾り)を贈りあう
・婚約指輪や腕時計などの記念品を交換する
などパターンはさまざま。
事前に両家で認識をすり合わせておくと安心です。
結納金なしの結納については、こちらの記事で詳しく解説しています。
結納金なしの結納は失礼にならない?なしにする理由や割合など、最近の結納事情を紹介
Q. 結納品と結納返しのデザインをそろえたい!
A. セット販売しているものを探すとよいでしょう。
お店では、同時交換セットというデザインをそろえたものが販売されているよう。
また結納品がすでに決まっている場合は、そのデザインに合わせた結納返しを作ることができるところもあるので、お店に相談してみてくださいね。
Q. 相手から結納金と婚約記念品をもらったのだけど、お返しはまとめて?それぞれ別に?
A. 基本的には、結納金には結納返しを、婚約記念品には婚約記念品を、というように別々にお返しする形になります。
男性から女性への婚約記念品は指輪が主なよう。一方、女性から男性へは時計などを贈ることが多いようです。
Q. 結納返しは現金にしようと思っているけれど、包み方はどうすればいいの?
A. 結納返しを現金で行う場合は、ご祝儀袋に入れて渡して。
水引は、「一生に一度」という意味を持つ「あわじ結び」のデザインを選ぶとよいでしょう。
表書きは水引より上にくるように記入します。
目録がある場合は、名前の記載はしなくて大丈夫。目録がない場合は、下段に贈る側の名字を記入してくださいね。
Q.結納返しをするにあたって、気を付けるべきマナーは?
A. 縁起の良さに配慮することが大切です。
例えば、結納品や手土産を風呂敷で包むときは、「ほどく」を連想させる結び目を作るのはタブーという意見も。
他には手土産も「切って食べるもの」は避けたり、いただく際に割り箸をつかわないようにしたりするようです。
どこまで気にするかは人それぞれですが、結納や結婚式などのお祝い事では縁起を重んじる人が多いのかもしれませんね。
Q.渡すときはどんなセリフを言えばいいの?
A. 結納と同じような決まった口上があります。
結納品を受け渡すときには、独特の決まり文句があります。
結納返しの場合もこれとほとんど同じで、次のような口上を言うのが一般的。
「こちらは〇〇家からの結納返しの品でございます。幾久(いくひさ)しくお納めください。」
結納の口上については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
Q. 事前相談なしに、突然結納金を渡されてしまった・・・お返しはどうする?
A. 結納返しという形ではなく、お菓子や結婚費用の援助で感謝や誠意を表すという手も。
事前相談なしに結納金を渡されて、男性側から「お返しはいらないですよ」と言われた場合は、
・お菓子などささやかなものを感謝の気持ちとして渡す
・お返しの代わりに、家具代を女性側が支払うことで誠意を示す
という方法があるようです。
お返しはどうするといいか相手と話し合って決めるとよさそうですね。
他には結納金が高額でなかった場合のお返しに悩むケースもあるよう。こちらについても同じ様に考えられるのではないでしょうか。
大切なのは、両家が納得できる形であること。
決まったルールはないので、両家に合ったスタイルを考えてみてくださいね。
※「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」
結婚に関するWEBアンケート調査
調査対象:入籍3年以内の男女
調査時期:2018年7月
対象人数:男性500人 女性500人
まとめ
結納返しについて詳しくご紹介しました。
本来の結納返しである「関東式」「関西式」のほかに、最近では簡単な形式を選ぶ人も増えてきています。
結納返しを現金でする場合の相場は、全国平均で約45万円。
渡すタイミングとしては、
・結納と同時
・日を改めて
・新居へ引っ越す日
などがあげられます。
ただ、結納返しに対する考え方は、「地域」や「家」によってさまざま。
特にふたりの家が離れていると、お互いのしきたりが違うことも。
事前にしっかり両家の意見をすり合わせて進めていけるといいですね。
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