海外挙式でブレッシングウェディングを挙げるための手続きって？

ブレッシングウェディングとは？

海外挙式のスタイルの一つ、「ブレッシングウェディング」。

日本人がハワイやグアムなどの有名リゾート地で挙げている式のほとんどは、「ブレッシングウェディング」です。

このスタイルが一般化していて、もはや「ブレッシングウェディングを挙げている」と認識している人は少ないかもしれませんね。

では、具体的にはどんなものなんでしょうか？

「ブレッシングウェディング」とは、

「夫婦になったふたりを、キリスト教の教えに基づいて祝福する結婚式」

というもの。

すでに婚姻届を出している「既婚のカップル」が挙げられる式となります。

なので、結婚式を挙げる前に婚姻届を出しておく必要がありますよ。

あくまでも「祝福するため」の結婚式なので、海外挙式をしたことが戸籍などの公的記録に残ることはありません。

リーガルウェディングとの違い

そもそも、海外で行える挙式スタイルは、主に、

・ブレッシングウェディング
・リーガルウェディング
・セレモニー（人前式）

の3つ。

このうち、セレモニー（人前式）は日本の人前式と同じもの。

ふたりの愛をゲストに誓うという形式で、挙式をするための条件は特にありません。

それでは、もう一つの「リーガルウェディング」は、ブレッシングウェディングとどう違うのでしょうか？

「リーガルウェディング」とは、「法的効力がある結婚式」のこと。

海外では「結婚式を挙げること」でふたりの婚姻が認められる（＝法的効力がある）国があります。

そのような国で、現地の法律にもとづいて結婚式を挙げれば・・・

日本人でも、その国で婚姻が認められるんです！

帰国後に役所へ届け出れば、日本でも婚姻が正式に認められ、「○○国方式により婚姻」と戸籍にも記録されますよ。

リーガルウェディングについて、さらに詳しく知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。

海外挙式！リーガルウェディングとブレッシングウェディングの違いって？

海外でリーガルウェディングを挙げるときに必要な手続きって？

なぜブレッシングウェディングが主流なの？

はじめに、日本人が海外で挙式する場合は、ブレッシングウェディングを挙げるのが一般的だとお伝えしましたね。

ではなぜ、ブレッシングウェディングが選ばれているのでしょうか？

「ブレッシングウェディングにしか対応していない教会・チャペルが多い」

ということが、ブレッシングウェディングが一般的である理由の一つでしょう。

さらに、リーガルウェディングと比べると、ブレッシングウェディングの方が手続きが簡単です。

ブレッシングウェディングの場合、日本で「婚姻届」を提出して「婚姻届受理証明書」をもらい、それを現地で提出するのが主な手続き。

一方、リーガルウェディングの場合、日本で発行した書類を現地語に翻訳して外務省の公印をもらったり、現地の役所で婚姻の申請をしたり・・・など、とても複雑な手続きが必要となるんです。

「海外でウェディングセレモニーができればいい」というカップルは、手続きが簡単なブレッシングウェディングを選ぶようですね。

ブレッシングウェディングが選ばれる理由がわかりましたか？

それでは、ブレッシングウェディングの詳しい手続きを見ていきましょう。

ブレッシングウェディングの手続き

まずは、全体の流れについて。

国内でやっておきたいことは主に4つ。

・婚姻届の提出
・婚姻届受理証明書の発行
・パスポートの記載事項の変更
・クレジットカードの名義変更

そのあと、現地で「婚姻届受理証明書」を提出すれば、ブレッシングウェディングを挙げる準備はOK。

帰国後の手続きは特にありません。

それでは、出発前にやっておきたい4つの手続きについて、詳しく見ていきましょう。

婚姻届の提出

先ほどお伝えした通り、ブレッシングウェディングは「既婚の人のための挙式」です。

なので、「婚姻届」を提出して夫婦になっておく必要があります。

婚姻届は、全国どこで提出してもOKですよ。

ただし、婚姻届を提出した役所でしか「婚姻届受理証明書」をもらうことができないので、注意してくださいね。

婚姻届は、少なくとも出発の2ヶ月前までには提出するようにしましょう。

後で詳しく説明しますが、ぎりぎりに提出してしまうと、パスポートの変更などが間に合わなくなるかもしれません。

○婚姻届の提出に必要なもの
・婚姻届
・本人確認書類
・ふたりの印鑑（任意）

婚姻届の書き方については、こちらの記事がわかりやすいので、ぜひ参考にしてくださいね。

2024最新【婚姻届のすべて】記入例つき！必要書類・もらい方・提出先…手続きマニュアル

婚姻届受理証明書の発行

婚姻届を出したら、「婚姻届受理証明書」を発行してもらいましょう。

「婚姻届受理証明書」とは、ふたりの結婚を公的に証明してくれる書類のこと。

さきほどもお話ししたように、「婚姻届を提出した市区町村の役所」でもらうことができますよ。

婚姻届を出したときに、役所の窓口で、
「婚姻届受理証明書をください」
と伝えて発行してもらうのがオススメです。

○婚姻届受理証明書の発行に必要なもの
・本人確認書類
・発行手数料

証明書には通常タイプと、記念に残しておけるような上質紙タイプがあります。

海外挙式の手続きで使うものは「通常タイプ」で発行するといいですね。

婚姻届受理証明書を郵送でもらう方法など、さらに詳しい説明はこちら。

婚姻届受理証明書ってなに？もらい方や使い道をご紹介！

「婚姻届受理証明書」は、「既婚のカップル」であることを証明するために現地で提出するので、出発のときに忘れず持っていってくださいね。

パスポートの記載事項の変更

婚姻届を提出した後は、「パスポートの記載事項の変更」も忘れずに行いましょう。

結婚して、「氏名」や「本籍」などに変更があった場合は、パスポートに載っている氏名などもあわせて変える必要があります。

決められた手続きをして、「記載事項を結婚後のものへ変更した、新しいパスポート」をもらいましょう。

これらの手続きの詳細については、下の記事を参考にしてみてください。

新婚旅行の準備をする！どんな手続きが必要なの？

ところで、パスポートの変更手続きをしないと、どうなるのでしょうか？

「結婚して名字が変わって、法律上の名前は『新姓』になった。
でも、パスポートは手続きをしていなくて、名前が『旧姓』のまま・・・」

この場合、「旅券法違反（虚偽申請）」といって、法律違反になってしまいます。

きちんと手続きをしておきましょう。

婚姻届は早めに提出しよう

パスポートの変更手続きをスムーズに行うためには、婚姻届を早めに出しておくことがポイント。

婚姻届を出すと、ふたりのために「新しい戸籍」が作られます。

パスポートの記載事項を変更するには、この「新しい戸籍」の写しである「戸籍謄（抄)本」が必要。

つまり、先に婚姻届を出して、「新しい戸籍」を作ってもらわないと、パスポートの記載事項の変更ができないのです。

婚姻届を提出してから、新しい戸籍ができるまでには、約2週間かかるそう。

さらに、新しいパスポートが発行されるまでには、1週間～10日かかります。

なので余裕をもって、出発の2ヶ月前には婚姻届を提出しておくことをオススメします。

クレジットカードの名義変更

海外でクレジットカードを使いたい人は、クレジットカードの名義変更も必要。

「海外ではカード払いはしない」
「そもそもカードを持っていない」
という人は手続きの必要はありません。

今のところ使用する予定はなくても、いざとなったら使うかも・・・という人は念のため変更しておくと安心ですよ。

実は、カードは旧姓の名義のままでも、利用することはできます。

では、なぜ名義変更が必要なのかと言うと・・・

クレジットカードを利用する際に、パスポートの提示を求められることがあるからです。

パスポートとクレジットカードの名義が違っていると、「盗難カードの不正利用」だと疑われることも。

トラブルを避けるために、クレジットカードの名義変更もあわせて行っておくと安心なんですね。

ちなみに、パスポートの提示を求められるのはこんな場面です。

・宿泊するホテルにて、クレジットカードで宿泊料の事前払いをするとき
・クレジットカードで買い物をした後、税金還付の申請をするとき

新しいクレジットカードが届くまでには1～2週間かかるので、出発に間に合うよう気を付けましょう。

そして、クレジットカードの名義変更には、新姓の身分証明書（運転免許証やパスポート等）が必要になることも。

新姓の身分証明書を発行してもらうのにも時間がかかるものです。

海外でクレジットカードを使いたいときは、なおさら早めに婚姻届を出して、スムーズな手続きを心がけた方がよさそうですね！