婚約指輪のダイヤも割れたり欠けたりする?割れにくいダイヤってどんなもの?
婚約指輪に人気のダイヤモンド。
地球上で最も硬い宝石の1つとして知られ、非常に硬度が高いのですが・・・
ものによってはぶつけたりすると、割れたり欠けたりすることも。
この記事では、割れや欠けの原因のほか、どんなダイヤを選べば割れにくいのかもご紹介。
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ダイヤモンドってどんな宝石?
割れやすさの話をする前に・・・そもそもダイヤってどんな宝石なんでしょう?
聞かれてみるとよくわからない、という人も多いかもしれませんね。
ダイヤの特徴として一番わかりやすいのは、輝きの強さではないでしょうか。
ダイヤは光の屈折率が高い宝石で、適切にカットされていれば内部で多くの光を反射し、きらきらと輝きます。
硬度も高く、日光や他の物質に反応して変質することもめったにない、物質としての安定性も魅力です。
輝きの美しさや透明感、安定性や硬度の高さなどを考えれば、一生ものの婚約指輪にふさわしい宝石であることは間違いありません。
ダイヤモンドの基礎知識については、こちらでもご紹介しています。
「でも、硬くても割れることはあるの・・・?」と思った人。
硬さというのは「モース硬度」のことで、これは「引っかいたときの傷のつきにくさ」を指します。
ダイヤモンドはモース硬度が1~10のうち最高位の10ですが、これは「割れやすさ」とは別の話。
割れやすさに関わるのは「靭性(じんせい)」といって、衝撃に対する粘り強さを指します。
靭性については、ダイヤよりもルビーやサファイアの方が上です。
とはいえ、ダイヤも決して靭性が低いわけではなく、たくさんある宝石の中では高い方。
それでも割れてしまうことがあるのは、ダイヤに「劈開(へきかい)」という性質があるからです。
「劈開」とは、結晶が一定の方向に割れやすい性質のこと。
ダイヤは炭素原子が並んで結晶構造をなしている鉱物で、結晶の並びは規則性を持っています。
基本的にダイヤモンドの炭素原子の結びつきは非常に強いのですが、ある特定の方向では弱くなっている部分があります。
硬い宝石であることは間違いありませんが、力の加わる方向によっては割れたり欠けたりすることもあるよう。
逆に言うと、この劈開という性質があるからこそ、硬くても一定の方向にカットすることができ、美しく輝かせられるんです。
物質としての特性を上手く活かして、強度と美しさを両立させているんですね。
割れたり欠けたりする原因って?
ひとくちにダイヤといっても、大きさや形などはさまざまです。
欠けやすい形とそうでない形もあります。
具体的な形で言うと、細い部分や鋭い部分のあるダイヤは欠けやすいようです。
たとえばハート形や正方形にカッティングされたダイヤは、丸い形のダイヤに比べて先端や角が鋭くなっています。
こういったダイヤは尖った部分をぶつけたりすると、欠けやすそうだな、というのは想像がつきますね。
また、ダイヤの縁の「ガードル」部分が極端に薄い場合も、衝撃に弱く、欠けやすくなってしまいます。
ガードルの厚みについては、ダイヤの品質を証明する「鑑定書」という書類に記載されていることがあります。
たとえば国際的なダイヤの鑑定機関であるGIA(米国宝石学会)では、ガードルの厚みを次のように分類。
・Extremely Thin(極端に薄い)
・Very Thin(とても薄い)
・Thin(薄い)
・Medium(中間)
・Slightly Thick(わずかに厚い)
・Thick(厚い)
・Very Thick(とても厚い)
・Extremely Thick(極端に厚い)
このうち、最も理想的なのは「Medium」で、それに近いほど良い評価になります。
ガードルが極端に薄かったり厚かったりすると、ダイヤの形のバランスが崩れ、輝きに影響することもあるようです。
ダイヤの形やガードルの厚み以外で割れる原因になりそうなのは、「内包物(インクルージョン)」。
内包物とは、ダイヤの中に入り込んだ鉱物の結晶や、割れや欠けなどのこと。
内包物の種類や位置、大きさによっては、ダイヤが割れやすくなる場合も。
内包物の程度は「クラリティ(透明度)」という指標で表され、鑑定書に記載されます。
クラリティのグレードは次のように分かれ、左に行くほど内包物や表面についた傷が少なく、高評価となります。
ダイヤ選びのポイント
一般的に言って、婚約指輪に留められるダイヤは品質の高いものが多いので、極端に欠けやすい、割れやすいものは少ないと思います。
ただ、より安心して選びたいなら、次のようなダイヤにすると良いかもしれません。
円形のラウンドブリリアントカットなど、尖った部分のない形のダイヤ
こちらはラウンドブリリアントカットというカッティングのダイヤです。
ダイヤを最も輝かせる形として知られており、多くの婚約指輪に採用されています。
ガードルの厚みが適切なダイヤ
具体的には、鑑定書の「カット」という項目が「Excellent」のもの。
ガードルの厚みはカット評価の基準の1つなので、カットが最高評価の「Excellent」を選べば問題ありません。
カットについて詳しくはこちらをどうぞ。
ダイヤモンド最大の魅力「輝き」はカットで決まる!輝くダイヤの選び方
内包物が少ないダイヤ
先ほどご紹介した「クラリティ」のグレードのうち、婚約指輪のダイヤで一般的なのは「VVS」や「VS」クラス、また「SI1」も選べるブランドがあります。
クラリティにこだわりたいなら、「VVS」以上を選ぶのがおすすめです。
クラリティや鑑定書について詳しくはこちら。
ダイヤモンドのクラリティとは?婚約指輪ならどのグレードが良い?
婚約指輪のダイヤモンドにつく鑑別書や鑑定書って何?ついてる方が良いの?
品質にこだわっているブランドで選ぶ
婚約指輪のブランドによっては、自社で厳しくダイヤを選別していることも。
たとえばブランドNIWAKAでは、鑑定書の評価に加え、ダイヤの美しさや強度に影響が出ないか、内包物の状態や場所を1つひとつチェック。
品質にこだわり抜いているので安心です。
デザインによっても違う?
婚約指輪のデザインによっては、より割れや欠けを防ぎやすいものもあるので、ご紹介しますね。
ラウンドブリリアントカットの場合、衝撃に弱いのはガードルやキューレットと呼ばれる部分。
指輪をどこかにぶつけたりしても、これらの部分に直接衝撃が加わらないような形状のデザインだと安心です。
たとえばダイヤを留める「爪」が、4本や6本あるデザイン。
4本爪や6本爪はダイヤを保護し、安全に留められているものが多いです。
露華(ろか)・・・4本爪の婚約指輪。横から見ても、金属でダイヤがしっかり固定されているのがわかる
ことほぎ・・・6本爪の婚約指輪。こちらも、横から見てもしっかり留められていることがわかる
また「覆輪留め(ふくりんどめ)」というデザインも、金属でダイヤを覆うように囲んでいるので安全度が高いです。
八重霞(やえがすみ)・・・覆輪留めの婚約指輪
逆に気をつけた方が良さそうなものとしては、「テンションセッティング」の指輪などがあります。
テンションセッティングとは金属部分でダイヤを挟んで留める方法。
見た目は魅力的なデザインですが、ガードルやキューレットが保護されていないのでリスクは高いかもしれません。
ただ、キューレットが見えるデザインでも、きちんとダイヤが保護されているものはありますよ。
こちらの「花篝(はなかがり)」はキューレットが見える状態ですが、ダイヤが「石座(いしざ)」と呼ばれる金属の台座部分で守られています。
こういったデザインなら、キューレットに直接衝撃が加わらないようになっているので安心ですね。
身につけるときの注意点
ダイヤが破損してしまうのは、強い衝撃が加わったとき。
硬いものにぶつけたり落としたりしないよう、指輪をつけているときは注意しましょう。
力仕事や家事をするときなど、ぶつけたりする可能性のある場面では、指輪をつけない方が安心かも。
つけていないときはジュエリーケースなどに保管しておけば、うっかり落としたりしても保護できるはず。
ダイヤが破損したらどうする?
もしダイヤに欠けや割れを見つけたら、一旦つけるのをやめましょう。
つけ続けていたら欠けや割れが広がってしまうかもしれません。
なるべく早く、指輪を購入したジュエリーショップに相談を。修理の対応などを考えてくれます。
それから、ダイヤを留める「爪」が曲がったり折れたりしていると、ダイヤを保護できず欠けの原因になることも。
この場合も購入店に相談した方が良さそうです。
指輪の保管方法については、下記の記事でご紹介しています。
まとめ
ダイヤモンドは見た目の美しさだけでなく、硬度や物質としての安定性の高さの面でも、婚約指輪にふさわしい宝石。
ただ、絶対に割れたり欠けたりしないわけではなく、特定の方向に強い衝撃が加わると、割れやすい性質を持っています。
とはいえ、基本的には非常に硬い宝石なので、選び方や使い方に気をつければ大丈夫。
ダイヤ選びのポイントには、次のようなものがありました。
・先端や角が鋭いカッティングのものや、縁のガードル部分が極端に薄いものは避ける
・鑑定書のクラリティ評価が高く、内包物の少ないものを選ぶ
・ダイヤの品質にこだわっているブランドで選ぶ
・4本爪や6本爪、覆輪留めなど、ダイヤがしっかり保護されているデザインを選ぶ
購入後も指輪をぶつけたり落としたりしないよう気をつけて、着用しないときはジュエリーケースなどに保管しましょう。
長く身につける婚約指輪のダイヤですから、品質の高いものを選んで、大切に扱っていけると良いですね。
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