ダイヤモンドのクラリティとは?婚約指輪ならどのグレードが良い?
ダイヤモンドの評価基準の1つである「クラリティ」。
「クラリティって大事なの?」
「クラリティには『グレード』があるみたいだけど、婚約指輪にはどのグレードがおすすめ?」
そんなギモンにお答えします。
クラリティの品質が良いダイヤとそうでないダイヤの比較など、画像による解説もあるのでためになりますよ!
クラリティって何?大事なの?
「クラリティ」は、「4C(ヨンシー)」というダイヤモンドの評価基準の1つです。
4CはGIA(米国宝石学会)が考案した世界的な評価基準で、次の4つがあります。
ダイヤモンドの価値は4Cの総合評価で決まり、その評価内容は「鑑定書」という書類に載っています。
ダイヤの鑑定には専門技術が必要で、GIAなどの鑑定機関でプロの宝石鑑定士が検査して、その結果を鑑定書に記載します。
一般の人が自分の目で見て判断するのは難しいので、婚約指輪のダイヤには「品質の証明書」として鑑定書がついてくることが多いです。
4Cや鑑定書について知りたい人は、こちらを読んでみてくださいね。
婚約指輪のダイヤモンドにつく鑑別書や鑑定書って何?ついてる方が良いの?
クラリティは4Cの中で、ダイヤの「透明度」を表す基準。
ダイヤ内部や外部の「特徴」が少ないほど希少性が高く、クラリティは高評価になります。
ダイヤ内部の特徴は「インクルージョン(内包物)」と呼ばれ、ダイヤの中に含まれる鉱物の結晶などのことです。
ダイヤの外部、表面の傷や欠けなどの特徴は「ブレミッシュ」と呼ばれます。
「ダイヤにはなんで特徴があるの?内包物や傷がないダイヤはないの?」
と気になった人もいるかもしれません。
基本的に全く特徴や傷のないダイヤモンドはほぼ存在せず、何かしらの特徴を持っています。
天然ダイヤモンドは地中奥深くで、とてつもない圧力や高熱にさらされた結果生まれるもの。
そのため他の鉱物の結晶が入り込んだり、傷がついたりします。
内包物は天然ダイヤの証とも言えるんですね。
そのなかで、特徴が少なくクラリティの優れたダイヤモンドは、希少性が高く特別感がありおすすめです。
実際、婚約指輪に使われるダイヤはクラリティ評価が高く、特徴があったとしても非常に小さいものであることがほとんど。
熟練のダイヤモンド鑑定士なら確認できるけれど、それ以外の人が見つけるのは難しいです。
ただ、見えないなら気にしなくていいかと言うと、そんなことはありません。
特徴が多いとダイヤの透明度、美しさが損なわれたり、輝きが落ちたり、耐久性が下がったりすることも。
クラリティは美しく品質の高いダイヤを見極める上で、大切な基準なんですね。
知っておきたい!クラリティのグレード
クラリティは4Cにおいて、11段階のグレードに分けられます。
下の表がその一覧で、左に行くほど希少性が高くなり、価値も高くなります。
鑑定機関では、鑑定士が10倍の倍率の顕微鏡やルーペでダイヤを拡大して見て、グレードを決定。
クラリティグレードの判断基準としては、特徴の大きさ、数、位置、種類など、いろいろな観点があります。
大きな特徴があったり、特徴の数が多かったりするとクラリティ評価が下がる、というのは想像がつきますね。
「場所」については、特徴がダイヤの目立つ位置にあると、グレードが下がる要因になります。
一般的には、ダイヤを上から見たときに、特徴がダイヤの中央近くに見えるほど、指輪に留めたときも目につきやすく、評価は下がるようです。
また、特徴にもいろいろ「種類」があって、ものによってはダイヤの耐久性や美しさを損なうため、グレードに影響することも。
内包物にどんな種類があるのかについては、最後の章で例を挙げてご紹介しますね。
さて、グレードの話で気になるのが、「11段階のグレード、それぞれどんな内容なのか?」という点ではないでしょうか。
最高グレードの「FL」から一番下の「I」まで、それぞれ見ていきましょう。
FL(Flawless:フローレス)
最高グレードのFLは、熟練の鑑定士が10倍に拡大して見ても、ダイヤの外部・内部ともに傷や内包物が見られないものを指します。
非常に希少価値が高く、一般市場に流通することはほとんどないため、入手困難と言われています。
IF(Internally Flawless:インターナリーフローレス)
10倍拡大で内部に欠点がなく、外部にごくわずかな特徴が見られるダイヤです。
外部特徴があるのがFLとの違いですが、それは鑑定士が顕微鏡で発見するのも難しいレベルのもの。
市場に流通するダイヤでは、ほぼ最高品質と言って良いでしょう。
10倍拡大で内包物が見えないダイヤはFLとIFだけ。
大変希少価値の高いグレードです。
VVS1/VVS2(Very Very Slightly Included:べリーベリースライトリーインクルーディッド)
「Very Very Slightly Included」は、「ごくごくわずかに(内包物が)含まれている」ダイヤのこと。
内包物の程度によって、「VVS1」「VVS2」という2つのグレードに分かれます。
内包物があると言っても、熟練の鑑定士が10倍拡大で検査しても、見つけるのが困難なレベルのもの。
一般的に入手できるダイヤとしては非常に品質が高く、希少価値も高いです。
VS1/VS2(Very Slightly Included:べリースライトリーインクルーディッド)
「Very Slightly Included」は、「ごくわずかに(内包物が)含まれている」ダイヤのこと。
こちらもVVSと同じように、「VS1」と「VS2」2つのグレードに分かれます。
VSのダイヤは、鑑定士が10倍拡大で検査したときに、内包物の発見が「やや困難」なもの。
「やや」ということで、VVSに比べると少し内包物が見つけやすくなります。
しかし、一般の人が顕微鏡で見ても発見するのは非常に難しいレベルの内包物であり、優れた品質なのは間違いありません。
SI(Slightly Included:スライトリーインクルーディッド)
「わずかに(内包物が)含まれている」グレードで、「SI1」と「SI2」の2つに分かれます。
SIになると、鑑定士が10倍拡大で内包物を見つけるのが容易になってきます。
一般の人でも、「SI1」だと10倍拡大で内包物を見つけるのはやや難しいようですが、「SI2」だと比較的確認しやすいことも。
また、「SI1」は肉眼で内包物が見えることはほぼありませんが、「SI2」はダイヤが0.5カラット以上など大きいものだと、見えることがあるようです。
I(Included:インクルーディッド)
「(内包物が)含まれている」グレードで、「I1」「I2」「I3」の3つに分かれます。
I1~I3は内包物や傷を肉眼でも確認できるレベルで、ダイヤの透明度、輝き、耐久性などが損なわれるおそれがあります。
品質が良いとは言いがたいため、品質証明をする鑑定書が付属しないことも多いようです。
以上、クラリティの各グレードの内容でした。
次に気になるのが、「婚約指輪のダイヤとして選ぶなら、どのグレードがおすすめなの?」という点ではないでしょうか。
次の章で見ていきましょう!
婚約指輪にはどのグレードを選べばいい?
一般的に、「VS」クラスまでであれば、婚約指輪のダイヤとして国内外のほとんどのブランドが取り扱っています。
実際、婚約指輪を購入する多くの人がVS以上を選んでいるようです。
特に、「VVS」以上のグレードのダイヤは、鑑定士が10倍拡大でも特徴を見つけるのが困難、あるいはまったく見つからないもの。
クラリティの面では非常に高品質で、美しさはもちろんのこと、希少価値も高く特別感があります。
「一生ものの婚約指輪だから、クラリティにこだわりたい」という人にはVVS以上がおすすめです。
ただ、ダイヤ選びで気になるのが予算との兼ね合いかもしれません。
ダイヤの価値はクラリティだけではなく、4Cの総合評価で決まるもの。
「大きなダイヤで、最高品質を求める」といった場合、どうしても値段は高くなりがちです。
このとき、たとえばダイヤの大きさを優先したいなら、他のグレードを下げて価格を調整するという方法もあります。
ただし注意したいのが、「カット」のグレードは下げない方が良いということ。
クラリティにこだわって内包物の少ないダイヤを選んでも、ダイヤのプロポーション(形のバランス)や磨きが良くないと輝きません。
プロポーションや研磨状態は、カットの評価項目です。
美しく輝くダイヤを選びたければ、カット評価は最高位の「Excellent(エクセレント)」にするのがおすすめ。
その上で価格を抑えたければ、クラリティやカラーのグレードで調整するのも良いでしょう。
カラーグレードは下げすぎるとダイヤが黄色や茶色味を帯びてくることもあります。
「カラーグレードで価格を調整しようと思ったけど、これ以上グレードを下げたら見た目に影響が出る・・・」
という場合は、クラリティグレードを下げるのも1つの選択です。
「無理にクラリティの最高ランクにこだわらず、4C全体でバランスの良いグレードにしよう」
という考えもあるんですね。
もちろん、多少価格が高くなっても、最高ランクの「FL」や「IF」を選ぶ人もいます。
肉眼で見えないとはいえ、グレードの差は存在していて、希少価値が違うのは事実です。
「一生ものの婚約指輪だから、最高品質のものを」
「内包物がない、最高クラスの透明度のダイヤに、『まじりけのない、純粋な気持ち』を重ねて贈りたい」
そんな考え方も素敵ですね。
4Cの中でどれを重視して選ぶかについては、こちらで解説しています。
何を重視したい?婚約指輪のダイヤモンド、選び方のポイント教えます!
「基本的にグレードは高い方がいい、っていうのはわかったけど、それより下の方のグレードの『I』や『SI』はどうなの?」
まず、「I」については肉眼でも特徴が目につくレベルのため、そもそも婚約指輪に使われることは少ないです。
そこまで高価でない、ファッションジュエリーなどによく使われます。
では、「SI」はどうなのでしょうか?
SIは「SI1」と「SI2」に分かれるということでしたね。
「SI2」の方は、婚約指輪にはあまりおすすめできません。
大きいサイズのダイヤの場合、肉眼で特徴が見えてしまうこともあるようです。
悩みどころなのが、「SI1」ですね。
グレードSI1のダイヤってどうなの?
0.5カラット以上の大きめのダイヤだと、SI1でも内包物が目立つ場合があるので、VS2以上のグレードを選んだ方が良さそうです。
ただ、婚約指輪に一般的な0.2~0.4カラットのダイヤの場合、SI1であれば肉眼で内包物が見えることはほとんどないはず。
見た目だけなら、上のグレードのダイヤとの差はわかりにくいかもしれません。
「それなら、SI1にして価格を抑えよう」という人もいるかもしれません。
ただ、大きな違いとして、SI1は品質にばらつきがある、ということが言えます。
VS以上のダイヤは、
「10倍に拡大しても内包物を発見するのが難しい(もしくは見つからない)」
ことが基準になるため、同じグレード内での品質差も少ないです。
一方、SI1は同じグレード内でもVS寄りの品質の良いものと、基準ぎりぎりのSI2寄りのものとで、品質が大きく違います。
品質の良くないSI1を選ぶと、見た目にはわからなくても割れやすかったり、輝きが落ちたりすることも。
ですからSI1にするなら、「SI1の中でも品質の良いもの」を選ぶのがおすすめです。
SI1でも良いものと、そうでないものとでは、どんなところが違うのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
写真で解説!SI1の品質差
下の写真はどちらもSI1のダイヤの一部を拡大したものですが、ずいぶん様子が違いますね。
右のOK例では、内包物がダイヤの内部にあって白っぽいですが、左のNG例では、表面に出てきて黒っぽく、ひび割れています。
左のように、表面にひび割れが達しているダイヤは、その部分からはがれるように割れてしまいやすいので、注意が必要。
また、表面の輝きが損なわれたり、指輪をつけていて引っかかったりするおそれもあります。
内包物が表面に出ているかを検査するときには、ダイヤをいろいろな方向へ動かして光を当て、黒っぽく見えるところがないか確かめるそうです。
こちらはOK例の方が大きなひび割れですが、表面で開かずにぴったりと閉じています。
一方NG例は小さなひび割れですが、表面で開いてしまっているのがわかりますね。
右のOK例は、NG例よりも内包物の数は多いですが、色が白いですね。
これはダイヤ以外の鉱物の結晶が含まれたもの。
一方、NG例の内包物は黒色をしていて、これは炭素だと考えられます。
ダイヤモンドは炭素原子が結合し、結晶構造となることで生まれますが、結晶化しなかった炭素が黒く残っている場合もあるんですね。
ダイヤは光を内部で反射し、外に返すことで輝きますが、黒色の内包物は光の反射を妨げるため、輝きに悪影響を与えてしまいます。
また透明のダイヤの中に黒があると、見た目にも目立って美しさを損ねてしまうこともあります。
そのため同じくらいの大きさの内包物であれば、白色のものの方が問題は少ないのです。
品質の良いSI1を選ぶにはどうする?
「SI1にも品質差があるのはわかったけど、結局選ぶときはどうすればいいの?自分で見分けるのは難しそう・・・」
たしかに、一般の人がジュエリーショップで指輪に留められたダイヤを見て、品質を判断するのは難しいと思います。
大きなひび割れが表面に達しているなどのケースであれば、ルーペを借りて見たらわかる場合もあるかもしれませんが・・・
基本的には、鑑定士が顕微鏡などで見て判断するものです。
おすすめなのは、クラリティにこだわって、品質の良いダイヤを厳選しているブランドで選ぶこと。
たとえばブランドNIWAKAでは、SI1も一部取り扱っていますが、VS2に近い品質のものだけを仕入れています。
さらに、鑑定士の資格を持つ専門スタッフが、ダイヤ1点1点を顕微鏡と10倍ルーペでチェックし選別するというこだわりよう。
たとえば、輝きに影響を与えるようなダークインクルージョン(黒色の内包物)があれば、SI1でも婚約指輪には採用されません。
また、先ほどNG例で出てきたダイヤ表面に達するインクルージョンも、リスクが高いので不採用。
一般の人が目には見えない部分だからこそ、買った後でもずっと満足して使い続けられるよう、ブランドとしての使命感を持って取り組まれています。
NIWAKAの婚約指輪はこちらで紹介しているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
内包物にはどんなものがある?
最後に、インクルージョン(内包物)には具体的にどんなものがあるのか、見ていきましょう。
内包物にはたくさんの種類がありますが、その中でも代表的な7つをご紹介します。
1 クリスタル
ダイヤモンド内部に見られる、鉱物の結晶のこと。
最もよく見られるのは透明または黒色のものですが、まれに赤色のガーネットや緑のペリドットの結晶が見つかる場合もあるようです。
2 ピンポイント
ダイヤ内部に見られる、点状の微小な結晶のこと。
10倍ルーペでも、針の先ほどの大きさの点に見えるそうです。
そんなに細かいところまでチェックしているって、すごいですね!
3 クラウド
微小な結晶が集まって「結晶群」となり、ぼんやりと雲(クラウド)のように見えるもの。
基本的には、微小な「ピンポイント」がたくさん集まったもので、1つ1つはとても小さいため識別することはできません。
ただ、小さくても集まって靄のようにダイヤ全体に広がると、ダイヤ自体が白っぽく濁って見えてしまうこともあります。
4 内部グレイニング
ちょっと見えにくいかもしれませんが、薄く引っかいた跡のようなものがあるのがわかるでしょうか?
これが「内部グレイニング」。
ダイヤ結晶の不規則な成長の跡のこと。
・・・と言われても、何のことやらという感じかもしれませんね。
少し解説を加えましょう。
ダイヤモンドは炭素原子が並んで結晶構造をなしている鉱物で、結晶の並びには規則性があります。
この結晶が成長してダイヤになるのですが、成長過程で結晶の並びが不規則になってしまうケースがあるようです。
不規則な並びの結晶が成長するとき、ダイヤ内部に跡を残すことがあり、これを「内部グレイニング」と言います。
内部グレイニングは、形状としては直線、または曲線のように見えます。
5 キャビティ
大きな穴や、深いくぼみのこと。
ダイヤを研磨するときに取り除くこともできますが、そのためにダイヤを削ることで、サイズが小さくなってしまうことも。
ダイヤの大きさを保つため、取り除かないケースも多いようです。
6 フェザー
ダイヤ内部に生じた欠けやヒビのこと。
光が当たると白い羽(フェザー)のように見えます。
フェザーは大きさや位置によって、ダイヤの耐久性にも影響します。
7 ニードル
針(ニードル)のように細長い、棒状の内包物。
10倍ルーペで確認することができます。
以上、代表的な内包物のご紹介でした!
まとめ
クラリティはダイヤモンドの評価基準「4C」の1つで、「透明度」のこと。
インクルージョンやブレミッシュ、つまり内包物やダイヤ外部の傷といった「特徴」が少ないほど、クラリティのグレードは高くなります。
4Cにおけるクラリティ・グレードはFL~I3までの11段階に分かれていて、婚約指輪のダイヤとしてはVS以上を選ぶ人が多いようです。
「純粋な気持ちをこめる」という意味で、よりクラリティにこだわりたければVVS以上がおすすめ。
一方で、グレード1つの違いが価格に影響するため、価格を抑えるためSI1を選びたい人もいるかもしれません。
ただ、SI1は同じグレード内でも品質差が大きいため、選ぶならクラリティにこだわっているブランドかどうか確認するのが良さそうです。
一生使える高品質なダイヤを選べるよう、ご紹介した知識を生かしてみてくださいね。
「婚約指輪」の他の記事
「婚約指輪のダイヤモンド」
の次に知っておきたいこと
- 結婚に関する疑問を解決したい方へお役立ち記事2100本!「結婚ラジオ」
- 結婚のあれこれ、スキマ時間に楽しく読みたい方へイメージ膨らむ♪「結婚準備の基礎知識」
- 結婚式場を決めたい、お得に結婚式を挙げたい方へ全国約2000式場をご紹介「結婚式場を探す」