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結婚式で流す曲の【著作権】を分かりやすく解説!BGMを決める前に知っておきたい手続きまとめ

著作権ってどんな権利?

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結婚式に音楽は欠かせないもの!

でも著作権などの影響で勝手に曲を流すと違法行為になる・・・なんて話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

そして

「著作権は複雑すぎて理解できない」
「結局何をすればいいのか分からない」

というお悩みの声もよく耳にします。

そこで今回は、著作権はどんなものかというところから、結婚式で曲を流す際に知っておくべき情報まで、分かりやすく解説します。

ケースごとに必要な対応もまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

INDEX

結婚式で曲を勝手に使うのはダメ?

新郎新婦入場やケーキカット、余興やムービーなど・・・結婚式ではさまざまなシーンで曲が使われますよね。

そうした曲には、基本的に「著作権」などの権利があります。

市販されている曲を結婚式で勝手に使うと「著作権の侵害」という違法行為になってしまう可能性も!

「著作権の侵害」をした場合は、権利者から訴えられたり、刑事訴訟に発展したりすることもあります。

※刑事罰では10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方を科せられる可能性があります。

おめでたい日を悲しい思い出にしてしまわないよう、曲を使うときは著作権に気をつけたいですね。

そのために、まずは「著作権とはどういうものなのか」を押さえておきましょう。

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「著作権」とはどんな権利?

「著作権法」という法律で決められた、「著作物を作った人が持つ権利」のことを「著作権」といいます。

著作物を作った人の利益を守ることが、著作権の役割。

著作権を持つ人は、「著作者」や「著作権者」などと呼ばれます。

著作物とは

・他人のマネではなくオリジナルで
・言葉や文字、形や色、音などを使って
・自分の考えや感情を表現したもの

のこと。

具体的には、小説・音楽・美術・映画・コンピュータプログラムといったものが当てはまります。

一部の例外を除いて、著作物を使いたい場合は著作者に許可をもらう必要があり、無断で使うことはできません。

著作物や使い方によっては、利用料を支払うことで許可をもらえるものもあります。

著作者以外が持つ権利もある

著作物が出版されるとき、著作者以外にも権利が生まれます。

例えば、音楽CDが発売された場合。

CDに収録されている曲の「作曲家」や「作詞家」は、曲そのものを作ったので「著作権」を持ちます。

一方で、CDの製作には作曲家や作詞家以外の人も関わっており、

・録音するために実際に演奏した「実演家」
・CDを出版し流通させる「レコード会社」

といった「著作物を人々に伝える人や会社」には、「曲を人々に伝える権利」が生まれます。

こうした著作者以外の人が持つ権利は「著作隣接権(りんせつけん)」と呼ばれます。

著作権や著作隣接権は、著作物の使い方ごとに権利が分かれています。

主な権利としては、次のようなものがあります。

著作権と著作隣接権の内訳
権利者 権利 権利の内容
著作権 著作者 複製権 著作物を
複製する権利
演奏権・
上演権
演奏・上演する
権利
上映権 モニターや
プロジェクター
などで上演する権利
貸与権 著作物を
貸与する権利
著作
隣接権
レコード
製作者
(レコード
会社など)
複製権 商業用レコード
(CDなど)を複製
する権利
貸与権 商業用レコード
(CDなど)を貸与
する権利

※説明に関わる部分のみ抜粋

この中で、結婚式で曲を使いたい場合にかかわってくる権利は「演奏権」「複製権」です。

次の章では、これらの権利について詳しく見ていきましょう。

結婚式で曲を使うときにかかわる権利

演奏権

演奏権は、曲を演奏したり歌ったりする時に必要な権利。

さらに実際に演奏するだけでなく、CDなどで曲を流すのにも必要です!

CDプレイヤー

そのため結婚式場では、

・BGMとして好きな曲を流す
・余興で実際に曲を演奏する

といった場合などで許可を取ることになっているようです。

演奏権を持っているのは著作者だけなので、著作者に許可をもらえばOKです。

複製権

複製権とは、曲をコピーする時に必要な権利。

結婚式場では、次のような場合で許可を取ることになっているようです。

・プロフィールムービーなどの映像演出にBGMとして曲をいれる
・CD-Rなどにコピーした曲を結婚式で流す
・BGMが流れている結婚式の様子をDVDなどにおさめる

市販のCDをそのまま使う場合は先ほどの「演奏権」だけ考えればOK。

しかし、CDに入った曲を別のCDやDVD、ムービーなどに入れる場合には「複製権」も関係してきます。

また複製権は、「著作者」が持つ著作権と「原盤製作者(※)」が持つ著作隣接権の両方に含まれる権利です。

※原盤・・・商品CDなどの基になる「マスターテープ」や「マスターデータ」のこと

そのため上記のような場合には、著作者だけでなく原盤製作者からも許可をもらう必要があります。

多くの場合はレコード会社が原盤製作者になっているので、複製権の許諾はレコード会社からもらうパターンが多いようです。

どうやって許可をとればいいの?

・曲作成者には「著作権」がある
・レコード会社などにも「著作隣接権」がある
・使いたい場合は許可を取る必要がある

と紹介してきましたが、実際に許可をもらうためにはどうすればいいのか、気になりますよね!

そこで続いては、結婚式での利用を許可してもらうために必要な「申請」について紹介していきます。

演奏権は主にJASRACを通じて申請する

著作権の場合も著作隣接権の場合も、権利を持っている人に申請して許可をもらう必要があるとお伝えしました。

しかし、著作権を持っている作曲家さんや作詞家さんに直接許可をもらいに行くのは、とてもハードルが高いですよね。

そのため、スムーズにやり取りできるよう著作権を代わりに管理している団体や会社があります。

その代表的なものが「JASRAC(ジャスラック)」です。

名前を聞いたことがある人も多いかもしれませんね。

「JASRAC」の正式名称は「一般社団法人日本音楽著作権協会」で、作曲家や作詞家から曲の著作権の管理を任されています。

そのためJASRACが管理している曲については、JASRACに著作権の申請をすればOK。

JASRACが管理していない曲の場合は別途申請が必要なので、式場と相談しましょう。

またJASRACと包括契約を結んでいる式場も多く、その場合は結婚式場が新郎新婦の代わりにJASRACへ申請をしてくれます。

希望の曲を使うことができるかどうかは、式場に事前に確認しておくといいですよ。

複製権はJASRACから申請できない

一般的に、曲をコピーするのに必要な「複製権」は

・著作権を管理する「JASRAC」
・著作隣接権を持つ「レコード会社」

からそれぞれ複製権の許可をもらう必要があります。

JASRACが管理しているのは著作権のみなので、レコード会社に対する著作隣接権の申請はJASRACを通してすることはできません

そのため、複製権については結婚式場がJASRACと包括契約を結んでいても、別途申請が必要ということになります。

結婚式では1曲だけではなく何曲も使うことが多いので、2か所に対して申請することになるとその分とても手間がかかりますよね。

また著作権のときと同様に、新郎新婦がレコード会社に許可をもらいにいくのもハードルが高いもの・・・

そこで「ISUM」という団体のサービスを利用して、複製権の申請をスムーズにする式場が増えているようです。

複製権は「ISUM」から一括で申請できる

「ISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)」は、ブライダルシーンでの曲使用に限定して、複製権の申請を代行してくれる団体です。

ISUMを使うと、著作権を管理しているJASRACと著作隣接権を管理しているレコード会社の両方に、一括で申請することができます。


ちなみにISUMに申請できるのは、結婚式場やムービー製作会社などの「ブライダル事業者」のみで、新郎新婦個人からの申請はできません。

そのため著作権の手続きについては、基本的に結婚式場やムービー製作業者などにおまかせするのが◎。

新郎新婦も式場も、手間が減るのがいいですね!

結婚式で曲を流す際にかかわってくる権利については何となく分かったでしょうか。

次は実際のケースを想定して、ふたりはどんな手続きをすればいいのか、おさらいしていきましょう。

【ケース別】必要な手続きのまとめ

結婚式でありがちないくつかのケースで、具体的に行うべきことを紹介します。

①市販のCDを使って好きな曲を流したい

この場合はJASRACへの申請のみでOK

またJASRACと包括契約を結んでいる式場であれば、式場が手続きを進めてくれるのでふたりがするべき手続きは特にありません。

どの曲を流したいかをプランナーさんに伝え、流したい曲のCDを購入するだけでOKです。

JASRACが管理していない曲の場合は式場と相談しましょう。

②使いたい曲をCD-Rにまとめて流したい

結婚式のプログラムに合わせて、自分でCD-Rなどに曲をまとめたいという場合もありますよね。

この場合は、「演奏権」だけでなく「複製権」も関係してくるため、レコード会社やISUMへの申請も必要になります。

まずはプランナーさんに相談し、式場から申請してもらえるか確認しましょう。

ちなみに、曲をCD-Rにまとめる代わりに購入したCDをすべて式場側に渡し、順番を指定してその通りに流してもらうという方法も。

この場合は①の場合と同じで市販のCDを流すだけなので、複製権の申請は必要ありません。

流してもらうスタッフさんの手間には多少なってしまいますが、相談してみてもいいですね。

③好きな曲を使ったムービーを業者に作ってもらいたい

この場合は、ムービーの製作業者からレコード会社やISUMへ申請するのが一般的

ふたりが行うのは、使いたい曲を業者へ伝えることと、CDを購入すること。

CDの購入は業者側でしてもらえることもあるため、事前に確認しておきましょう。

④好きな曲を使ったムービーを自作したい

このケースで有効なのは次の3つ。

式場に協力してもらう

結婚式場によっては、自作のものでもお願いすれば代わりにISUMを通して曲の複製権を申請してくれることも!

ただ確実ではないので、作成に取りかかる前に相談しておくと安心ですね。

ISUMへの申請代行業者を使う

式場からの申請ができない場合は、ISUMへの申請代行業者を使ってお願いするという方法もあります。

インターネットで「ISUM 申請代行」などと検索すると、代行業者がいくつか出てきますよ。

映像と音楽を分ける

CDに曲をまとめるときと同じく、当日ムービーに合わせて曲を流してもらう、という方法もあります。

ムービーは無音で製作し、CDからそのまま音源を流すだけなので、複製権の申請はいりません。

1曲だけを使うようなムービーには、この方法もアリかもしれませんね。

自作のムービーを作るときは前もってプランナーさんに相談し、どんな方法が一番いいかを話し合うとよさそうです。

⑤結婚式当日の映像をDVDにしてもらいたい

結婚式当日の様子をムービーにおさめ、DVDにしてもらう人も少なくないですよね。

でもその場合、会場で流したBGMやムービー作品の曲も、すべて記録されてしまいます。

そのため、このケースも複製権の申請が必要ですが、この場合の申請は撮影業者が行ってくれることが一般的なようです。

結婚式で使う曲の著作権にまつわるQ&A

最後に、結婚式で使う曲の著作権について、よくあるギモンを紹介します!

Q.結婚式での曲使用は「私的利用」にならないの?

A.多くの式場では、結婚式での曲使用は「私的利用」ではなく「商用利用」とされるよう。

「結婚式場での曲使用は結婚式の演出の一環であり、式場が行うサービスのひとつと捉えられる」

という理由から、商用利用になると考えている式場が多いようです。

もっとも、人数や招待客が誰かによっては商用利用にならないと考えられるケースもあるようです。

式場によって対応が異なるようなので、気になる人は式場に確認してみてくださいね。

Q.配信されている音源を流してもいい?

A.ISUMの曲データベースに登録されていれば利用可能。

インターネットなどで配信されている音源の場合、ISUMの曲データベースに登録されているものであれば申請のうえ使うことができます。

ただし、使える音源はダウンロード配信サービスで正規に購入したもののみ。

月額制などのサブスクリプションサービスで配信されるストリーミング音源は使えないので注意しましょう。

Q.ISUMにない曲を使いたい場合は?

A.ISUMに使いたい曲のリクエストをすることができます。

ISUMを通して手続きできるのは、ISUMの「曲データベース」に登録されている曲のみ。

ISUM曲データベース

この世の全ての曲がISUMのデータベースにあるわけではありません。

データベースにない曲を使いたい場合は、ISUMに登録してほしい曲のリクエストを送ることができます。

リクエストを受けたISUMは曲の権利者に登録の確認を行い、承諾されればISUMのデータベースに登録され、使用できるようになります。

また、リクエストは個人でも送ることが可能です。

リクエストから曲登録まで、どのくらいかかるかは曲によって異なるよう。

1ヶ月以上かかるケースもあるようなので、リクエストする場合は結婚式まで期間があるうちに行いましょう。

カレンダー

なお、承諾されたかどうかはリクエストした本人に報告が来るわけではなく、こまめにISUMのデータベースをチェックする必要があります。

また残念ながら承諾されない場合もあるため、曲の候補はいくつか決めておくといいかもしれませんね。

Q.申請が必要ない曲もある?

A.著作権・著作隣接権の期限が切れた曲や、著作者が申請を不要としている音源などがあります。

著作権の申請が不要になるのは、大きく分けると次の2パターンです。

1つ目は「著作権・著作隣接権の期限が切れている曲」の場合

というのも著作権や著作隣接権には、権利が有効な期間が設けられています。

著作権の場合は、作者が亡くなった翌年の1月1日から数えて70年間。

著作隣接権のひとつである複製権の場合は、CDが発行された翌年の1月1日から数えて70年間有効です。

有効期限が切れた曲は、申請なしで使用することができます。

ただし「著作権は切れているが著作隣接権の方は切れていない」というパターンもあるので注意しましょう。

例えば、作曲者が亡くなってからは70年以上経っているものの、使うCDは70年以内に発売されている場合。

クラシック音楽の場合などが当てはまりますが、この場合CDの複製権は切れていないので申請が必要です。

2つ目は、著作者自身が申請を不要としている場合

「フリーBGM」などで検索すると、無料で利用できる曲を掲載しているサイトが多くヒットします。

またムービー作成を業者にお願いする場合は、業者が無料で使える曲を用意している場合もあります。

こうした曲は、著作者への申請が不要になっている場合が多いようです。

市販CDの曲に比べるとマイナーなラインナップではありますが、好みの曲があれば、使ってみてもいいかもしれません。

使用できる範囲はサイトや曲ごとに決められているので、使用する前に確認しておくことをおすすめします。

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まとめ

結婚式で曲を流すときに気を付けたい著作権関連の情報を詳しくご紹介しました。

曲にはさまざまな権利がありますが、結婚式で曲を使う時に関わってくるのは主に「演奏権」と「複製権」。

「演奏権」は、結婚式場がJASRACと契約していれば式場が手続きしてくれるので、新郎新婦の対応は不要になることが多いです。

具体的には、BGMとして市販のCDを流したり、余興で生演奏をしたりする場合がこれに当てはまります。

より注意が必要なのは、

・ムービーのBGMとして使う
・当日流す曲をCD-Rにまとめる
・当日の様子を撮影してDVDにおさめる

場合などに関わってくる「複製権」の申請。

ただこれらも式場やムービー製作会社から、ISUMを通して申請してもらえるケースが多いよう。

著作権の話はややこしいですが、式場や業者にお願いすれば解決することが多いので、まずはプランナーさんに相談してみましょう。

胸を張って好きな曲を使えるように、しっかり準備できるといいですね!

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