寿退社とは?どんなメリットやデメリットがあるの?スムーズに進めるためのコツもご紹介
結婚を機に仕事を辞める「寿退社」。
最近では、「寿退社」という言葉を耳にする機会が減っているようにも思いますが・・・
寿退社とは、どういうものなのでしょうか?
今回は、寿退社について詳しく解説!
メリットやデメリットのほか、円満に寿退社を進めるポイントもご紹介します。
「寿退社」とは?
「寿退社」とは、結婚を機に仕事を辞めることを指します。
結婚という「おめでたい理由」で退職するので、「寿」という言葉が使われているよう。
一昔前の女性は、結婚するタイミングで仕事を辞め、専業主婦として家庭に入るのが一般的でした。
「働く女性が結婚=寿退社」という流れが普通だったんですね。
そのため、「寿退社」という言葉は、主に女性に対して使われる言葉だったそう。
でも現代では、結婚しても仕事を続ける女性はたくさんいます。
また、男性が結婚を機に今の仕事を辞めて転職したり、専業主夫になったりというパターンも。
結婚のカタチは多様化しているので、「寿退社」という言葉も、女性のみに使われる時代ではなくなったと言えるかもしれませんね。
その一方、幸せな結婚をして円満に退職する「寿退社」に、憧れを持つ人も。
そんな寿退社には、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
次は、寿退社のメリット・デメリットを見ていきましょう。
寿退社のメリット・デメリット
メリット
家族の時間を確保できる
寿退社をするメリットの1つ目は、家族の時間を大切にできること。
自分が仕事を辞めれば、相手が時間的に不規則な仕事をしている場合でも、生活リズムを合わせることもできますよね。
また、結婚相手が転勤になった場合なども、ついていきやすいと言えそう。
夫婦の時間をしっかり確保できるので、すれ違いが起きにくいとの声があるようです。
家事や育児に専念できる
家事と仕事の両立は、意外と負担が大きいもの。
さらに、育児が加わることもあります。
家事や育児と仕事ががなかなかうまく両立できず、悩んでしまう人も多いようです。
その点、寿退社で家庭に入れば、家事や育児に専念できるというメリットが。
もちろんふたりで協力して家事や育児をするのが大前提ですが、「仕事」というタスクが減る分、家庭のことにかけられる時間は増えそうですね。
仕事を円満に辞める理由になる
もし、今の仕事に不満を抱え「辞めたい」と日頃から思っていた場合は、理由が「結婚」なら退職を言い出しやすいというメリットも。
おめでたい理由なので、後ろ向きな雰囲気にならず円満に退職できそうですね。
その他にも、結婚式の準備や趣味に時間をかけられることをメリットに感じる人もいるようです。
デメリット
世帯収入が減ってしまう
あなたの収入がなくなる分、もちろん世帯収入は減ってしまいます。
子供が産まれたり、マイホームを購入したり・・・将来のことを考えると、経済面が心配という人も少なくありません。
今後のライフプランを考えたうえで、寿退社を検討するといいですね。
また、自分の収入がない分、お金を自由に使いにくいと感じる人もいるようです。
孤独を感じることも
今まで仕事を通して社会との繋がりを感じていた人は、退職して家庭に入ると孤独感を抱く場合もあります。
もちろん家族をサポートすることも立派な仕事なのですが、なんとなく社会から取り残されたような、切り離されたような・・・
そんな気持ちになることがあるようです。
仕事以外で有意義な過ごし方を見つけたり、近所付き合いや育児を通して新しいコミュニティで繋がりを作ったりなど、孤立しないよう心がけるといいかもしれませんね。
再就職が難しくなることも
今までキャリアを積み上げてきた人でも、寿退社でブランクがあると、再就職に苦労する場合もあるようです。
特に産後すぐに再就職を目指す場合は、「小さい子供がいる」ということが、採用条件としてマイナスに働くとの意見もあります。
「急な休みが多くなるのでは」と考えられてしまうのかもしれませんね。
反対に、子どもが大きくなってからだと、その分ブランクが長くなってしまいます。
出産後の再就職は、条件的に厳しい場合もあると考えておいた方がよさそうです。
その他には、
・妊娠・出産に関する手当がもらえなくなる
・家事に協力してもらいにくい
などをデメリットに感じる人もいます。
寿退社には、メリットもデメリットもあるんですね。
大切なことなので、ふたりでよく話し合って決めてくださいね。
こちらの記事では、その他にも結婚前に話し合っておきたいことをご紹介していますので、参考にしてみてください。
結婚前に話し合って決めておきたい8つのこと!上手く話し合うコツもご紹介
話し合った上で寿退社をすると決めたら、円満に進めたいところ。
次は、寿退社をスムーズに進めるコツについてお話しします。
円満な寿退社のための手順や注意点
寿退社までの流れは?
寿退社までの一般的な流れは、こんな感じ。
1 寿退社することを報告する
2 仕事の引継ぎ
3 あいさつ回り
4 身の回りの整理
5 最終日のあいさつ
6 必要書類の受け取り
気を付けたいポイントと一緒に、順番に詳しく見ていきましょう。
1 寿退社することを報告する
まずは、直属の上司に「寿退社を考えている」と相談します。
相談という形で時間を作ってもらい、
・結婚が決まったこと
・寿退社をしたいということ
・希望退職時期
これらを明確に伝えます。
上司に伝えた後に、同じ部署のメンバーに伝えるといいですよ。
【ポイント】
仲のいい同僚などに話したい気持ちは分かりますが、社内でまず始めに報告するのは、基本的に直属の上司!
先に結婚の噂が広がって上司の耳に入ったりしないよう、報告の順番は守りましょう。
SNSでの報告も、社内の人と繋がっている場合は注意が必要です。
また、退職希望日の3ヶ月前までには報告を済ませておくのが無難。
急な退職、会社が忙しい時期の退職は、できる限り避けるようにします。
職種や立場によっては、半年前くらいから退職の意思を伝えておいた方がいい場合もあるよう。
引継ぎに必要な時間や仕事内容によって、報告時期を考えましょう。
2 仕事の引継ぎ
自分が担当している仕事を、後任の人にしっかり引継ぎます。
後任者が早く決定した場合は、一緒に業務を行ってサポートできるとベター。
業務の引継ぎで困ったことがあれば、早めに上司に相談しましょう。
【ポイント】
後任の人は、後々疑問点が出てきても、退職してしまった前任者に確認することはできません。
後の人が困らないよう、場合によってはマニュアルを作るなど、分かりやすく引継いであげるとGOOD!
立つ鳥後を濁さず、ですね。
3 あいさつ回り
お世話になった人へのあいさつ回りも大切。
取引先など社外の方へのあいさつは上司に確認しながら進めます。
【ポイント】
いきなり辞めるのではなく、お世話になった人には事前に挨拶をしておきましょう。
社内の人の場合は、仕事中に時間を割いてもらうのではなく、休憩中や昼休みなど、仕事の邪魔にならない時間を選ぶといいですよ。
社外の人への挨拶は、上司や後任者と一緒に行うこともあるので、上司に相談してから進めます。
4 身の回りの整理
デスク回りなど私物の整理はもちろん、社員証や社用携帯など会社の物に関しては、返却を忘れないようにします。
自分が使用していたパソコンのデータも整理しておくと安心です。どのようにまとめるかは、こちらも上司と相談する必要がありそうです。
【ポイント】
最終日直前まで仕事がある場合、デスクを空にしたり社員証を返却したりするのは最終日になりますよね。
でも私物が多い場合などは、一度に持ち帰ることが難しい場合も。
最終日が近づいたら、計画的に持ち帰るといいですね。
5 最終日のあいさつ
最終日には感謝の気持ちを込めて、改めてあいさつをします。
ちょっとしたお菓子などを用意する人も多いようです。
【ポイント】
あなたの退職を心から祝福する気持ちになれるよう、最後まで誠意ある対応を心がけます。
みんなで食べられるお菓子を持参する場合は、個包装で賞味期限が長いものだと、喜ばれやすいですよ。
6 必要書類の受け取り
退職後のために必要な書類がいくつかあるので、忘れず会社から受け取りましょう。
主な書類はこちら。
・雇用保険被保険証
・年金手帳(会社が保管している場合)
・源泉徴収票
・離職票
年金手帳はコピーを会社に提出し、原本は自分で持っている場合もあるので、手元にあるか確認してみましょう。
離職票は、退職日に受け取るのではなく、後日郵送してもらうのが一般的。
ただし、退職者からの希望がなければ発行をしない会社もあるようです。
失業給付を受けるために必要な書類なので、希望する場合は会社に伝えておきましょう。
退職後に必要な手続きについては、後で詳しくご紹介します。
【ポイント】
状況によっては、受け取るべき書類が増えることも。
勤務先の担当者に確認しておくと安心です。
寿退社の手順についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もどうぞ。
退職願の書き方についてはこちら。
結婚退職の場合の退職願の書き方・提出のタイミング【すぐに使える実例つき】
では最後に、退職後に必要な手続きについても解説します。
退職後に必要な手続きはある?
健康保険・年金の手続き
退職後は、健康保険や年金の切り替えが必要になります。
結婚相手が会社員でその扶養に入る場合は、退職の翌日から5日以内にパートナーの会社で手続きをしてもらいましょう。
退職後にパートなどを行う予定の人は、年収が130万円を超えると扶養に入れなくなるので気をつけてくださいね。
結婚相手が自営業の場合は、退職後14日以内に国民健康保険・国民年金への切り替えを行います。
こちらは市区町村の窓口で申請ができますよ。
その他には、退職した会社で加入していた健康保険に最大2年まで引き継いで加入できる「任意継続被保険者制度」を利用する手もあります。
ただし、在職中と違って保険料は全額負担になるようです。
失業保険の手続き
退職して専業主婦(夫)になる場合や、転職先が決まっている場合は、基本的に失業保険を受けることはできません。
でも今後働く意思があり、転職活動をしている人は失業保険を受給することができます。
退職後に郵送される離職票などを持参し、ハローワークで手続きをしましょう。
貰える金額や期間は、賃金や勤続年数、退職理由によっても変わります。
同じ寿退社でも、「婚姻に伴う引っ越しのためやむを得ず退職」「妊娠したため退職するが、出産後に再就職を希望する」など、理由によっては受給期間や金額が変わる場合も。
自分がどれくらい貰えるのか、確認してみるといいですね。
税金の手続き
住民税は前年度の所得によって金額が決まるので、退職しても支払う義務があります。
会社の給料から天引きされていた住民税(特別徴収)は、納付書を使って自分で納税する「普通徴収」へ切り替える必要がある場合も。
こちらの手続きは、退職する会社にお願いする人が多いようです。
退職時期によって支払い方法は異なるようですが、基本的にはこんな感じになります。
1月~5月に退職した場合
→5月までに支払う予定だった住民税を、退職した月の給料や退職金から一括で徴収
6月~12月に退職した場合
→退職月の住民税は給与から天引き、それ以降の分は普通徴収
ただし、6月~12月に退職する人も、希望すれば退職時に一括で徴収してもらうこともできるようなので、退職前に確認してみてくださいね。
まとめ
結婚にともなって会社を辞める「寿退社」について詳しくご紹介しました。
「寿退社」のメリット・デメリットはこちら。
【メリット】
・家族の時間を確保できる
・家事や育児に専念できる
・仕事を円満に辞める理由になる
【デメリット】
・世帯収入が減ってしまう
・孤独感を抱くこともある
・再就職が難しくなることもある
円満に寿退社を進めるためには、手順を守って、最後まで誠意ある対応を心がけることが大切です。
退職後にも必要な手続きがあるので、前もって調べておくと安心ですよ。
大切なことなので、ふたりでよく話し合って決められるといいですね。
「入籍・結婚準備」の他の記事
「入籍・結婚準備」
の次に知っておきたいこと
- 結婚に関する疑問を解決したい方へお役立ち記事2100本!「結婚ラジオ」
- 結婚のあれこれ、スキマ時間に楽しく読みたい方へイメージ膨らむ♪「結婚準備の基礎知識」
- 結婚式場を決めたい、お得に結婚式を挙げたい方へ全国約2000式場をご紹介「結婚式場を探す」