医療保険とは?公的医療保険(健康保険)と民間の医療保険の違いや特徴を解説!
結婚して夫婦になった二人。
長い人生、パートナーの急な病気やケガに備えてお金の話は避けて通れないですよね。
病気やケガに備える医療保険には、国の運営する公的医療保険と民間の運営する医療保険があります。
結婚したからと言って、いきなり民間保険のことを考えるよりも、まずは公的医療保険の制度をしっかり知ることが大切!
この記事では、公的医療保険と民間医療保険の概要や違いについて説明していきます。
医療保険には2種類ある
「医療保険」とは、加入者が病気やケガをしたときに、治療費の一部を補償してくれるシステムのこと。
加入者が保険料を支払うことで、治療費が発生した加入者の経済的負担を軽減するという仕組みなんです。
医療保険には、国が運営するものと民間が運営するもの、大きく分けて2種類あります。
公的医療保険(健康保険) | 国が運営 |
---|---|
医療保険 | 民間の保険会社が運営 |
「公的医療保険」は、「健康保険」ということもあります。
※本記事では、公的医療保険=健康保険。民間の医療保険=医療保険と記します。
「健康保険」は、日本国内に住所を有する日本人と1年以上の在留資格のある外国人の加入が原則義務付けられている「国民皆保険」制度です。
一方「医療保険」は必要と思った人が、好きな保険会社・プランを選んで加入します。
保子:
健康保険は保険証を出すと、医療費が3割負担になりますよね。
でも、民間の医療保険は考えたこともありません・・・
宮本:
健康保険には3割負担となる制度の他にも、実はいろんな保障がありますよ。
民間の医療保険についてもぜひ知ってほしいんですが、まずは国民全員が加入する健康保険について、確認していきましょう!
健康保険制度の概要
国が運営する健康保険。
皆さんが知っている、3割負担・・・以外にも医療費の負担が軽くなる制度がたくさんあるんです。
宮本:
どんなものがあるか、代表的な制度を確認しましょう。今回は、3つ紹介しますね!
健康保険証提示で医療費負担が軽くなる
健康保険に加入している現役世代の人は、病院の窓口で健康保険証を提示すれば、医療費は3割負担で済みます。
残りの7割分は、病院が健康保険へ請求。健康保険から病院へ支払っています。
険太郎:
3割負担が当たり前なので、あまり考えたこともありませんでした
宮本:
本当の医療費は10,000円でも、自己負担は3,000円。本当はこれだけの医療費がかかっていると思うと、ゾッとしますね。
日本のように、全員が健康保険に入っている国は珍しいんですよ~。
病気やケガで病院にかかる際は、誰でも既定の範囲内で医療費の負担が軽減される仕組み。
こうした健康保険があるから、病院に行きやすいんですね。
高額な医療費を払ったとき
1ヶ月の間(1日~当月末)に掛かった医療費の自己負担額(3割部分)が高額になった場合で、一定の限度額を超えると、その超えた部分を払い戻してもらえる制度があります。
実際のイメージはこんな感じ。
限度額は、年齢や収入により異なりますが…
70歳未満・年収約370-770万円の場合、1か月の自己負担の上限は最大8.7万円程度 です!
保子:
えっ、そんな制度初めて聞きました!1か月最大8.7万円ぐらいに収まるって、すごいですね。
宮本:
高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)といいます。
いくつか留意点もありますが、健康保険に入っていれば、そこまで医療費負担が高額になることは無いと知っておくといいかもしれませんね。
病気やケガをして会社を休んだときの補償
業務外の理由による病気やケガで会社を休業。会社から給料を得られなかった場合に、給料のおよそ3分の2を受け取ることができる制度です。
宮本:
ちなみに会社から給料が一部支給された場合でも、傷病手当金との差額分を受け取ることができますよ。
3日間の連続した休みがある場合、などいくつかもらうための条件もあります。
また傷病手当金がもらえるのは、会社員・公務員に限定されます。
宮本:
自営業の方などは、もらえないので注意してくださいね。
ちなみに、仕事中(通勤含む)の病気やケガによるものは、労災で対応しますよ。
公的医療保険制度については、こちらの記事で詳しく解説しています!ぜひチェックしてくださいね。
民間の医療保険の概要
医療保険は、民間の保険会社等が販売する医療保険です。
主に入院や手術を保障します。
宮本:
最新データによると、民間の医療保険の加入率は、93.6%※と言われています。
保子:
ほとんどの人が民間の医療保険に入ってるんですね!!私も急いだほうがいいのかな!
宮本:
ちょっと待って!
多くの人が入っている医療保険ですが、だからと言って焦って入るのは禁物です!
※出典:生命保険文化センター2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査(速報版)」(2021年9月発行)
民間の医療保険は「健康保険で足りない部分を補うために加入するもの」です。
宮本:
お伝えした通り、健康保険にも実はかなり充実した補償があるんです。
健康保険でたいていの病気やケガの治療には対応することができ、負担も減らすことができます。
それでも、さらに医療費の負担を減らしたい人や健康保険では受けられない医療やサービスなどを求める場合に、民間の医療保険に加入するといいんですね。
険太郎:
健康保険の制度をちゃんと知ったうえで
それでも必要な人は、民間の医療保険を考えればいいということですね。
宮本:
そのとおり。だから民間の医療保険を調べたり相談する前に、ベースとなる健康保険をきちんと理解することが大切なんです!
健康保険でどんなときに、どの程度の保障を受けられるのかを詳しく知ったうえで
「大きな病気やケガをして、入院や手術をしても自身の収入や貯蓄で十分にまかなえそうか」
「健康保険の他にどんなサービスや保障があると安心か」
「自分には医療保険への加入が本当に必要なのか?」
・・・いうことを検討しましょう。
また医療保険は、費用のことも考えておきましょう。
宮本:
医療保険に毎月3千円支払う場合、年間3.6万円の負担です。
30歳から85歳まで55年間続けた場合、総額198万円を保険会社に支払うことになります。
保子:
もし健康で保険を使わずに掛け捨てになるなら、ものすごく損した気分になりそうですね
こうした支出と万が一の時の保障のバランスがとれているかどうか、慎重に検討しておくと良さそうです。
保険はどんなことに役立つの?
ここまで、健康保険と医療保険の特徴について概要を説明しました。
でもそもそもこうした保険は、どんなことに役立つのでしょうか?
保険と貯金の役割や性質を比較して、見てみましょう。
貯金はサンカク、保険はシカク
これは預貯金と保険の性質を比較するときによく使われるキャッチコピーです。どんな意味があるのでしょうか?
まずは貯金の特徴から、見ていきましょう。
預貯金は「海外旅行代を貯めよう」「好きな趣味に使いたい!」など、いろんな目的のために使えるものですよね。
保子:
私も毎月3万円貯金してます!
1年で36万円、5年で180万円をぜったい貯めたいと思ってます!貯まったらほしいものを色々買ってやる~
預貯金は、家族のため自分のためにコツコツ増やしていくもの。
貯蓄額の推移を図にすると、預貯金額は時間とともに増えていくので三角形になります。
宮本:
これが「貯金は三角」と言われる理由です。
続いて、保険の特徴はこちら。
保険は、万が一の大きな経済的損害に備えるものです。
宮本:
みんなで少しずつお金を出し合い、その中で大きな事故が起こり困った人がいれば、その人を金銭面で支えてあげるのが保険です。
保子:
助け合いのシステムですね。
保険は、いつでも決まった保障額をもらうことができます。これを絵に表すと、四角形になります。
これが「保険は四角」と呼ばれる理由です。
バランスが重要
備えが預貯金だけの場合、すべてのお金を自由に使えますが、大きな金銭的損害があるとその貯金が全て無くなってしまうことも。
せっかく貯めたお金が、自分の好きなことに使えないのは残念ですよね。
預貯金が十分にない時や、大きな事故で金銭面に大きな負担がある時でも、保険があれば経済的な打撃を避けることができます。
万が一には備えておくのは「保険」、夢や自分の好きなことに使うお金は「預貯金など」と区別して、リスクを分散しておくのもおすすめ。
保険があることで、安心して暮らせるという側面もあるのですね。
保険の役割や必要性について、理解はできたでしょうか?
次は、健康保険・医療保険の役割や保障内容について、もっと深く知っていきましょう!
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
民間の医療保険はどんなもの?結婚したら知っておきたい基礎知識
【監修者・執筆】
宮本 亮太朗
ファイナンシャルプランニング技能士2級<主な職歴>
2011年:損害保険会社に入社。
2016年9月~グループ子会社で保険代理店の代表取締役社長に就任。2020年6月まで、大企業~中小企業などの企業向け保険に加え、個人向けの生命保険、火災保険などの損害保険の提案などに従事。「仕事柄、自分自身でも色んな保険に加入しました。現役子育て世代としての視線も交えつつ、経験談から失敗談までリアルな情報をお届けします」
※2022年4月時点の情報を基にご紹介しています
まとめ
医療保険には、「公的医療保険(健康保険)」と「民間の医療保険」の2種類があります。
まずは日本国民全員が加入している公的医療保険の保障内容がどんなものか、しっかり理解することが重要。
そのうえで、不足する部分や不安があれば、民間の医療保険でカバーすると良さそうですね。
保険の役割や必要性が分かったら、
公的医療保険、民間の医療保険それぞれについて、もっと詳しく見ていきましょう。
公的医療保険(健康保険)の基礎知識
民間の医療保険はどんなもの?結婚したら知っておきたい基礎知識
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