魔除けの意味がある!?ウェディングケーキの由来や歴史って?
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披露宴で、今や当然のように登場するウェディングケーキ。
でもそんなウェディングケーキが、いつから、どうして結婚式で食べられるようになったのか知っていますか?
今回は、ウェディングケーキの由来と歴史を、ウェディングケーキに込められた意味もあわせてご紹介します。
ウェディングケーキの由来
そもそも「ウェディングケーキ」が披露宴で登場するようになった理由は、どういうものなのでしょうか?
いつ、どこでどのように始まったのか、その由来には諸説あるよう。
有名な説をいくつか見ていきましょう。
古代ローマの風習から
古代ローマでは、ビスケットやパンのようなものが結婚式で使われていたといわれています。
その一部を新郎が食べ、残りを花嫁の頭にかけてしまうそう!
現代なら、「ヘアメイクが台無しになるからやめて~!」と言いたくなるような風習かもしれませんね。
でもちゃんと、意味があるんです。
ビスケットやパンの原料になる小麦は当時の主食であり、麦は「繁栄の象徴」と考えられていました。
それを使うことで、二人の繁栄、子宝などを祈願していたんですね。
儀式に使われたビスケットやパンのかけらには「幸福」が宿るとされ、ゲストたちが分け合ったという話もあります。
まさに「幸せのおすそ分け」!
これがウェディングケーキの由来、という説です。
イギリスの風習から
結婚式の日に何か決まったものを食べるという風習は、昔からヨーロッパ各地にあったようです。
始めはビスケットやパンのようなものだったのが、卵やバター、砂糖などが使われた焼き菓子に変化。
やがてそれに、「子孫繁栄」や「豊穣」の意味を持つナッツ類やレーズンなどが加えられるようになったそうです。
これがウェディングケーキの始まりになったのでは、といわれています。
ウェディングケーキの由来には、色々な説があるんですね。
どれも、結婚式というおめでたい日に、二人の幸せを願って特別なものを食べてお祝いしようという気持ちからきているようです。
では次に、ここからどのように現代のウェディングケーキになっていったのかを見ていきましょう。
ウェディングケーキの歴史
ウェディングケーキの由来はお話ししましたが、ビスケットやパン、ナッツやドライフルーツが入ったパウンドケーキのようなものだったり・・・。
なんだか「ウェディングケーキ」と聞いて想像する華やかなケーキとは、違ったものばかりですよね。
どのような経緯で現代のようなウェディングケーキになったのでしょうか?
それは、18世紀に登場した「シュガーケーキ」がきっかけ。
シュガーケーキとは、ナッツやレーズン、洋酒を使い、しっかりと固く焼き上げた土台を、砂糖などで作ったペーストや砂糖細工でコーティングしたケーキのことです。
砂糖細工の部分はシュガークラフトともいい、レース模様や花など、繊細な模様を施すことができます。
華やかに飾られたシュガーケーキが、結婚式に登場するようになったんですね。
でも、その頃のウェディングケーキはまだ1段が主流。
それが変化したのは19世紀、イギリスのヴィクトリア女王の第一王女の結婚式で、3段重ねのウェディングケーキが登場してからです。
一番下のシュガーケーキの上には、精巧で豪華な砂糖細工の建築物が2段も積み重ねられ、ウェディングケーキの高さはなんと2メートル以上もあったと言われています。
高く積まれたウェディングケーキの原点は、ここにあったんですね。
このケーキは当時の新聞に挿絵入りで紹介されたこともあり、大評判となったそう。
でも精巧な砂糖細工は作るのに大変高い技術が必要な上、とても高価・・・
という訳で、庶民の間ではケーキを積み重ねることで、王室のウェディングケーキの真似をしたんだそうですよ。
ちなみに、日本の結婚式でウェディングケーキが登場するようになったのは戦後のこと。
洋菓子の文化が広まるにつれて、結婚式にも取り入れられるようになったようです。
こうして現代のウェディングケーキに近づいたようですが、そもそも、結婚式にウェディングケーキを登場させることには、どんな意味があるのでしょうか?
実は、イギリス発祥の3段ケーキにも、ちゃんと意味があるんです。
次は、ウェディングケーキの意味についてお話しします。
ウェディングケーキに込められた意味
ウェディングケーキにはいくつかの意味があるとされています。
さっそく見ていきましょう。
繁栄の願いを込めて
昔、甘いものはとても貴重で高価なものでした。
そんな貴重な砂糖や蜂蜜をたくさん使ったケーキは、まさに豊かさや幸せのシンボル。
結婚式を幸せの象徴であるケーキでお祝いすることで、新郎新婦の繁栄や豊かな生活を祈ったと言われています。
ウェディングケーキの元になったケーキに、ナッツ類やレーズンなどが加えられるようになったのも同じ意味が込められているそう。
「子孫繁栄」や「豊穣」の意味を持つナッツ類やレーズンを入れることで、新郎新婦の幸せを願ったんですね。
魔除けになる!?
西洋では、「悪魔は甘いものを嫌う」という言い伝えがあるんだとか。
そのため、幸せいっぱいの新郎新婦に悪魔が近寄らないよう、二人の近くに甘いケーキを置いたという説もあります。
「魔除け」と聞くとなんだか仰々しいものを想像しそうですが、素敵なウェディングケーキが魔除けになるなら、嬉しいですよね。
3段ケーキの意味
3段のウェディングケーキには、段ごとに意味があるとされています。
ちなみに、一番下が「1段目」、真ん中が「2段目」、一番上が「3段目」です。
それぞれこんな意味があるんですね。
シュガーケーキを飾る砂糖細工の部分は、状態が良ければ長く保存できるとも言われています。
だから後日参列できなかった人に配ったり、記念日に食べたりということが可能だったんです。
現代の生ケーキはもちろんそんなことはできませんが、新郎新婦がファーストバイトでお互いに食べさせたり、デザートとしてゲストにふるまったりしますよね。
ウェディングケーキは「幸せ」の象徴。
それをゲストにもおすそ分けしたい、という意味があるんです。
意味を知っておけば、ウェディングケーキへの思い入れがさらに深まりそうですね。
【参考文献】
二コラ・ハンブル 著 堤理華 訳(2012)『ケーキの歴史物語』原書房/マグロンヌ・トゥーサン・サマ 著 吉田春美 訳(2005)『お菓子の歴史』河出書房新社
まとめ
いかがでしたか?
ウェディングケーキの由来には諸説ありますが、どれも新郎新婦の門出を、特別なものを食べてお祝いしようという気持ちからきているようですね。
18世紀に登場したシュガーケーキが、ヴィクトリア女王の第一王女の結婚式で3段ケーキとなり、それが主流に。
1段目はゲストと一緒に、2段目は参列できなかったゲストに、3段目は二人の記念日や生まれてきた子供に食べさせるという意味があります。
他にも、ウェディングケーキには魔よけの意味や、貴重だった砂糖や蜂蜜を使うことにより、二人の幸せを願う意味などもあったそう。
何気なく見ていたウェディングケーキには、長い歴史と色々な意味が込められているんですね!
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