新婚夫婦の新居選び。賃貸or購入どちらがお得?マンション、一軒家のメリット・デメリットは?
結婚したら、ふたりで住む家をどうするか迷うカップルも多いのではないでしょうか?
賃貸がいいの?マイホームを買うべき?
マンションにする?それとも一軒家?
多くのカップルの悩みどころでもある、家選びの問題について、メリット・デメリットを整理してみました。
ふたりに合った家選びをするために、ぜひチェックしてみてくださいね。
賃貸物件のいいところは?メリット・デメリット
結婚して新居を選ぶ時、賃貸物件を借りるのかマイホームを購入するかは、多くのカップルが悩むとても大きな問題。
また、ずっと賃貸物件に住み続けるのか、どこかのタイミングでマイホームを買うのかも悩みどころです。
結婚スタイルマガジンの公式instagramで
「結婚後、最初に住んだ家」を聞いたところ
・賃貸(社宅も含む) 88% 348票
・マイホーム 7% 26票
・どちらかの実家 4% 19票 という結果も。
まずは、賃貸物件を選ぶメリットやデメリットから見てみましょう。
賃貸物件のメリット
ライフスタイルに合わせて選べる
賃貸物件は、自分たちの希望に合った間取りや家賃を選んで契約します。
保子:
住んでみたかった憧れの街で物件を探してみたり、色んな部屋見学も楽しい~
そのため、仕事や家族構成など、変化するライフスタイルに合わせて、好みの家を選べるところがメリットの1つです。
・転勤の可能性があるので、賃貸物件を選ぶ
・家族が増える頃にはマイホームが欲しいけど、夫婦ふたりの間は賃貸物件に住む
など二人のライフプランに合わせて家を選べるのがありがたいところです。
例えば、こんなエピソードも。
Aさん:
数年に1度転勤の可能性があるので、若いうちは賃貸物件で、と考えています。会社から家賃補助も出るので、家賃負担も軽減されています。
好きな条件の物件を選べる
他にも、賃貸物件ではエアコン付き、独立洗面台付きなど、設備の揃っている物件が多いため、設備にお金をかけなくて済むのは嬉しいですね。
賃貸物件のデメリット
ライフスタイルに合わせて、気軽に引っ越せるのが嬉しい賃貸物件。でも、気を付けておきたいポイントもあります。
初期費用や更新料がかかる
賃貸物件の多くは、敷金や礼金などの初期費用が必要です。
また、不動産会社を介すと、入居時に紹介手数料の支払いが発生します。
さらに2年に1度など、契約更新のたびに、家賃1か月分程度の更新料が必要になることもあります。
宮本:
私は学生~社会人の期間で、6回ほど賃貸物件の引っ越しをしました。そのたびに初期費用がかかって大変でした。
家賃の支払いが発生し続ける
賃貸物件は、大家さん(貸主)へ家賃を支払います。
賃貸物件に住み続けるなら、家賃はずっと支払い続けなければいけません。
険太郎:
収入があるうちは気にならないけど、収入が減る老後は、家賃の支払いがきつそうだな~
宮本:
「とりあえず賃貸」か、「ずっと賃貸」か、ふたりでよく相談した方がよさそうですね。
生活する上での制約があることも
賃貸物件は、ペットの飼育や楽器の使用などに制約があることも。
Cさん:
犬と一緒に暮らせる物件を探しました。犬OKの賃貸物件は、数が少なく家賃も高くなるので、物件選びは苦労しました。
・楽器演奏可
・ペット飼育可など、
賃貸物件を選ぶ時点でどんな条件の物件に住みたいか考えておけば、ふたりの条件に合った家が選べそうですね。
また、賃貸物件は、リフォームやDIYが出来ないところが多いのも注意したいポイントですね。
それでは次に、マイホームのメリット・デメリットを見ていきましょう。
マイホームのいいところは?メリット・デメリット
マイホームを買うメリット
マイホームが資産となる
1つ目のメリットは、マイホームが資産となること。
家賃が発生し続ける賃貸物件と違い、マイホームは住宅ローンの返済が終われば、支払いなし!
そのため老後は、住居費用の支出が抑えられ、精神的に安心と言えそうです。
住宅ローン減税や補助金を利用できる
マイホームを購入する場合は、国から住宅購入の支援策として、住宅ローン減税やさまざまな補助金が用意されています。
利用できそうな支援策・補助金はこちら。
・住宅ローン減税
・すまいの給付金
・グリーン住宅ポイント
・こどもみらい住宅支援事業 など
特に、住宅ローン減税は、長期間にわたって所得税や住民税の負担を大幅に軽減してくれるため、とてもありがたい制度です。
Dさん:
住宅ローン減税で、所得税が全額還付されました。住民税もこれまでの3分の1に減りました!
宮本:
住宅ローン減税や各種補助金は、住宅の契約時期・入居時期などで適用される内容が異なります。住宅ローン減税について、詳しく解説した記事はこちら!
住宅ローンを契約すると節約できるお金って?知っておきたい「住宅ローン減税」の基礎知識!
万が一に備えた団体信用生命保険がある
住宅ローンを契約すると、多くの人が団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険は、ローン返済中に万が一のことがあった場合に、残りのローンを一括返済してくれる保険。
残された家族はローン返済無しで、その家に住み続けることができるので、安心です。
宮本:
団体信用生命保険について、詳しくはこちらで解説しています。あわせて、チェックしてみてくださいね。
賃貸に比べて、制約が少ない
賃貸物件に比べて、さまざまな制約が少ないのもマイホームの良いところ。
ご近所さんに配慮する必要はあるかもしれませんが、楽器やペットの制約も少ないでしょう。
また、トイレやキッチン、お風呂などの設備も自分の好きなものを選べるというメリットもありますね。
マイホームのデメリット
マイホームを買うことで得られるメリットは多いものの、事前に把握しておきたいこともあります。
詳しく見ていきましょう!
気軽に引っ越ししづらくなる
家を買うと、その後気軽に引越しがしづらくなります。
仕事で転勤する可能性があると、住宅購入に踏み切りにくいのも事実。
特に、結婚のタイミングとも重なる20代後半から30代の時期は、仕事のスタイルや生活する場所が、定まっていない人も多いはず。
Fさん
マイホームを買った翌年に、転勤の辞令がありました。家族みんなで引っ越すことになり、マイホームも売却します・・・
引っ越しにあたって、マイホームを売却するにしても誰かに貸し出すにしても、希望者が見つかるまでは、ある程度時間を要します。
仕事やライフスタイルをふまえて、いつ家を買うのか、判断が必要そうですね。
維持費、管理費がかかる
マイホームの維持費や管理費はすべて自己負担。例えば、こんな費用がかかります。
〇固定資産税、火災保険・地震保険、エアコンなどの交換
〇一軒家・・・10年単位で、外壁や屋根の防水塗装などのリフォーム費用
〇マンション・・・マンションの管理費・修繕積立金、駐車場代など
賃貸物件に住んでいるとなじみのない費用を、負担に感じることもあるかもしれませんね。
災害への対応
マイホームの場合、火事や台風・洪水、地震など災害リスクには自分自身で備えるが必要があります。
「人生で一番大きな買い物」と言われるように、マイホームは多くの人にとって、資産のうち最も大きな割合を占めるもの。
マイホームを守るための手段として、火災保険や地震保険で万が一に備え、リスクを分散しておくことも大切です。
宮本:
火災保険・地震保険については、こちらで詳しく説明しています。ぜひチェックしてみてください。
老後も住みやすいか
最後に知っておきたいのは、今住みやすい家は老後も住みやすい家ではない可能性がある、という点です。
例えば・・・
年をとって足腰が弱くなると3階建ての家やエレベーターのないマンションは、階段の上り下りだけでもつらくなるかも。
保子:
若い頃にはあまり気にならないことも、年を重ねると不便に感じることも出てきそうですね。
以上、賃貸物件・マイホームそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしました。
夫婦でしっかり話し合って、将来どうしたいか考えらえるといいですね。
次は、住宅タイプ別(マンションと一軒家)のメリット・デメリットを確認していきましょう。
マンションのメリット・デメリット
マンションのメリット
マンションを選んでよかったポイントを見ていきましょう。
管理・セキュリティが安心
マンションの管理は、管理会社がやってくれることが多いもの。
そのため一軒家に比べて管理者がいる点で、安心かもしれません。
セキュリティに関してはこんな声も。
Gさん:
オートロックがあって、防犯性も高くセキュリティ面で安心感があります。
マンションによっては、ごみ出しが24時間OKのところもあり、こういったマンションならではのサービスも魅力です。
耐震・耐久性に優れる
マンションなどの集合住宅は、鉄筋コンクリート造や、免震構造を取り入れている物件が多いよう。
そのため、大きな地震や各種災害時に強さを発揮するかもしれません。
Hさん
マンションは、耐震性・耐久性・耐火性などの面で優れているので、安心して生活できます。
宮本:
マンションは、火災保険や地震保険の料金も低めに設定されているのが、嬉しいポイントです。
立地が好条件
マンションは駅直結、駅近、幹線道路沿いなど立地面で便利な物件が多くあります。
また一軒家に比べて個性的な物件が少ない分、マンションは売却時にも買い手が付きやすいというメリットもあるようです。
共用の設備が豊富
パーティールームやキッズルーム、フィットネスジムなど、共有施設が利用できるマンションも増えています。
エレベーターが完備された段差の少ないマンションなら、老後も階段の上り下りがないので、生活しやすい点もメリットと言えそうですね。
マンションのデメリット
マンションを選ぶ上で気を付けておきたいポイントには、どんなものがあるのでしょうか。
生活音や騒音に要注意
先ほども少しお話ししましたが、マンションは、隣や上下階への生活音などの配慮が必要です。
楽器演奏、子どもやペットの足音など、近所迷惑にならないか気にしなければなりません。
また、立地を重視した結果、夜中も交通量が多く騒音が気になることもあるようです。
エレベーターにも気をつけて
マンションに必須のライフラインとなるエレベーター。
特に高層階に住むと、 通勤時間帯など混雑時にエレベーターの待ち時間が長くて困ったという声も。
また、地震などでエレベーターが使えなくなることもありえます。
Iさん
住んでいるタワーマンションのエレベーターが地震で利用停止に。26階分の階段を上って帰るのに小一時間かかりました。
子ども連れや、高齢で足腰に不安がある人にとって、マンションのエレベーターが使えないのは死活問題と言えそうですね。
このように、マンション特有の困りごともあるので、住む前に把握しておくとよいでしょう。
購入すると修繕積立金や管理費がかかる
マンションは購入すると、住宅ローンのほかに固定費として修繕積立金や管理費がかかります。
修繕積立金は、マンションの区分所有者が負担することが法律で定められています。
外壁塗装やエレベーター、駐車場の修理等、10年ごとに行うような大規模修繕のために使われます。
宮本:
マンションの修繕積立金の相場は、2018年度調査で平均11,243円です。
※国土交通省 平成30年度(2018年度)マンション総合調査結果 P8から抜粋。5年に一度、修繕積立金の平均額が示される。
また、マンションの完成年次別にみると、2010年以降に完成したマンションの修繕積立費は平均8,351円/月。
新しいマンションほど修繕積立金の平均額が低くなることが分かりますね。
※国土交通省 平成30年度(2018年度)マンション総合調査結果 P8から抜粋
宮本:
修繕積立金は、年数が経過するとともに値上げする仕組みを採用するマンションが増えているようです。最初は安くても、徐々に値上がりする可能性もあります。
管理費は、共用部分の光熱費、電球や掃除用具などの消耗品費、管理会社の委託費など日々の暮らしを快適にするためにかかる費用のこと。
このように、住宅ローン以外の固定費が必要になるのがマンションの特徴です。
一軒家のメリット・デメリット
一軒家のメリット
次に、一軒家のメリットを見ていきましょう。
土地も資産になる
土地付き住宅なら、土地も含めて資産になる点がメリットと言えます。
場所によっては、土地の価格が上昇し資産価値が上がることも。
広さを確保でき、リフォームやDIYも自由
一軒家では、広さも確保しやすく収納も豊富。
リフォームやDIYが自由にできるのもポイントです。
強制的な修繕積立金はない
マンションのような修繕積立金の制度は無いので、半強制的な出費は削減出来ます。
宮本:
ただし、一軒家でも10年単位で外壁塗装や水道設備など修繕は必要になります。
コツコツと修繕費を準備しておく必要はありそうです。
その他固定費が削減できる
自宅に駐車場があれば、駐車場代も不要。洗車も自宅でできて経済的です。
このように一軒家は、マンションと比べて
・生活上の制約が少ないこと・修繕積立金のような固定支出を削減できることが、大きなメリットと言えそうです。
一軒家のデメリット
建物の維持・管理は自己責任
一軒家の場合、建物は全て自分自身で維持・管理しなければなりません。
宮本:
たとえば、低地に家を建てると、洪水した時に浸水するリスクが高くなります。どこに家を建てるのか、土地を選ぶタイミングから建物の維持・管理は始まってると言えそうです。
一軒家を買う時には、災害リスクの低い土地を選んで長く住めるように維持・管理することが重要。
また、カバーしきれないものは保険を活用して、リスク分散しましょう。
売却しづらい・・・?
一軒家は、家それぞれに個性があり、構造・間取りや形状・住宅設備等もそれぞれです。
そのため、万が一売却しなければいけなくなった場合に、規格が統一されたマンションと比べて希望者を見つけづらいかもしれません。
宮本:
マンションと比べて、一軒家は売却時に買い手が見つかりにくいと言われています。
将来売却する可能性がある場合は、マンションの方が都合がいいかもしれませんね。
【監修者・執筆】
宮本 亮太朗
ファイナンシャルプランニング技能士2級<主な職歴>
2011年:損害保険会社に入社。
2016年9月~グループ子会社で保険代理店の代表取締役社長に就任。2020年6月まで、大企業~中小企業などの企業向け保険に加え、個人向けの生命保険、火災保険などの損害保険の提案などに従事。「仕事柄、自分自身でも色んな保険に加入しました。現役子育て世代としての視線も交えつつ、経験談から失敗談までリアルな情報をお届けします」
まとめ
いかがでしたか?
賃貸物件もマイホームも、それぞれにメリット・デメリットがあることが分かりましたね。
賃貸物件はライフスタイルや仕事、家庭環境の変化に合わせやすい点がメリット。
デメリットとしては、家賃が発生し続けるので、収入が減る老後の支払いを不安に思うことも。
また、ペットの飼育や楽器の演奏ができない場合もあります。
自分たちにとって何を優先したいか話し合って、物件を選ぶといいですね。
マイホームは、住宅ローンの返済が終わった後は住居費用の支出が減るのでメリット。
一方で、気軽に引越しがしづらくなります。
また、マンション・一戸建てにも、それぞれのメリット・デメリットがあります。
自分たちの希望に合うのは、どんなタイプか夫婦で話し合ってみてくださいね。
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