自分らしいイメージを見つけるために!装花・ブーケの参考になる映画10
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きらびやかな宮殿に美しい庭園!
ロマンチックな舞台に芽生えた密かな恋
A Little Chaos「ヴェルサイユの宮廷庭師(2015)」
PHOTO:AFLO
ヴェルサイユの庭園は圧巻!
実在の天才庭師とのロマンス
装花の参考になる映画として今回おすすめするのは、17世紀のヴェルサイユ宮殿を舞台にした映画「ヴェルサイユの宮廷庭師」です。
これは、造園家アンドレ・ル・ノートルと無名の女性庭師が、ヴェルサイユ宮殿の庭園建設を通して心通わせていくラブストーリーです。
ル・ノートルは、ヴェルサイユ宮殿の庭園建設を担当した実在の人物で、「王の庭園師」と呼ばれていたそうです。
彼が造ったヴェルサイユ宮殿の庭園は「フランス式庭園の最高傑作」と言われています。
ヒロインは「タイタニック」「愛を読むひと」などで有名なケイト・ウィンスレット、ル・ノートルは「リリーのすべて」に出演していたマティアス・スーナールツが演じます。
ラブロマンスとしてはもちろん、女性が活躍するお仕事映画としてもおもしろい作品です。
舞台がヴェルサイユ宮殿ということもあり、絢爛豪華なシーンもたっぷり楽しめますよ。
天才庭師と無名庭師
正反対の2人が造る庭園とは
PHOTO:AFLO
田舎で無名の造園家として働いていたサビーヌ(ケイト・ウィンスレット)のもとに、国王ルイ14世からヴェルサイユ宮殿の庭園建設に参加するよう促す書状が届きました。
さっそく面接を受けに行くサビーヌですが、「無名の女性庭師」ということで同じく書状を受け取った男性庭師たちに好奇の目で見られます。
PHOTO:AFLO
面接官を担当するのは、庭園建設の責任者を務めるル・ノートル(マティアス・スーナールツ)。彼はサビーヌに、「秩序を重んじるか?」と問います。
しかし無秩序と混沌を愛するサビーヌは、秩序を否定。ル・ノートルと意見が真っ二つに分かれ、最悪な空気で面接は終了します。
落ち込みながらも自分の仕事に戻るサビーヌですが、その夜、彼女の家にル・ノートルが訪れます。
そして、「”無秩序”も”混沌”も王の支持と予算の範囲内で」と遠回しに採用を伝え、去っていきました。
サビーヌが任されたのは、野外の舞踏場である「舞踏の間」。
サビーヌの自由な発想と、ル・ノートルの少しの秩序をミックスした設計案を採用し、建設が始まりました。
ある日、サビーヌは十分な水を「舞踏の間」に送ることができる装置を思いつき、ル・ノートルの自宅までやってきます。
彼はサビーヌの案を前向きに受け止め、面接時とはまったく違う和やかな空気が流れます。
しかし、そんな彼らに、ル・ノートルの妻が窓から冷ややかな視線を送っていました…。
開花時期を気にしなくていい
“四季咲きのバラ”が素敵
PHOTO:AFLO
作中、王妃を亡くしたルイ14世が悲しみに暮れ、1人になるために造園家のムッシュ・ド・ラ・カンティニの庭で過ごすシーンがあります。
国王がカツラを取って王妃に思いを馳せているとき、カンティニに用があるサビーヌがやってきます。
サビーヌは王をカンティニだと思い込んで声をかけるのですが、戸惑っていた国王の反応はイマイチ。
困ったサビーヌは、話の糸口としてピンクの”四季咲きのバラ”に触れます。
多くのバラの品種は開花時期が5~6月頃ですが、この四季咲きのバラは、適切に管理をすればいつでも開花する花です。
つまり、結婚式が秋冬であっても、バラを使った装花をあきらめる必要はありません。季節に左右されない四季咲きのバラをぜひ候補に入れてみてくださいね。
愛人を捨てようとした国王に
主人公が返した言葉とは
PHOTO:AFLO
女性は良くも悪くも花にたとえられることがありますが、これに対するサビーヌの返答は爽快なものでした。
王に気に入られたサビーヌは宮殿に招かれます。そして宮殿の女性たちと共に王に謁見する際、サビーヌは宮殿にあったバラを一輪取り、差し出します。
すると王は、その場にいた自身の愛人を「枯れたバラ」にたとえ、切り捨てようとしました。
それに対し、サビーヌは「私たち女性は、バラのようにただきれいに咲くためだけに生きるわけにはいかない」と言い、「たしかに美しく咲き、枯れていく運命ではあるけれど、太陽(王)の愛を望んでいます」と、こちらもバラにたとえて説得したのです。
これには王も感嘆。
PHOTO:AFLO
女性が生きにくい時代にも関わらず、造園家として仕事を持ち、こうして王に臆することなく言い返せるサビーヌは、現代の女性が共感しやすいキャラクターだと思います。
恋愛要素が強いですが、仕事で成功する姿や女性の強さも楽しめる素敵な作品なので、気になった方はぜひご覧くださいね!