すれ違いが多い時、なかなか会えない時に!遠距離恋愛を乗り越える映画10
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恋愛の大事な瞬間が
たくさんつまったドキドキを
思い出させてくれるラブストーリー
Before Sunrise「ビフォア・サンライズ恋人までの距離<ディスタンス>(1995)」
© 2019 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.
永遠に続いてほしいと願ってしまう
奇跡のような一夜
「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離<ディスタンス>」は、列車の中で出会った男女の一夜限りの恋を描いたラブストーリーです。
「それのどこが遠距離恋愛と関係あるの?」と思うかもしれませんが、この映画では男女が恋に落ちていく過程がとてもリアルに描かれています。
大切な人と出会ったときのときめきやドキドキを思い出させてくれる、恋愛において大事な瞬間がたくさんつまっていますよ。
パリへ向かう長距離列車で偶然出会った男女
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フランス人大学生のセリーヌ(ジュリー・デルピー)とアメリカ人のジェシー(イーサン・ホーク)は、ブタペストからパリへ向かう長距離列車の中で偶然出会います。
そのきっかけは列車の中で大ゲンカを始めたドイツ人夫婦に嫌気がさしたセリーヌが、ジェシーの近くの席に移ってきたことから。
ジェシーの誘いによって食堂列車に移動した2人は、何気ない会話を交わすうちに意気投合していきます。
やがてジェシーが降りるウィーンの駅に到着すると、ジェシーは「バカみたいだけど、もし言わないと一生後悔しそうだ。このまま君と話していたい」と言って、セリーヌもここで降りるように誘います。
自分や仕事のことなど
自然な会話でお互いに心を開いていく
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ジェシーがアメリカに帰る朝9時30分の飛行機までの間、一緒に過ごすことになった2人は、ウィーンの街を散策しながら会話を重ねていきます。
その内容は、自分のこと、家族のこと、これまでの恋のこと、社会に対する価値観、生と死に対する見解など、さまざまです。
そして、ときに冗談を交えながらも、自分の言葉で自分の考えを話す2人の知的な会話は、セリーヌとジェシーの姿をより魅力的に見せていきます。
とくに大きな出来事が起こるわけではありませんが、2人が互いを意識し始めていることがよくわかる印象的なシーンがあります。
街にあるレコード店を訪れたセリーヌとジェシーは、ある1枚のレコードを狭い試聴室で一緒に聞くことになります。
そこでの2人の目線の交わし方、外し方にとてもリアリティがあり、恋の予感を秘めた相手との距離感にドキドキさせられると同時に、大切な人と出会ったばかりの頃を思い出す人も多いのではないのでしょうか。
ウィーンの街を歩いた楽しい時間は、そう長くは続かず…
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その後、遊園地を訪れた2人は、観覧車の中でついにキスを交わします。黄昏に沈むウィーンの街を背景にしたキスシーンは、ロマンティックなムード満載でとても美しい。
そこから一気に恋愛モードに入った2人は、夜の教会を訪れたり、ドナウ川沿いを散歩したり、クラブでゲームをしながらビールを飲んだり、とても楽しそうです。
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なかでも、あるカフェで電話ごっこをしながら、自分の思いをさりげなく告げるシーンは、とてもチャーミングで、ここを好きなシーンに挙げる人も多いようです。
しかし、別れの時間は確実にやってきます。夜の公園で会話を交わす2人の姿からは、別れの時間が迫っている寂しさが伝わってきます。
ジェシーの「永遠の別れか、君との結婚を選ぶとしたら…結婚を選ぶ」という言葉に、冗談ではなく本当にそうなってくれと祈らずにはいられません。
ついに別れの時が。2人は半年後に再会を約束する
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朝を迎え、激しいキスをしながら別れを惜しむ2人は、結局、半年後に同じウィーンの駅で会うことを約束します。
互いの連絡先を知らぬまま別れた彼らがその後、どうなるのか…。
それは本作から9年後を描いた続編「ビフォア・サンセット」、そこからさらに9年後を描いた「ビフォア・ミッドナイト」で明かされるので、気になる人はそちらもチェックしてみてください。
本作の最大の特徴は、セリーヌとジェシーが本当に実在しているのではないかと思うほどのリアリティ。
どこか他人のカップルを盗み見しているような感覚もあり、恋愛指南の映画としては最高のテキストとなりそう。
「この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと。相手を思うことが大切」というセリーヌの言葉を胸に、大切な人との関係を見つめれば、遠距離なんてたいした問題じゃないときっと思えるはずです。