結婚が決まったら♥結婚スタイルマガジン

結婚が決まったら「結婚スタイルマガジン」

  • LINE

結婚準備の参考に!ベストウェディング映画30

7

「この人と一緒に年を重ねたい」
結婚相手のことを心底そう思える?

The Wedding Singer「ウェディング・シンガー (1998)」

© MCMXCVIII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

  • LINEで送る

“脇役”だって主役になれる!
80年代の名曲も結婚式ソングの参考に

結婚式の主役といえば1に花嫁、2に新郎。幸せいっぱいのカップルを盛り上げるため、その歓びを出席者と分かち合うため、さまざまな演出が繰り広げられる。

特に歌や音楽は結婚式の演出における重要な要素のひとつで、選曲に頭を悩ませた…という話もよく聞くはず。

欧米での結婚パーティでは、盛り上げ役として“ウェディング・シンガー”が一般的になっている。その名の通り、結婚式で様々な曲を歌ってくれる結婚専門の歌手だ。

常に他人の幸せを祝うために存在している、そんな“脇役”を主人公にした映画が「ウェディング・シンガー」だ。

歌はもちろんだが、失恋の痛みや、幸せになりたいと思う女性が陥りがちな失敗もきっちり描かれており、結婚前のカップルにはまさに“教本”というべき内容。

PHOTO:AFLO

そのストーリーと、ヒロインを演じたドリュー・バリモアのキュートな魅力もあいまって、公開当時には日本でも大ヒットした。

ちなみに映画の製作は1998年だが、時代設定はその時点ですでにちょっと懐かしい1985年。

マドンナやマイケル・ジャクソンの全盛期であり、MTVのブームによってデュラン・デュランなどの英国のヴィジュアル系バンドが大人気だった頃だ。

PHOTO:AFLO

劇中の挿入歌として流れるのは、デヴィッド・ボウイの「China Girl」やビリー・アイドルの「White Wedding」、ポリスの「Every Little Thing She Does Is Magic」などの名曲たち。

結婚式の選曲に迷っている人は、ぜひ参考にしてほしい。式を盛りあげてくれるピッタリのウェディングソングがココにあるかも!
 

経済力やステイタス…
結婚に一番必要な条件って何だろう?

主人公のロビー・ハートは、プロのロック・ミュージシャンを目指しているが、現実は厳しく、結婚式専門のシンガー兼MCとして生計を立てている。

PHOTO:AFLO

それでも恋人リンダとの結婚も決まって幸せなロビーだったが、結婚式当日、花嫁は現れず意気消沈…。

「私が愛しているのは(ロック歌手を目指していた)6年前のロビーなの。ウェディング・シンガーの妻じゃこの町から出られない」と言い残してリンダは去ってしまったのだ。

なんともひどい理由だが、ちょっとだけわからなくもない。

リンダはいわゆるグルーピー体質で、相手のステイタスに価値を見いだしてしまうタイプ。

相手の職業や収入に魅力を感じ、その夫人である自分にも価値があると信じてしまう――こんな女性は多いのでは?

優しすぎる性格が発端?
流されタイプが陥りがちな問題って?

そんな失意のどん底にいた時、ロビーが巡り合うのが、結婚式場でウェイトレスをする心優しいジュリア。

(C) MCMXCVIII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

このジュリアは、強気なリンダと正反対で、「好きだ」「愛している」と言われ続けると、その気になってしまう、いわば“流されタイプ”。

ジュリアにはその頃、グレンという“オレ様”タイプの恋人がいて、結婚が決まったばかり。

PHOTO:AFLO

愛する人との結婚に気分はルンルン……と思いきや、「本当にこの人でいいの?」と悩んでもいた。

式の準備を手伝ってくれないグレンの代わりに、ロビーに相談に乗ってほしいと頼むジュリア。たくさんの時間を過ごすうち、2人は友情以上の感情を持ち始める。

PHOTO:AFLO

と、ここでモンダイになってくるのが、やや優柔不断で“流されタイプ”のジュリアの性格だ。

愛されて結婚した方が幸せ?
好きになった人と結婚した方が幸せ? 

彼女のように、自分が本当は何を求めているのか見定められない状態で、結婚を選んでしまった場合。

相手や周囲のムードに流されるがままに、結婚準備が進んでいくと、本当の気持ちにすら蓋をしてしまう危険性も。

これは心優しい、おとなしめの女性が陥りがちな罠と言えるかも!?

愛されて結婚した方が幸せか? それとも、自分が好きになった人と結婚した方が幸せか?

これは意見の別れるところだが、万一、アナタがマリッジ・ブルーに陥ったなら、それが新生活に対する不安からくるものなのか。

それともジュリアのように婚約者に対して何か気になるところがあるからなのか。一度、考えてみることをオススメしたい。

PHOTO:AFLO

もっともこの映画の場合、グレンがプレイボーイのゲス野郎だと気づいていないのは、ジュリアだけで、相性以前の問題ではあるのだけど…。

ちなみに、ちょっと笑えるのが、ロビーとジュリアがひょんなことで出会った女性が、理想のカップルとして映画監督のウディ・アレンと女優ミア・ファローの名前を挙げること。

80年代には幸せに見えた2人も、この映画が作られた90年代にはウディが養女と恋仲になるという大スキャンダルの末に、別れてしまった。

その騒動を踏まえた上で、このセリフを言わせているから面白い。カップルの相性というのは、外から見ただけではわからないということだ。

“相手と一緒に年を取りたい”
そう思えたら、ピッタリの相手…?

 PHOTO:AFLO

さて、モヤモヤしっ放しのロビーとジュリアの関係だが、ようやくグレンが遊び人だということに気付いたロビー。

彼女を幸せに出来るのは誠実な愛だと分かってはいても、ジュリアの気持ちを考えすぎて、告白できない。

ジュリアは自分のような場末のシンガーよりも、ビジネスマンであるグレンと結婚したほうが幸せになれる、と思い込んでいるからだ。

そんな時、ロビーの頭に浮かぶのは、かつてジュリアが言ったこの言葉。

「一緒に老いていく姿をイメージするの」

式のためにラスベガスへ向かったジュリアを追いかけ、空港へと急ぐロビー。果たして、飛行機に飛び乗った彼は、どうやって花婿からジュリアを奪うのか…?

PHOTO:AFLO

どんな方法でロビーがジュリアを奪うのかは映画を観てのお楽しみだが、このジュリアの言葉は結婚を控えた人ならきっと共感できるはず。

相手のおじいちゃん、おばあちゃんになった姿が見たいと自然に思えるのは、運命の人だという証拠。

結婚式という最高のパーティで、本当の主役になるために必要なのは何なのか? 

それはドレスでも、指輪でも、歌でもない。誠実な愛と、それを見極める目なのだということ。それを「ウェディング・シンガー」は笑いとともに教えてくれる。

(石津文子)

結婚映画ランキング TOP