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結婚準備の参考に!ベストウェディング映画30

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花婿の手綱は握るべきか?
それとも放し飼いにするべきか?

The Hangover「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009)」

© 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

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バチェラーパーティーは
男性が主役の結婚イベント

結婚式というとやっぱり花嫁が主役。これは男性側からしてもまったく異論のない話だろう。

男性たちだって美しく幸せな式にしたいと思っているし、花嫁が最高にキレイに見えることを心から願っている。

中には準備を花嫁に任せきりにする男もいるが、協力したい気持ちはあるはず。それが感じられないとしたら、十中八九「なにをどうしていいか」がわからず途方に暮れているのだ。

結婚式は花嫁のものだから、と言い訳したいわけではないのだが、男たちは結婚前に男同士で騒ぐ。男同士でバカ騒ぎをする。

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

特にアメリカではそれが文化として定着しており、バチェラーパーティー、いわゆる結婚さよならパーティーを男だけで開催することが慣例になっているのは有名な話だろう。

「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」は、そんなバチェラーパーティーで享楽の街ラスベガスに繰り出した男どもの珍騒動を描いたコメディ映画だ。

誘惑だらけのラスベガスで
肝心の花婿が行方不明に!

花嫁トレーシーとの結婚式を2日後に控えたダグは、大学時代からの親友フィルとスチュと一緒にバチェラーパーティーで騒ごうとラスベガスを目指す。

旧友3人水入らず、の予定だったが、急遽参加することになったのがトレーシーの弟アラン。情緒不安定で筋金入りの問題児だが、これから義弟になるからとダグが誘ってやったのだ。

向かったのはラスベガスの名門カジノホテル、シーザーズパレス。高級スイートを借りきって、ダグの前途を祝して乾杯。夜の街へと繰り出した4人だったが……。

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

翌朝目覚めてみるとなぜか高級スイートの部屋は荒れ放題。ニワトリが駆けまわり、クローゼットには見知らぬ赤ん坊、そしてバスルームには生きた虎が!!

さらに花婿のダグがいない! どこを探しても見つからない。昨夜なにがあったのかも、二日酔いがひどくて誰一人思い出せないのだ……。

おぼろげな記憶とヒントをたどり、絶対に結婚式までにダグを連れ帰りたい3人が捜索を開始するのだが、事態は雪だるま式に悪化していくばかり。

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

同性しかいない場所での
男という動物の生態観察

結婚を控えた女性たちが、このドタバタコメディから何が学べるかって、ひとえに「男たちがつるむとどれだけバカなのか」ということに尽きる。

日本とアメリカでは事情が違うので、映画みたいに酒で酔っ払ってクスリでブッ飛んで、ストリップ小屋に繰り出したあげくギャングに追われるなんてことはないだろう。

PHOTO:AFLO

しかし、調子に乗った男たちがどんなバカげたことをしでかすかの実像については、本作は荒唐無稽でありながらとんでもなくリアルなのだ。

朝起きたら、見知らぬ
ストリッパーと結婚済み!?

中でも“バカな男チャンピオン”と呼びたいのが一見マジメな歯科医のスチュだ。

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

酔って浮かれ騒いだスチュは、挑発に乗ってペンチで自分の前歯を抜いてしまうし、その晩に会ったばかりの子持ちストリッパーと意気投合して結婚式まで上げてしまう。

実際、ラスベガスはドライブスルーの結婚式場があるくらい、誰もが簡単に結婚できる街として有名。ブリトニー・スピアーズも酔った勢いで幼なじみと結婚して、すぐに撤回したことがある。

とはいえスチュには結婚を決めた恋人がいるのだから困る。困りすぎる!

結婚したことも翌朝にはまったく覚えておらず、祖母から譲り受けた指輪をストリッパーがハメているのを見て驚く姿が可笑しい。

本作の中心となる花婿と花嫁はダグとトレーシーだが、結婚にまつわる教訓を与えてくれるのはスチュかも知れない。

PHOTO:AFLO

スチュは、同棲中の恋人にラスベガスに遊びに来ていると言えないでいる。男同士がつるんでベガスで遊ぶだなんて愚の骨頂だと、恋人にはバレバレだから。

その代わりにナパバレーのワイナリーで、ワインの試飲めぐりをしているとウソを付いている。スチュはまったく恋人にアタマが上がらないのだ。

PHOTO:AFLO

男はどれだけバカなのか
結婚前に知っておこう!

では、女性たちは男たちがつるむことにどう接すればいいのか? 放っておいたら家庭をないがしろにする。かと言って禁止すると人間関係にも夫婦関係にもヒビが入る。

これはただのゴシップネタだが、過去にベン・アフレックがジェニファー・ロペスと婚約していた時(後に破棄)、ロペスはアフレックが親友のマット・デイモンと会うのを嫌がったとか。

女性が「どっちが大切なの?」と怒った時は「そんなこと言わせてごめんね」がベストアンサーなんだそうだが、怒る前につるんだ男たちがどれだけバカな生き物なのかを観察できるのが「ハングオーバー!」なのである。

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.

映画はロクでもない大失敗と大間違いのオンパレード。これで「ホラ、男ってバカでかわいいでしょ?」と理解を求めるのは男性側の甘えでしかないのは男性側も百も承知。

とはいえ、散々バカ騒ぎに明け暮れて、一歩間違えば死ぬような目にあっていたダグがようやく結婚式に間に合った時、ダグはトレーシーに「こんな思いは2度とさせないから」と約束する。

“男同士のバカ騒ぎはこれで卒業。これからは君と一緒に生きてくよ”。映画の90%以上を占める荒唐無稽なギャグの洪水、そんな決意に至るまでの心の旅でもあるのだ。

PHOTO:AFLO

いや、でも男たちの絆は強い。「ハングオーバー!」の続編はスチュの結婚式が舞台だし、三作目ではアランにも恋人ができる。同じ失敗を繰り返す可能性は無限に広がっているのだから始末が悪い。

それでもこのシリーズは、男たちがバカ騒ぎと決別することが裏テーマになっている。夫婦として生きていく上で、相手に何を許して何を戒めるべきか。そんなヒントが眠っているはずなので、花嫁たちには眉をしかめながら観ていただきたいです!

(村山章)

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