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結婚準備の参考に!ベストウェディング映画30

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女の子なら誰もが憧れる、
“ロイヤル・ウェディング流”婚活

The Princess Diaries 2: Royal Engagement「プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング(2004)」

PHOTO:AFLO

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恋もせずに結婚するお見合いは
果たして、あり? なし?

グレース・ケリー、雅子さま、ダイアナ妃、近年ではキャサリン妃など、いつの時代も、世界中の女性たちの憧れの的であるロイヤル・ウェディング。

伝統や作法を重んじ、贅をつくした式は華やかでありながら、洗練されている、まさに究極の理想の結婚式だ。

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そのおとぎ話のような世界観を、映画で表現したのが「プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング」。

主演は公私ともに絶好調の人気女優アン・ハサウェイ。「プリティ・プリンセス」シリーズは、まだ初々しかった頃の彼女の代表作だ。

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この物語の主人公は、どこにでもいる平凡な女の子・ミア。アメリカの名門大学を卒業後、亡き父の故国ジェノヴィアに移り住んだ場面から物語は始まる。

シリーズ前作で自分が国の王位継承者であることを知ったミアは、女王になると決意を固めていたが、未婚の女性は即位できないことが判明! 女王になるため、ミアは30日以内に結婚しなければならなくなった。

21歳のミアは「まだ恋もしていないのに、結婚なんて」と二の足を踏むが、現女王で祖母の「自分はお見合い結婚だったが、幸せだった」という話を聞き、心を決める。かくして、プリンセスの“婚活”が始まった――。

思わず舞いあがっちゃう!
完璧な相手からの完璧なプロポーズ

祖母が掲げたミアの結婚相手の条件は、「心が広くて、賢くて傲慢でない、思いやりのある人」。

爵位のある男性たちの資料が集められ、ふるいにかけられていく。必要条件をすべてクリアし、見た目も合格ラインだったのが、アンドリュー・ジャコビー公爵だった。

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祖母、親友、屋敷のメイド、さらにはテレビクルーまでが見守るなか、ミアとアンドリューは海岸を散歩し、バドミントンに興じるなど、公開デートで急接近。

気の合う2人はすぐさま仲良くなり、国の象徴の木である有名な洋ナシの木陰で、ミアはアンドリューにプロポーズをされる。

「僕のひいおばあ様の婚約指輪だ。57年間幸せな結婚生活を送ったから、僕らのお守りになると思って」

そう言って大粒のダイヤが輝く指輪を、アンドリューはミアの左手の薬指にはめた。

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地位があって、スマートで、優しい。そんな理想的な男性から完璧なプロポーズを受けたら、たとえそれが出会ったばかりの相手だとしても、女性ならば嬉しくないはずがない。

ミアも例に漏れず、2つ返事でプロポーズをOK。1週間で婚約を発表し、世界中の注目を集めることになる。

しかし、ホッとしたのも束の間。楽曲やテーブルセッティングのチョイスなど、ただでさえ準備することが多い結婚式。さらに、女王になるための修行も課せられる。

結婚式を前に慌ただしい日々を送るなか、次第に不安になっていくミア。アンドリューとは気が合うけれど、ときめきはない。本当にこの相手でいいのだろうか?ミアの心に迷いがよぎる……。

結婚式直前、別の人にときめいてしまう
これがマリッジブルー!?

いくら次期女王の座に就いたミアでも、中身は平凡な1人の女の子。マリッジブルーは、当然やってくるのだ。

PHOTO:AFLO

そんなミアを、さらに悩ます存在がいた。もう1人の王位継承者、ニコラス・デヴロー卿である。ケンブリッジ大卒で、料理の達人。ラグビーとポロの選手でもある、モテ男だ。

最初は王位を巡り衝突していたミアとニコラスだったが、ハンサムでロマンティックな彼にミアは心惹かれていく。

一方、ミアから王位を奪うためアンドリューとの婚約を破談にしようと近づいてきたニコラスもまた、ミアの心の美しさを知り、好意を持ち始める。

しかし一国の女王になる者として、結婚前の醜聞はもちろんご法度。

そんなことはわかっていながらも、意識すればするほど気になってしまうのが、乙女心。背徳感があればあるほど、燃え上がってしまうのが禁断の恋というものだ。

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そんな2人に、事件は起こる。結婚式を数日後に控えたある夜、ニコラスがミアを屋敷の外に誘い出しにやって来たのだ。

「本当は彼のことをもっと知りたい……」。その衝動に従い、ニコラスとの束の間のデートにときめくミア。だが、その場面をパパラッチに撮られてしまい、結果大スキャンダルに!

ミアの身勝手な行動に動揺する婚約者のアンドリューだったが、「君が僕を選んだ。僕はそれを受けた。紳士は約束を破らない」と断言。式は決行されることになる。

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そして結婚式当日。聖歌隊の歌声が響く教会で、最初に姿を見せたのはピンクのドレスに身を包んだブライズメイドたち。

続いて、産まれたばかりの弟がリングピローを抱えて登場。

最後に、上品なレースをあしらったヴェールとドレスの花嫁衣裳を来たミアが、フラワーシャワーが舞うバージンロードに現れる。

それは、小ぢんまりとしているが心温まる、まさに理想的なロイヤル・ウェディングだった。しかし皆が見守るなか、ミアが下した決断は……。

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いまどきはお姫様だって
「結婚=めでたし、めでたし」では終わらない 

これから結婚しようという娘に母親が送った「結婚は2人が素顔のままでいること」という言葉がズシンと心に響く。

この言葉によって、ミアは「これからの長い年月、自分を偽ることはできない」と悟ったのだろう。

シンプルでいて、結婚生活の先輩である母でなければ言えない、実に重みのあるメッセージである。

タイトルに違わずしっかりロイヤル・ウェディングを描きながらも、「結婚=めでたし、めでたし」で終わらないのが、さすが長年ウェディング映画として愛されてきた所以か。

ただのラブコメと侮るなかれ。プリンセスとしての誇りと、ふつうの女の子としての恋心の間で揺れ動くミアの心境は、現代社会で平凡に生きる私たちでも大いに共感できる。

PHOTO:AFLO

113分のなかに、婚活、婚約、マリッジブルー、バチェロレッテ・パーティー(結婚前夜に開かれる独身最後の宴)、結婚式までがきちんと描かれ、面白おかしく観ながらも、結婚を控える女性ならば、必ずハッとさせられる瞬間のある1作だ。
 

(髙山亜紀)

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