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遠慮なし、容赦なしの
口撃バトル！ 熾烈なケンカを
繰り返す二人の仲直りステップ

激しいケンカをしてしまった二人へ。仲直りの突破口を教えてくれる必見作

結婚準備中のカップルには、まだ初々しさの残る恋愛期間の短い二人もいれば、長い付き合いで相手のことをよく理解しているカップルもいますよね。
 
後者の場合は、気楽な間柄になる反面、遠慮や気遣いが薄れ、ケンカも本音丸出しの激しいバトルになりがち。
 
互いに一歩も引かず、意地を張り合い、長期戦…となってしまった時には、この「世界にひとつのプレイブック」を観て、仲直りの突破口を探ってみましょう。
 
本作は、アカデミー賞8部門ノミネートという快挙を成し遂げた作品で、心のバランスを崩した男女がぶつかり合いながらも新たな愛を見つけるまでを描いています。
 
なぜこの映画が激しいケンカをしたカップルにおすすめかと言えば、この”ぶつかり合い”の部分がみそ。
 
主人公二人の口論が何度も勃発するのですが、心が不安定な彼らは感情をオブラートに包むことができず、グサ～ッ！と突き刺さるようなイタイ言葉でやり合ってしまうんです。
 
遠慮も躊躇もまるでない”ド”ストレートなケンカっぷりはまるで熟年カップルのようで、その状態からどうやって距離を縮めていくのか･･･？映画を観ながら、じっくりとお楽しみくださいね。
 
ややもすれば重くなりがちな題材を、笑いの要素たっぷりにハートウォーミングに描いていますので、スッキリと爽やかな後味。
 
鑑賞後はきっと、彼と仲直りしてみようと前向きな気持ちになっていると思いますよ♪

愛する人を失い心のバランスを崩した二人。似た者同士のケンカは手加減なし！！

PHOTO:AFLO

高校教師のパトリック（ブラッドリー・クーパー）は、自宅で妻の浮気を目撃したことをきっかけに躁うつ病を発症。
 
浮気相手に暴行を加え、家庭も仕事も失ったパットは、接近禁止令が出されているにも関わらずなんとか妻とよりを戻そうと、ワークアウトに励んで前向きになろうとしていました。
 
ある日、パットは元妻と共通の友人宅のパーティーで、近所に住む若くて魅力的なティファニー（ジェニファー・ローレンス）と出会います。

PHOTO:AFLO

彼女も夫を亡くしたことをきっかけに心のバランスを崩し、セラピーに通っていました。
 
パーティーの帰り道、突然ベッドに誘うティファニーにパットは仰天。「結婚している」と断るとビンタされ、出会いは最悪のものに。
 
翌日、ランニング中のパットの前に突如ティファニーが現れ、友達になりたいと訴えます。
 
ティファニーが元妻と交流があると知ったパットは、ティファニーを通して元妻とコンタクトを取ろうと画策。
 
ティファニーを食事に誘い、元妻へ手紙を渡すように頼みますが、その席でティファニーが夫の死のショックで会社中の人間と寝たことを打ち明けられます。

PHOTO:AFLO

しかし、心を開いたティファニーをパットは変態とバカにし、またもや二人は激しく衝突。
 
手紙を渡さないこととなりますが、元妻との結婚式ソングに心を乱すパットをティファニーが介抱したり、ティファニーにしつこくつきまとう男をパットが追い払ったりなどの出来事を通し、二人は少しずつ心を通わせていきます。
 
仲直りした二人は再度手紙を元妻に渡す約束を取り交わしますが、ダンスが得意なティファニーは手紙を渡す代わりにダンスコンテストに一緒に出場することをパットに要求。
 
ダンス未経験のパットは戸惑いつつも、ティファニーと一緒に猛特訓に挑むことに。

仲直りのステップその①
「心を落ち着かせること」

PHOTO:AFLO

パットとティファニーは共に心が不安定で、辛い経験から何とか立ち直ろうともがき苦しんでいる最中です。
 
投薬治療中の仲間として一種の連帯意識もあり、相手の心の弱さを敏感に感じ取ってもいます。
 
となれば、普通は互いに寄り添い、心の傷を癒し合ってもいいところなのですが、そうはいかないのがこの二人。
 
互いに思ったことには一直線で、強情、意地っ張りな似た者同士の一面も手伝って、心の傷を敢えてエグるような熾烈な言葉を浴びせ合います。
 
例えば、パットはティファニーに
 
「尻軽」
 
と言い、そんなパットにティファニーは
 
「尻軽だったのは昔よ。でもそれが今の私を作ったの。過去を含めて自分が好きよ。あなたに同じことが言える？過去を受け入れたら？」
 
と、きついカウンター！
 
このように互いに一歩も引かないケンカが続くのですが、この二人が距離を縮めるきっかけとなるのが「ダンス」です。

PHOTO:AFLO

ダンスコンテストへの出場という同じ夢を追いかけ、それに向かって協力して共に汗を流していく過程で、自分の素直な気持ちに気付いていきます。
 
「ダンス」というキーワードは、体を動かして状況を変えようとするパットとティファニーにピッタリでしたが、ダンス以外に二人が協力してできるものであれば何でもいいと思います。
 
ケンカしていたことはちょっと置いといて、二人で無心になってダンスに没頭する。
 
すると、自然と心が落ち着き、相手の存在を近くに感じながら自分の本心にも気付きやすくなるのですね。
 
仲直りの最初のステップは、カッとなった心を落ち着かせること。
 
まずは、彼と一緒にできることに誘ってみてはいかがでしょうか？

仲直りのステップその②
「手紙で素直な心を打ち明ける」

PHOTO:AFLO

自分の素直な気持ちに気付けば、次はそれを伝えることが大切です。
 
ですが、意地っ張りな二人の場合は口ではなかなか言いづらいもの。
 
そんな時には、劇中でも効果的に使われる「手紙」で伝えるのがおすすめです。
 
顔を見るとケンカしてしまう、素直になれない場合でも手紙なら冷静な気持ちのまま書けますし、照れくさいほどの心の内側までじっくりと伝えることができます。
 
そして何より思い出として残せるので、結婚後にケンカしても読み返して優しい気持ちになることもできますね。
 
映画の最後でパットはティファニーに手紙を渡し、目の前で読むように促すのですが、結局はパットが暗唱してしまう…というとてもロマンチックなシーンが登場。
 
そのシンプルで素直な文面を参考に、彼にストレートな思いを伝えればきっとすぐに仲直りできると思いますよ。

PHOTO:AFLO

主役のブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス以外に、ロバート・デ・ニーロやジャッキー・ウィーヴァーなどの演技巧者が脇を固め、アカデミー賞の全演技部門にノミネートされた本作。
 
名優たちの涙あり笑いありのリアルな演技が温かな感動を誘い、特にサイドストーリーとして描かれるロバート・デ・ニーロとブラッドリー・クーパーの親子の絆はグッと胸に迫るものがあります。
 
どんな関係でも素直になることの大切さを教えてくれる本作で、アナタと彼の絆をよりいっそう深めてくださいね。

（木村みずほ）