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結婚準備中だって喧嘩をすることも仲直りのヒントになる映画10

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記憶を消去した二人の
恋の行く末は?
ベスト・オブ・仲直りムービー!!

Eternal Sunshine of the Spotless Mind「エターナル・サンシャイン(2004)」

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怒りが頂点に達した時にこそ観て欲しい、アカデミー賞に輝いた奇想天外な恋物語

結婚準備中はラブラブかと思いきや、意外とケンカが多いものですよね。
 
これから一生一緒に過ごすと思うとちょっとしたことでも不安になりやすく、ケンカに発展しやすいのかもしれません。
 
でも、そんな些細なケンカも徐々にエスカレートして「もう、顔も見たくない!」とまで泥沼化してしまった時には、この「エターナル・サンシャイン」を観てクールダウンを。
 
本作の主人公は、ケンカした後に彼女に自分の記憶を消去されてしまった男性。哀しみと怒りを爆発させた彼は、同じく彼女の記憶を消去してしまう・・・というお話です。
 
記憶除去装置で相手を自分の人生から消すという、「そこまでしなくても・・・」という大ゲンカをする二人ですが、彼らの過去の思い出には共感できる部分がいっぱい。
 
自分たちを重ね合わせながら観ていると、彼らが最後に選ぶ一つの答えにアナタと彼が仲直りするヒントをきっと見つけられると思います。
 
アカデミー賞脚本賞にも輝いたこの素敵なラブストーリーは何度も観たくなる仕掛けがありますので、まずは一人で、次に彼と一緒に観て、二人で優しい気持ちになってくださいね。

彼女と同じく記憶除去手術を受ける彼。その術中に見つけた「消したくない過去」


PHOTO:AFLO

心配性で内向的なジョエル(ジム・キャリー)と積極的で衝動的なクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)は、交際2年の正反対カップル。
 
バレンタイン直前に派手なケンカをしてしまった二人は、仲直りしようとしたジョエルがクレメンタインに会いに行きますが、彼女の反応は赤の他人のようでした。


PHOTO:AFLO

ショックを受けたジョエルは、友達夫婦からクレメンタインが記憶除去手術を受けてジョエルの記憶を消したことを知らされます。
 
あまりの仕打ちに号泣するジョエルでしたが、自分もクレメンタインの記憶を消すことを決意。
 
クレメンタインが手術を受けたラクーナ社を訪れ、記憶除去手術を受けることを申し込みます。
 
その夜、薬で深い眠りについたジョエルの元に技師のスタン(マーク・ラファロ)とパトリック(イライジャ・ウッド)が訪れ、一晩かけてクレメンタインに関する記憶を消していく作業を開始。


PHOTO:AFLO

眠りながらクレメンタインの記憶を近い順に掘り起こして行くジョエルは、ケンカ別れした日から、小さな諍いが耐えない倦怠期を思い出し、そして、愛に満ちた幸せな日々を思い出します。
 
氷の上に二人で寝転がりながら死んでもいいと思えるほどの幸せを感じたことを思い出したジョエルは、「この記憶だけは消したくない!」と手術の中止を求め、夢の中で必死の抵抗を試みることに。
 
しかし、作業は進み、手術は完了。クレメンタインに関する一切の記憶が消えた朝を迎えます・・・。

ケンカの原因となった彼との“違い”。でも過去にはその違いこそが輝いていた


PHOTO:AFLO

価値観の違い、結婚観の違い、生活習慣の違い。ケンカの原因は様々で、二人の違いがぶつかり合って衝突してしまいますよね。
 
「なんでそうなの?」「もっとこうしてよ!」とはどのカップルのケンカでもよく聞かれることで、本作のジョエルとクレメンタインの場合もそう。
 
ジョエルが夢の中で思い出す二人の最近の過去は、石鹸についた毛を取らないジョエルへの文句や子供が欲しいというクレメンタインに渋るジョエル、言葉で愛を共有したいクレメンタインに対し面倒臭がるジョエルなど、二人の違いが原因でぶつかり合う記憶ばかりです。
 
特に元々の性格が正反対な二人なので衝突の種は日常にゴロゴロあり、次第に言葉数も少なくなる倦怠期に入るように。
 
ですが、もっと昔の過去を掘り起こしていくと、相手のすべてが愛しくて毎日が笑いと愛に満ちていて、相手と自分の”違い”にこそ惚れたという事実をジョエルは思い出していきます。


PHOTO:AFLO

確かに、ケンカをしている時は相手のイヤなところばかりが目に付いてしまいますよね。
 
いつもは軽く許せるところも全部が腹立たしくなったり、ずっと前から気に入らないと思っていた気になったり。
 
でも、アナタと彼の恋愛期間をじっくり振り返ってみると、決してイヤな思い出ばかりではないはず。
 
ぶつかる時も倦怠期も必ずあるけれど、見方を変えて振り返ってみれば、今イヤに思うところを好きになった過去も必ずあります。
 
現在も過去もすべてがアナタと彼のストーリーなのだと思えれば、今のケンカも大きな流れの通過点だと、ちょっと気持ちを楽にして考えられるようになるのではないでしょうか。

恋人達にとって大切でやっかいな「記憶」。その記憶よりも大事にしたいものとは?


PHOTO:AFLO

本作の大きなテーマは「記憶」です。恋人達にとって記憶とは、とても大切なものである一方、少々やっかいなもの。
 
ケンカも単発ならいいのですが、同じケンカを繰り返すと「“また”、なんでそうなの?」と怒りが倍増されてしまいますね。
 
そして、それは未来にも影響し、「また同じケンカを繰り返すのでは?」と不安にもなってしまいます。
 
「忘却はよりよき前進を生む」とは、劇中によく出てくる印象的なフレーズです。
 
ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?


PHOTO:AFLO

劇中では肯定的に使われるこの言葉ですが、ジョエルとクレメンタインが最後に選ぶ答えは、必ずしも言葉通りのものではありません。
 
これこそが本作の脚本の素晴らしいポイントなのですが、とても素敵なシーンなので、ご自身の目でじっくりと確かめてくださいね。
 
シンプルな言葉に込められたジョエルの決意とクレメンタインの返事には、恋愛は頭でするものではないということ、言葉や記憶ではなく“
心”で感じるものだと教えてくれます。
 
そして、愛は瞬間ではなく、良い時も悪い時も経験しながら、育んでいくものだということも。
 
ぜひ、この映画を観た後に彼と会って、その時にアナタの心がどう動くのかを感じてみてください。その動いた心の先にこそ、アナタの幸せがあるのだと思います。
 
最後に、冒頭でこの映画は何度も観たくなる仕掛けがあると述べましたが、それは時系列がバラバラなため。
 
過去と現実を行ったり来たりしますので、初見では少々難解かもしれませんが、クレメンタインの髪の色にご注目ください。

PHOTO:AFLO

出会い→緑、ラブラブ→赤~オレンジ、別れ→ピンク、現在→青と髪色が変化していますので、これに注意して観れば整理して理解できると思います。
 
この時間軸の流れがわかった上で2度目を観ると、細かな設定や役者の演技の意味がもっとよくわかり、より深く味わえますよ。
 
コミカルな要素を封印し憂いのある男前を完璧に演じきったジム・キャリー、余りの美しさに目が釘づけになるケイト・ウィンスレット、そしてまるで本当に夢の中にいるような摩訶不思議な世界観なども素晴らしいので、二人でゆったりとお楽しみください♪

(木村みずほ)

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