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ふたりのおうちを素敵にするヒントが続々!新居探しの参考になる映画10

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必要最低限の“モノ”だけで
“シンプル”に暮らしていくには?

My Stuff「365日のシンプルライフ(2013)」

PHOTO:AFLO

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2人の新生活に必要な物を
見直すヒントになる映画

PHOTO:AFLO

インテリアや生活スタイルに興味のある人であれば、“ミニマリスト”という言葉を耳にした方も多いのではないでしょか。 “ミニマリスト”とは、自分の生活に必要な最低限の“モノ”だけで暮らす人のことを指します。
 
メディアで“ミニマリスト”が取り上げられるようになったこともあり、シンプルで暮らしやすいライフスタイルを求めて、 “断捨離”を考える人が増えたように思います。
 
これに関して、結婚準備に向かおうとしている人たちからすると、「それは結婚(共同生活)が長く続いているからこそ、整理が必要なんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。ですが、意外と自分の部屋を見回してみると、「これって必要なの?」という“モノ”があったりしませんか? 
 
日々生活していれば、「これって便利だよね」「これもいるよね」と、“モノ”が増えていくばかり。ですが、それは自分にとって本当に必要な“モノ”なのでしょうか。
 
そういった“モノ”に対する見直しや、“ミニマリスト”としての生活にヒントをくれそうなのが、映画「365日のシンプルライフ」です。

恋人との別れを機にスタート
した

“ミニマニリスト”生活

PHOTO:AFLO

主人公のペトリ・ルーッカイネンは、フィランド・ヘルシンキ在住の26歳の青年。17歳からTVCMやミュージック・ビデオを作り始め、フィンランド国営放送のドキュメンタリー制作にディレクター・撮影監督・編集として携わっている才英です。
 
その彼が恋人にフラれてから始めた「すべての所有物を倉庫に預け、取り出すのは1日に1つだけ」というルールに基づいて行った、半年間の実験生活を映像に収めたのが、このドキュメンタリー映画です。
 
1日目。すべての所有物を倉庫に預けた彼の部屋には、それこそ何もありません。
 
部屋に何もないばかりか、雪が降りしきる極寒のヘルシンキで、彼は全裸。まさか下着まで倉庫に預けているとは思わないので、観ていて驚くばかりです。
 
でも、さすがに彼もヘルシンキの夜の寒さには耐えられなかったのでしょう。最初に倉庫から取り出したのはコート。この時点でも、下着や洋服は倉庫の中…。コートの下は真っ裸というのが、映画的なのか、やせ我慢なのか。
 
普通に考えたら、いくら恋人にフラれて傷ついたとしても、ここまで自分で決めたルールを厳守して生活し、しかもそれを自分が監督・脚本・主演する映画を作り上げるまでの精神力は、並大抵のものではないと思います。
 
だからこそ、ドキュメンタリー映画として成立しているところもあるのですが、「365日のシンプルライフ」で描かれるのは、ペトリの“ある意味”行き過ぎた(!?)ミニマリスト生活だけではありません。

大切な家族に心配されながらも
行き過ぎた“実験生活”を続ける

PHOTO:AFLO

シンプル生活を始めたペトリは、あるときに尊敬しているという祖母の家を訪ねます。
 
そこで彼が祖母に言うのが「僕の部屋にはモノが多すぎると思う」ということ。
 
それに対して「戦争直後は物資がとても少なかったの。みんな、ほとんど何も持っていなかった。何が本当に必要かは自分で決めないとね」と答える祖母。
 
ペトリが「おばあちゃんが本当に大切なものを残すとしたら?」と聞くと、「私は主婦だから冷蔵庫ね。近頃は必需品だもの」と笑顔で答える祖母の顔は、しわとしわの間に苦労がにじんでいながらも、きっと家族に恵まれ、幸せな人生を送ってきたんだろなと思わせてくれます。
 
それは、ペトリに対する弟や母親の対応にも表れています。おそらく誰の目から見ても、普通のことではないペトロの“実験生活”に対して、弟も母親も「理解できない」と語ります。
 
それでも兄が困っているのではないかと思って食料を持ってきてくれる弟、文句を言いつつも心配して部屋を訪れる母親。ペトロがこういった生活を続けていても案じてくれる家族がいるのは、きっとペトロがこれまで家族を大切にしてきたからなのでしょう。
 
とはいえ、いくら“ミニマリスト”を目指してもやりすぎには注意が必要。もちろん、パートナー同士が認め合っていれば問題はないと思いますが……。

スウェーデン映画ならではの
こだわりも詰まった

365日後の部屋の仕上がりにも
注目!

PHOTO:AFLO

それこそ「365日後のシンプルライフ」で描かれるのは、最初こそ本当に“やりすぎ”なくらいの“ミニマリスト”生活ですが、そこは北欧のスウェーデン映画。ペトロが365日をかけて倉庫から荷物を運び出すにつれ、どんどんオシャレな部屋に仕上がっていくのはさすがです。
 
そして、自分に必要なものを見極める力は、彼の“実験生活”のたまものではあるのですが、そこには「多くのものを求めすぎない」祖母の生きざまが影響していると思います。
 
今はインターネットで1クリックすれば、何でも手に入る時代。だからこそ、この映画は、自分にとって「本当に必要な“モノ”とは何か」を見極めるのには、いいお手本になると思います。もちろん、ペトロのように“やりすぎ”なところがなければ、話ですが(笑)。
 
「IKEA」を生んだスウェーデンの映画というのも注目ポイントとなっています。

(馬場英美)

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