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突然はじまった問題だらけの疑似家族
新米パパママが子育てに奮闘するラブコメ

K・ハイグル×Ｊ・デュアメル競演
子育ての大変さと幸せを丁寧に描く

PHOTO：AFLO

今回ご紹介する家族のカタチは、突然、血の繋がらない1歳の子供のパパとママになった男女のお話。
 
相性最悪な相手と初めての育児に奮闘しながら、自分たちらしい家族のカタチや今まで知らなかった幸せを見つけていく様子がコミカルに描かれています。
 
突飛な設定ながらも予想を裏切らないほっこりとしたラブストーリーですが、美談に終わらず、子育て時に直面する苦労や難題をリアルに描いていて、育児映画としても見応え十分。
 
子育ての悲喜こもごもを実体験しているような感覚が味わえるので、将来子供が欲しいなと思っている方も迷っている方も、ぜひご覧ください！

突然、親友夫婦の遺児のパパとママに！相性最悪な相手と初の育児をするはめに

PHOTO：AFLO

2007年、アトランタ。親友のピーター（ヘイズ・マッカーサー）とアリソン（クリスティーナ・ヘンドリックス）に勧められ、デートをすることになったホリー（キャサリン・ハイグル）とエリック・メッサ―（ジョシュ・デュアメル）。
 
ですが、完璧主義で計画的なホリーとルーズで適当なメッサ―は水と油。デート前にケンカ別れし、互いの第一印象は最悪なものとなりました。
 
そんなある日、結婚して一人娘のソフィーをもうけたピーターとアリソンが交通事故で亡くなってしまいます。
 
深い悲しみに暮れるなか、彼らの遺言書にソフィーの後見人としてホリーとメッサ―が指名されていたので、2人はビックリ！
 
キャリアも順調で夢も将来設計もあるなか、大嫌いな相手との初めての子育てなんて……と困惑します。
 
ですが、亡き親友の忘れ形見を放っておくことはできず、しぶしぶ同居を開始して、慣れない育児に向き合いますが……。

初の育児に四苦八苦！
子育ては想像を絶する大変さ

PHOTO：AFLO

亡き親友の遺志に応えようとソフィーを引き取ったホリーとメッサ―ですが、初めての育児はトラブルだらけ！
 
おむつ替えはひっきりなしで、丹精込めて作った離乳食は食べず、エンドレスな夜泣きに、深夜の寝かしつけドライブ。
 
ＴＶは幼児番組ばかりで大好きなスポーツ中継は観られず、お風呂でリラックスできる時間もない。
 
仕事の調整もしなくてはならず、やっと巡ってきたチャンスも子供を預ける先が無く、失敗に……。
 
と、気が滅入るような子育ての苦労が赤裸々に描かれますが、これらは子育て経験者なら「あるある～！」とうなずいてしまうものばかり。
 
四六時中、睡眠不足でパートナーとのケンカも多く、仕事も生活も上手く回らず、子育てを重荷だと感じるのはホリーとメッサ―だけではないでしょう。
 
2人が責任の重さに押し潰されそうになりながら、逃れられない状況に苦悩する様子を観ていると、子どもをもつのが怖くなってしまいそうです。
 
でも、その苦労の先に2人は何を見つけるのか？ホリーとメッサ―の奮闘の続きをみていきましょう。

育児に問題は尽きず……
子育てとキャリアの難しい選択も

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混乱の中で、「自分たちらしく、育児していけばいい」と気づいた2人。
 
少しずつ育児にも慣れ、ソフィーの初めての1歩や離乳食を食べた瞬間など、成長の歓びを共有し合う中、次に直面したのはお金の問題です。
 
育児にかかるお金は予想以上で、ホリーは準備を進めていたレストランの開業を延期する決意をします。
 
しかし、夢を応援したいメッサ―がホリーを金銭的に援助することを決め、そのお礼としてデートに行った夜、2人はいい関係に。
 
その直後、今度はメッサ―に長年の夢だったディレクター職への昇進のチャンスが巡ってきますが、そのためには転勤しなければならず……。

子育てのために失うものは
果たして「犠牲」なのか？

PHOTO：AFLO

「仕事か家族か」の究極の選択を迫られるメッサ―ですが、これも子育てにはつきものの難題です。
 
どんなに緻密なプランを立てていても、子どもができれば人生は計画通りに行かないもの。
 
積み上げてきたキャリアや自分の大切なものと子育てを引き換えにしなくてはならない瞬間が来ると思います。
 
ですが、それが果たして子育てによる「犠牲」や「諦め」になるのか？
 
人生を自分で完璧にコントロールしたいと思っていたホリーや夢に向かって邁進してきたメッサ―にとって、人生の方向転換は大きなストレスだったに違いありません。
 
ですが、2人が下す決断は、夢やプランを犠牲にしたのではなく、大切なものの優先順位が変わったのだと教えてくれます。
 

PHOTO：AFLO

子育ては苦労の連続。
家族をはじめる順番も逆。
血の繋がりだってない。
人生は思い通りに行かない。
 
けれど、想定外の世界には知らなかった愛があって、その幸せはどんな苦労も吹き飛ばす強さがある！
 
成長を見守る子どもへの愛情、育児の苦労を分かち合って育まれるパートナーへの愛情はとても素敵で、これも1つの家族の幸せのカタチですね。
 
「子育ては大変だけど、やっぱり家族っていいなぁ」と素直に心に響く本作。ソフィー役の赤ちゃんがとっても可愛いので、そちらもお楽しみに！

（木村みずほ）