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すれ違いが多い時、なかなか会えない時に!遠距離恋愛を乗り越える映画10

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料理で想いを伝えようとする
少女の素朴な感動
ラブストーリー

THE ROAD HOME「初恋のきた道(2000)」

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

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世界的な大スターに成長した
チャン・ツィイーの初主演作

今や世界的な女優となったチャン・ツィイーのデビューにして初主演を務めたのが、今回紹介する「初恋のきた道」です。
 
監督は、後に「HERO」や「LOVERS」でもツィイーと組むことになる中国の巨匠チャン・イーモウ。

撮影当時19歳だったツィイーの初々しい演技が評判を呼び、日本でも大きな話題になった作品なので、すでにご覧になられている方も多いかもしれません。
 
この映画でツィイーが演じるのは、中国の寒村で暮らす少女。素朴な三つ編みヘアがよく似合うかわいい田舎娘です。
 
本作は、初恋をテーマにしたとってもシンプルな純愛ストーリーですが、少女の一途な思いが心に響きます。会えない相手を思う時間の大切さを再認識できる作品になっていますよ。
 
物語は、父の訃報を受けて帰郷した息子が両親の恋物語を回想する形で語られていきます。

ピュアな少女が一目ぼれ
生まれて初めての恋

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

18歳の少女・ディ(チャン・ツィイー)が暮らす村に初めて小学校ができることになり、町から20歳の青年チャンユー(チョン・ハオ)が先生としてやってきます。

チャンユーの姿を一目見た途端、恥じらいを見せながらも目を輝かせるディ。彼女がチャンユーに恋をした瞬間です。
 
村では学校建設が急ピッチで進められ、男性は力仕事、女性は彼らに昼食を運ぶことが仕事となります。
 
料理は各家からの持ち寄りで、男性たちは手前にある器から取っていくので、誰がどの料理を食べるのかわかりません。それでもディはチャンユーに食べてもらいたい一心で、手の込んだ料理を作り続けます。

好きな人へのアプローチ方法に
苦戦する姿が愛おしい

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

やがて学校が完成し、チャンユー先生の授業が始まります。彼の声を聞くために、毎日学校に駆け付けるディ。
 
チャンユーが遠くに住む子供たちを送り届けることになったと知れば、彼が通るであろう道で待ち伏せし、その姿をそっと見つめ続けます。

ときには気づいてもらうために、わざとすれ違いざまに籠を置き忘れることも。
 
わざとなんて言うと、普通の女性であったらあざといと思うかもしれませんが、ディにとってチャンユーは初めて恋した相手。

何をどうアプローチしたらいいのかもわからなかったのでしょう。そんなディのいじらしさがとても愛おしく、観る者の心をキュンキュンさせてくれます。

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

一方、チャンユーもディの姿を初めて見たときから恋に落ちていました。

しかし、ここまでで2人が交わした会話は、ディが籠を忘れたときの「君!」という呼びかけだけ。

それでも2人の表情からは、互いに思い合っていることがひしひしと伝わってきます。

ついに料理を食べてもらう
チャンスが訪れるが…

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

そのころ独身で一人暮らしのチャンユー先生は、村の各家を回って食事をごちそうしてもらうことになっていました。その順番がついにディの家に回ってきます。
 
はりきって食事を作るディ。チャンユーが家に来ることがうれしくてたまらないのです。

そして、ようやくやってきたチャンユーに、ディは「きのこ餃子は好きか?」と聞き、その日の夕方に食べに来てくれるよう約束します。
 
しかし、チャンユーが餃子を食べに来ることはありませんでした。

当時の中国では文化大革命に揺れており、チャンユーはその混乱に巻き込まれて町に連れ戻されてしまったのです。

町に帰るチャンユーが乗った馬車を必死に走って追いかけるディの姿がせつなく、とめどなく涙を流す姿に胸が痛みます。
 
村を去る直前、ディに別れを告げにやってきたときにチャンユーは、「学校が冬休みになる前に必ず村に戻ってくる」と約束していました。それを信じて待ち続けるディ。

©2000 COLUMBIA PICTURES FILM PRODUCTION ASIA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

チャンユーがいつ戻ってきてもいいようにボロボロになった学校の障子紙を張り替え、教室をキレイに掃除します。

そして、村長が学校の前で座り続けるディ姿を見かけたことから、村中の人々がディの思いを知ることになります。

当時、自由恋愛はまだ珍しく、村では初めてのことだったので、それも仕方がないのかもしれません。
 
チャンユーが村に戻ると約束した日、チャンユーは吹雪の中、朝から彼が帰ってくるはずの道で待ち続けていました。しかし、チャンユーが戻ってくることはありませんでした。

確かな絆で結ばれていた2
月日や距離は関係なかった

2人が再会を果たしたのは2年後のことでした。

「以来、父は母のそばを離れなかった」という息子の言葉通り、どんなに離れたところにいても2人は確かな絆で結ばれていたのでしょう。
 
あまりにも純粋で真っすぐなディとチャンユーの恋。携帯やネットもない時代、どんなことがあろうとも彼を信じて待ち続けたディの一途な思いに相手を思いやることの大切さを気づかされます。
 
今は、電話やメールなど連絡手段があるからこそ、返信がないことに不安になってしまう方も多いと思います。

ですが、ディのようにパートナーを信じる気持ちが遠距離恋愛を成功させる秘訣ではないでしょうか。
 
人を想う心の強さを感じさせてくれる本作。ディとチャンユーのようにパートナーを思いやり、さらに絆を深めていきましょう。

(馬場英美)

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