すれ違いが多い時、なかなか会えない時に!遠距離恋愛を乗り越える映画10
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戦争で引き裂かれた2人の純粋な恋
“家族”について、改めて考えさせられる
Les Parapluies de Cherbourg「シェルブールの雨傘(1963)」
(C)Ciné-Tamaris 1993
フランス発!全編ミュージカルの大作から遠距離恋愛の秘訣を学ぶ
会いたくてもなかなか会えない、もどかしい遠距離恋愛。
続くことが困難だからこそ、結ばれたときに強い絆が生まれる、とってもロマンチックで奇跡的とも言える関係です。
遠距離恋愛中は、ときに落ち込んだり、不安になってしまうこともあるでしょう。
そんなときに観てほしいのが、フランスのオシャレなミュージカル映画「シェルブールの雨傘」。
1964年に公開され、今でもファンが多い長年愛され続けている名作です。
クラシックなラブストーリーから、ぜひ遠距離恋愛のヒントを得てみてくださいね。
全編、セリフも全てがミュージカル!
異色の大ヒット作品に胸キュン
本作は、前述した通り、全編ミュージカル調になっている、なんとも異色な映画。当時はとっても斬新で、それが高評価され第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しました。
特に主題曲は世界中で大ヒット。のちに世界各地で舞台化されています。
主演は本作で”時の人”となったカトリーヌ・ドヌーヴ。最近では、是枝裕和監督の映画「真実」で主演を務めている大御所女優さんです。
(C)Ciné-Tamaris 1993
カトリーヌはファッションでも注目を浴びた女優さんで、本作で着用しているファッションやヘアスタイルに憧れを持つ女性は少なくありません。
そんな「女の子のための映画」といっても過言ではない本作が題材にしているのが「遠距離恋愛」なんです。
クラシックな遠距離恋愛を客観的に観れば、きっとなにか新しいヒントが得られるかもしれません。
結婚を誓い会ったフレンチカップル
しかし戦争が2人を引き離す
物語の舞台は、フランス北西部の港町、シェルブール。
傘屋の娘、ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、自動車修理工の青年ギイと結婚を誓い合います。しかし、甘く幸せな時間はそう長くは続きませんでした。
(C)Ciné-Tamaris 1993
ある日、ギイのもとに徴兵令状が送られ、ふたりは2年も離れ離れになることに。
アルジェリア戦争へと向かいシェルブールを去ってしまったギイ。そんな中、ジュヌヴィエーヴは、ギイとの子の妊娠を発覚します。
さらに彼女の母であるエムリー夫人に多額の納税通知書が届き、生活が困難に。そこで助け舟を出してくれたのが、宝石商のカサールでした。
後日、カサールはエムリー夫人に食事に招待され、そこでカサールはジュヌヴィエーヴに結婚を申し込むつもりだと打ち明けます。
一方、ジュヌヴィエーヴはギイからほとんど手紙が届かず不安に駆られていました。
手紙でのやり取りで、すれ違う恋
2人はどんどん別々の道に……!
(C)Ciné-Tamaris 1993
ジュヌヴィエーヴへの求婚を決意したカサールは、彼女のおかげで人生の目標が見つかったと明かしますが、最終的に決めるのはジュヌヴィエーヴだからと言い残し、旅に出ます。
一方、手紙でジュヌヴィエーヴの妊娠を知ったギイは「男の子だったら名前はフランソワ」と喜びの手紙をジュヌヴィエーヴに送ります。
こうしてギイを待ち続けていたジュヌヴィエーヴでしたが、次第にカサールに心を開いていき、結婚を受け入れ、パリへと移住してしまうのです。
その後、足を負傷したことで帰郷したギイはジュヌヴィエーヴの傘屋を訪れますが、すでに所有者が変わっており、さらにはジュヌヴィエーヴが結婚して移住したことを耳にします。ギイは酒に溺れ、仕事場でもトラブルを起こし自暴自棄に陥ってしまうのです。
強い愛でつながっていた2人から
本当に人を愛することを学びましょう
(C)Ciné-Tamaris 1993
かつては強い愛で結ばれていたジュヌヴィエーヴとギイ。しかし歯車が狂い始め、2人は別々の人生を歩み始めます。
しかし、2人はどこかでお互いを思いやっていたのです。
なかなかうまく行かない遠距離恋愛。その中で別々に家族を持ち、大切な人を失くしてしまう過酷な時間も経験します。
(C)Ciné-Tamaris 1993
本作を観ていると、あらためて「家族を持つ」ということについて考えさせられますし、距離があるからこそ愛が強くなるということも教えられます。
そんなシリアスなラブストーリーを彩るのは美しい楽曲たち。もちろんミュージカルとしても素晴らしい作品です。
オシャレで素敵なフランス映画。友達同士や恋人同士、もちろん1人でも楽しむことができるので、遠距離恋愛が辛くなったり、なにかヒントを得たくなったときは、ぜひ手にとってみてくださいね。