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結婚準備の参考に!ベストウェディング映画30

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ウェディングドレスは永遠の憧れ!
ヘプバーンの美しすぎるドレス姿

Funny Face「パリの恋人(1957)」

PHOTO:AFLO

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GIVENCHYの伝説的ドレスに
隠された王道のラブロマンスとは?

清楚で可憐――女性なら一度は着てみたいと思わせる純白のウェディングドレス。

“永遠の妖精”と謳われたオードリー・ヘプバーン扮する本作の主人公ジョーが、劇中で着用するGIVENCHYのミディ丈ドレスはまさにそんな1着だ。

厳密に言えば、結婚式が登場しない本作はウェディング・ムービーとして紹介することに違和感を覚える人がいるかもしれない。

けれど、純白ドレスに身を包んだ彼女が、愛しい人を想いながら、はらはらと流す涙の儚げなことといったら…!

PHOTO:AFLO

一世を風靡したGIVENCHYのドレスは、あまりにも有名だが、もし映画を見たことがないのなら実にモッタイナイ話。

20代半ばを過ぎ結婚適齢期に差し掛かっても、恋ひとつしたことのなかった乙女なジョーが、恋を知り、見る見るうちに美しくなっていく。

本作は、そんな恋する楽しさや、オシャレする喜びに満ちあふれた、最高にハッピーかつロマンティックな1本なのだ。

永遠の妖精・ヘプバーンとは30歳差!
年の差カップルが織りなす恋愛模様

オードリー・ヘプバーンが演じるジョーは、NYの古本屋で働く文学少女。しかも、パリのフロストル教授が主宰する「共感主義」の哲学を信奉するインテリ娘……という設定だ。

野暮ったいセーターにツイードのスカート。いかにも“文系女子”といった垢抜けない風貌のジョーに対して、恋のお相手ディックを演じるのはフレッド・アステア。

PHOTO:AFLO

ミュージカル界の大スターだったアステアとは、実年齢で30歳差(!)というカップリングだが、これが意外とハマリ役。

製作当時、押しも押されぬトップスターだったヘプバーンの出演の決め手となったのが、“憧れの人”アステアとの共演だったというエピソードも有名だ。

2人の出会いとなるのは、NYのファッション雑誌クオリティ誌のとあるプロジェクト。

パリの世界的デザイナーに衣装を作らせてショーを開催し、その写真を独占掲載して大々的に雑誌を売り出そうという計画が立ち上がる。

PHOTO:AFLO

そこで登場するのが、アステア演じるクオリティ誌の契約カメラマン、ディックその人。

インテリ娘のジョーに目をつけた彼は、強引に彼女をモデルに起用する。

意志の強そうな一本眉に、アーモンド型の大きな瞳――そんなジョーの個性的な顔(=Funny face)を強調させたディックの写真がプロジェクトに採用され、彼らは花の都パリへ向かうことに!

野暮ったい文系女子が
恋を知ると、どう変わる?

「ボンジュール、パリ!」

パリに着いて大はしゃぎの一行。空港からタクシーでシャンゼリゼに乗り付け、凱旋門をバックに、お馴染みのミュージカルナンバー「Bonjour Paris!」を歌いだす!

PHOTO:AFLO

華やかなパリの名所を背景に、50年代当時の最新モードに身を包んだジョーが、次々とディックのカメラに収められていく。

PHOTO:AFLO

その洗練された美しさといったら、NYでの野暮ったさがまるで嘘のよう!

そして撮影のトリを飾るのが、あのGIVENCHYのウェディングドレス。ジョーはさぞや満面の笑みで“花嫁”を演じるかと思いきや……。

「どうもヘンだな。花嫁なのにまるで恋人にフラれたみたいだ」

不思議がるディックを前に、いつも元気溌剌なジョーが浮かない顔…。そう、撮影最終日を迎え、ジョーは改めて彼への想いに気づくのだ。

PHOTO:AFLO

「結婚式だぜ?恋人とともに夢に見た晴れの日だ。君を愛し、君だけを――」

カメラマンとしてジョーを口説いていたディックだったが、次第に彼女の真剣な瞳に吸い込まれていき……ごく自然にキスを交わす2人。

そして、ここからはジョー&ディックが恋愛モードに突入!

PHOTO:AFLO

ミュージカル映画らしく、愛に目覚めた喜びを歌と踊りで表現するのだが、その幸せも束の間……。

ジョーが心酔する「共感主義」のフルストル教授に対して、ディックがつまらぬ嫉妬を抱いたことから、大ゲンカへと発展!

2人は衝動的に別れを選択してしまう。

自分のプライドはそんなに大事?
HAPPYへの近道は「素直になること」

 
そう、これは単なる“痴話ゲンカ”。けれど、こうした些細なすれ違いをおざなりにした結果、別々の道を歩むことになった……なんて身に覚えのある人も多いのでは?

互いを大事に想う一方で、自身のプライドが邪魔して、歩み寄ることができない。
真摯に「ごめん」。
素直に「愛している」。
そうひと言、言葉にすればいいだけのことが、こんなにも難しい。

そんな時、ジョーの背中をそっと押してくれるのが、再び登場するあのGIVENCHYの純白ドレスだ。

PHOTO:AFLO

物語は終盤、クオリティ誌が主催するファッション・ショーの場面。「嫁ぐ日」というテーマが会場内に告げられ、純白ドレスに身を包んだジョーが壇上に姿を現すハイライトシーンだ。

女性が最も美しく輝くはずの“花嫁”のためのドレス。事実、そのあまりの美しさに、会場内からは感嘆の溜息が漏れ聞こえるのだが…。

当のジョーには、そんな他人の称賛の声より何より、ケンカ別れしたディックの存在が頭から離れない。

PHOTO:AFLO

純白のウェディングドレスを身にまとっているからこそ「最愛の人」の不在がこんなにも虚しい。そして瞳から流れ出す大粒の涙……。その涙が指し示す意味とは――。

愛を実らせてくれる
ウェディングドレスの魔法とは?

もちろん結末までは明かせないが、最高の“ハッピー・エンディング”になっていることだけは間違いない。

一度は別れを決意しても、やはりウェディングドレスには、潜在的な結婚願望を呼び起こす“魔法”が隠されているもの。

半世紀以上も前に作られたGIVENCHYのミディ丈ドレスだが、今見ても色あせないヘプバーンの着こなしは、ウェディングの装いのお手本のようであり、まさにパーフェクトと言えるだろう。

王道のラブロマンスに隠された“ウェディングドレスの魔法”を、ぜひ心ゆくまで堪能してほしい。

(水越小夜子)

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