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“幸せな結婚”の真の意味とは?
結婚式のスピーチが感動を誘う!

English Vinglish「マダム・イン・ニューヨーク (2012)」

© Eros International Ltd.

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結婚はゴールではない!?
幸せな結婚を続けるための秘訣とは

「結婚はゴールではない」とは、耳が痛くなるほどよく聞く言葉。ではその先、どうすれば本当の幸せをつかめるのだろう?

そんな疑問に、温かな笑いとともに答えてくれる映画が「マダム・イン・ニューヨーク」だ。

(C) Eros International Ltd.

主人公となるのは、インドのごく普通の主婦シャシ。夫とわがままな子どもたちのために家事にいそしむことが、自分の人生だと信じきっている女性だ。

私たちは、そんな彼女の“変化”を目にすることで、「自分自身を愛すること」こそ、幸せな結婚生活を続ける秘訣だと教えられるのだ。

周りの幸せそうな夫婦を見ても、なるほど。確かにその通りではないだろうか?

ヒロインはごく普通の主婦
女性は家族に尽くすのが当たり前?

家族の望むご飯を一生懸命作る。子どもの面倒で1日が終わる。思春期を迎えた娘には、冷たい言葉を投げかけられることもある。

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一見、優しい夫は「家事は女性のするものだ」と思い込んでいる典型的な亭主関白。

シャシの毎日は、家族に尽くす日々だ。

家族も妻、母が自分のために何かしてくれることが当たり前になってしまっており、シャシの心に「私が頑張っても誰も喜ばない?」との思いがよぎる。

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シャシの漠然とした不満に共感できる女性は、思ったより多いはず。また、自分の母親を思い出す人もいるのでは?

それもそのはず、メガホンをとった女流監督のガウリ・シンデーは、ピクルス売りをしていたという自身の母親のことを思いながら、脚本を書いたそう。

母の存在が当たり前だと思うようになってしまっているけれど、「母は一人の美しい女性なのでは?」と気づいたことが、本作に取り組むきっかけとなったという。

本作では、シャシが「母、妻であると同時に、自分は一人の女性である」と発見していく姿が、なんともチャーミングに描かれている。

その大きな一歩の始まりは、思わぬニューヨークへの旅だった。

(C) Eros International Ltd.

ちょっとした一歩で
夫に頼りきりだった生活が一変! 

ある日シャシは、姉でニューヨークに暮らすマヌから、姪の結婚式の手伝いを頼まれて5週間ほどニューヨークに行くことになる。

夫や子どもたちも式間近には合流するが、もろもろの雑事を行うために、シャシは家族より一足先にニューヨーク入りしなければいけなくなってしまい…。

(C) Eros International Ltd.

家族の中で唯一英語の話せないシャシにとっては、これはとんでもなく心細いこと!

さらに、家族と離れて暮らしたことなどないシャシ。大きな不安を抱えて、ニューヨークへと飛び立つのだ。

ニューヨークでの生活が始まってもシャシは、家族のことが心配で落ち着かず、すぐにインドに電話。

(C) Eros International Ltd.

英語が話せないことでコーヒーショップの注文もできず、思わず涙がこぼれる。

ビル群に囲まれて、震えて小さくなっているシャシ。家族に尽くす毎日から離れた自分は、とても弱い存在だった。

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そこで思い切って飛び込んだのが、「4週間で英語が話せるようになります」とうたった英会話スクールへの入校。

教室で出会った生徒たちは、年齢も国も性別もバラバラ。個性豊かで楽しい仲間たちと英語を学んでいくうちに、シャシの心に変化が起きる。

夫に頼りきりだった生活から、友を得て、学ぶ情熱に目覚めたことで、毎日がキラキラと輝き出すのだ。

(C) Eros International Ltd.

映画のテンポは軽やかなBGMも相まって、深刻になることなくどこまでもコミカルで軽やか。

インド人の主婦が主人公というと、どこか遠く感じてしまうかもしれないが、シャシが“覚醒”していくプロセスには共感ポイントが満載!

誰もがいつの間にかシャシの応援団になってしまうはず!

(C) Eros International Ltd.

対等で尊敬し合う夫婦になるには?
結婚を豊かにするためのメッセージ

自身の誇りを取り戻した、特別な経験となったシャシのニューヨークの旅も、そろそろおしまい。

クライマックスとなる姪の結婚式で、学んだ英語を使って、シャシは一生懸命にスピーチを披露する。

そのスピーチが結婚や、家族の意味を物語っていて、温かな涙を誘う。ここに少しご紹介したい。

(C) Eros International Ltd.

「人生は長い旅です。ミーラは時に感じるかも。夫より劣っていると。ケヴィンも感じるかも。ミーラより劣っていると。

互いに助け合って。対等と感じるように。そうすれば大丈夫。時に夫婦でもわからないものよ。相手の気持ちが。だから助け合う方法も見失う。

それは結婚の終わり?違うわ。自分で自分を助けるときよ。自分を助ける最良の人は自分。そうすれば対等の気持ちが戻ってくる。人生は輝くわ」

(C) Eros International Ltd.

夫婦としての生活の中で大事なのは、対等でいること。一人の人間としてしっかりと自分の足で立つこと。そのために「自分を愛せよ」というのだ。

そしてこのスピーチにこそ、「ゴールではない結婚」の先にある「本当の幸せ」の意味が込められている。

私自身、誇りを取り戻したシャシの笑顔に勇気づけられたように、本作には結婚、そして人生が豊かになるメッセージがいっぱい!

結婚生活へ踏み出す、その背中をそっと押してくれる宝物のような1本だ。

(成田おり枝)

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