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結婚準備の参考に!ベストウェディング映画30

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さまざまな愛の光景のなかに
最高の結婚式と理想のプロポーズが!

Love Actually「ラブ・アクチュアリー (2003)」

© 2003 WT VENTURE LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

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幸せに包み込まれた
誰もがうらやむ結婚式とは?

 “いい結婚式”の条件とは何だろうか? それはきっと、招待する方も招待される方も、みんなが幸せな気持ちになれることだと思う。

当たり前のことのようだが、みんなが幸せな結婚式って意外とハードルが高かったりするもの。

新郎&新婦もゲストも、なんと神父さんまで大はしゃぎ。そんな夢のような結婚式が登場するのが「ラブ・アクチュアリー」だ。

本作はクリスマスを控えたロンドンを舞台に、友人、恋人、夫婦、家族……いろんな形の愛を描いた群像劇。

(C) 2003 WT VENTURE LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

オープニングでは、まさに1組のカップルが式を挙げようとしている。演じているのはキーラ・ナイトレイとキウェテル・イジョフォーだ。

PHOTO:AFLO

流行と伝統がマッチングした
ロンドンっ子らしいサプライズ結婚式 

光がさんさんと降り注ぐ伝統的な教会で、たくさんの人々が見守るなか、花嫁が入場してくる。ドレスの装飾はいたってシンプルで現代風だが、丈は長く、美しいシルエットの引き裾が印象的。

ポップとクラシックがうまく融合した、いかにもロンドンっ子らしい装いが花嫁にぴったり似合っている。

PHOTO:AFLO

一方、花婿の衣装はカラースーツとカジュアル。主役はあくまでも花嫁なのだ。緊張でガチガチの新郎は介添人である親友に尋ねる。「サプライズはなし?」。

昨夜はバチェラー・パーティーで大騒ぎしたのであろう、2日酔いで目が充血気味の親友が答える。「ないよ」。

PHOTO:AFLO

とはいえ、そこはお約束。当然、サプライズが仕込まれている。式の終盤、聖歌隊が突然、ビートルズの「愛こそはすべて」を歌い出せば、どこに隠れていたのか、次々とミュージシャンたちが顔をだし、楽器を奏で始める。

あ然とした後、すぐに微笑む参列者たち。教会中がまるでライブ会場のように、ひとつになり、最後には全員で「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ(愛こそがすべて)」と大合唱。サプライズの仕掛け人の1人である神父も大はしゃぎだ。

主役の2人はもちろん、周囲の人も、いつしか観ている私たちさえ、幸せのおすそ分けをもらって、豊かな、特別な気持ちになる。

映画のなかのうらやましい結婚式と聞かれて、たくさんの人がこの“サプライズ・ウェディング”を挙げるのも納得だ。

PHOTO:AFLO

奥手な英国男子が思い切って
アプローチするクリスマス

ちなみに、英国男子はなかなか自分の感情をストレートに表現しないらしく、日本人も共感しやすい。ただし、彼らにも例外がある。それがクリスマスなのだ。

PHOTO:AFLO

劇中、老いも若きも数々の男子たちがクリスマスに勇気づけられ、女性たちにアプローチする。

なかでも、多くの人の心をとらえる名場面があるので、ぜひ紹介したい。

“理想のプロポーズ”と名高い、そのシーンは、言葉の通じぬ異国の女性、ルシア・モニス扮するオーレリアに恋したコリン・ファース演じる作家によるもの。

凝った言葉でも高価な指輪でもない
“本物”のプロポーズとは?

PHOTO:AFLO

別荘で執筆に専念していた作家は、自分の身の周りの世話をしてくれる家政婦のオーレリアに魅かれていく。

が、ポルトガル人の彼女には英語が通じず、奥手な作家はおろおろするばかり。結局、互いに感じ合うものがありながら、彼は帰国してしまう。

後悔先に立たず。一念発起した彼は、ポルトガル語を猛勉強。クリスマスの夜、彼が思い出したのは彼女のことだった。もう逃げない。一目会おうと、彼は飛行機に飛び乗り、彼女の実家に向かう。

「お嬢さんに結婚の申し込みをしに来ました」

つたない言葉の見知らぬ英国人に不審がる家族たち。ところが、オーレリアはバイトに出掛けていて不在。作家はオーレリアの勤め先を目指す。

街では突然、訪れた不審な英国人に大騒動。「オーレリアを殺すらしい」とか、妙な噂まで流れ、誰もが作家の後をつけて行く。

町中の人を引き連れ、オーレリアの勤め先のレストランにたどり着いた作家はいきなりプロポーズ。

「君を知りもせず、狂気の沙汰だと思うだろう。でもクリスマスだし、言うだけ言ってみようと…」

「待ってました」とばかりに、「Yes! ありがとう。すごくうれしいわ」と英語で答えるオーレリア。彼女もまた、作家のために語学を学んでいたのだ。

PHOTO:AFLO

英語の答えが理解できず、一瞬、ポカーンとなる町の人々。彼女が「Sim」とポルトガル語で言い直した途端、場内にどよめきが。そして巻き起こる「ブラボー!」の嵐。民衆を巻き込んでの公開プロポーズはみごと、大成功をおさめる。

指輪なんて用意しなくても、飾り立てた言葉がなくても、本物の愛さえあれば、相手の心にしっかり届く。実に正しく、素晴らしいプロポーズ!

ただし、この場合は、多くの人が愛を分かち合うクリスマスの夜という絶妙のタイミングだったことも勝因の一つかも。

このほか劇中には、想いを寄せる女性に公用車で会いに行く首相や、転校してしまう同級生に告白するため空港の警備を振り切り、暴走する小学生など、思わずキュンとさせられるロマンチックな展開がてんこ盛り。

いつ見ても、何度見ても、その時々で違った感動を味わえる名作。それでいて、オープニングの結婚式とクライマックスのプロポーズは鉄板!

どこの誰が見ても、いつだって、うっとりしてしまう、愛に満ち溢れた光景は、まさに“最高の結婚式”と“理想のプロポーズ”のお手本だ。  

(髙山亜紀)

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