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結婚後はこんな二人になりたい!理想の夫婦像に出会える映画10

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子育て期にありがちな夫婦のすれ違い。
倦怠期を乗り越えて知る“結婚の真理”

The Story of Us「ストーリー・オブ・ラブ(1999)」

© 1999 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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「恋人たちの予感」の15年後は?
倦怠期の夫婦の衝突をリアルに描く

今回ご紹介する「ストーリー・オブ・ラブ」は、「恋人たちの予感」で有名なロブ・ライナー監督の作品です。
 
「恋人たちの予感」で結ばれた2人の15年後を描いた続編的な作品で、男女が結ばれるまでをつづった「恋人たち~」に対し、こちらは破局の危機に瀕している夫婦の実情を赤裸々に描いています。
 
結婚の現実、男女の埋まらない溝、子育て期にありがちなトラブルなど、多くの既婚者の共感を呼ぶリアルな実情が描かれていて、プレ花嫁さんにはちょっぴりハードな内容かも!?
 
でも、そこはやはり名匠ロブ・ライナー。コミカルな要素をたっぷり盛り込んでメリハリをつけ、最後には極上のラストを用意してくれています。
 
さらに、主演のブルース・ウィリスとミシェル・ファイファーも素敵で、夫婦の顔、パパとママの顔、男と女の顔とさまざまな顔を使い分け、倦怠期の夫婦の心情を説得力のある演技で好演!
 
きっと多くの夫婦が経験する“倦怠期”ですが、こんな風に乗り越えられたらいいなと憧れる理想の夫婦像が描かれていますので、ぜひ結婚前の指南書としてお楽しみください。

結婚15年目を迎えるも、破局寸前
試験的に別居を始めてみるが…?

© 1999 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

作家のベン(ブルース・ウィリス)とクロスワードパズル製作者のケイティー(ミシェル・ファイファー)は、結婚15年目を迎える夫婦。
 
2人の子供の前では仲良しのパパとママですが、2人きりになると重苦しい沈黙が漂う破局寸前の仲でした。
 
ある日、子供たちが2か月のサマーキャンプに参加するタイミングで、試験的な別居に踏み切ることに。
 
ケイティーは自宅で、ベンは近くのホテルで別れて暮らし、それぞれ友達と会うなどをして日々を過ごします。
 
そんな離れ離れの時間の中で、2人は過去の出来事に思いを馳せます。
 
何度も重ねた口ゲンカ、出会った頃の甘いデート、子供が生まれてからの忙しい毎日でのすれ違い、ベンの浮気を疑った大ゲンカ、情熱的に求め合った夜、幼い子供を囲んで完璧な幸せに酔いしれた時間…。
 
“最低”と“最高”が交錯する思い出が次々と甦り、2人は互いにまだ残っている相手への愛情に気づきます。
 
相手の不在を寂しく感じ、他愛のない用事を言い訳に電話で様子を確認する2人。
 
そして、別居開始から2週間後。ついにケイティーが自宅でのディナーにベンを誘い、久しぶりに会う約束を交わします。
 
当日。最初のぎこちない空気も徐々にほぐれ、ベンは「“最高”は今。“最低”はこの2週間だった」とケイティーに素直に告白します。
 
いい雰囲気になった2人はベッドに移動しますが、ほんの些細なことからまたもや大ゲンカ。関係は泥沼に戻り、2人は本格的に離婚を意識し始めます。
 
そんな折、ケイティーに言い寄る男性も現れ…。

子育て期に“あるある”のすれ違い。
どちらも悪くないのに…。

© 1999 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

幸せな結婚をしたのに、年月を重ねるうちに不満が蓄積され、夫婦関係にひびが入る…。この展開は1位でご紹介している 「31年目の夫婦げんか」とよく似ています。
 
でも、少し違うのは結婚年数。本作は15年目の夫婦が主人公なので、「31年目~」のように夫婦関係が膠着しておらず、諦めよりも怒りがあり、頻繁にケンカしています。
 
その一方で、愛情も残っているので、なんとか夫婦関係をよくしたいと2人共が思っています。
 
よく「ケンカをするうちが花」と言いますよね。まさにその状態。ケンカは怒りをぶつけ合っていますが互いに向き合っていますので、裏を返せば修復する気持ちもまだあるのです。
 
劇中でも、2人は関係を戻そうと努力し、1年前には2人でベニス旅行にも。
 
開放的な旅先で、些細なことがきっかけで仲直りしますが、それもつかの間。自宅に戻った途端に、またもや些細なことから大ゲンカとなり泥沼状態に逆戻りします。
 
そう、2人はいつもこの調子で、努力はしているのにいつもうまくいきません。
 
では、なぜそんなに衝突するのかと言うと、そこに見えてくるのは、子育て期夫婦の“あるあるケンカ”です。
 
子供が生まれ、慣れない育児と家事に追われて毎日がいっぱいっぱいのケイティー。妻と嫁だけでなく、母親である役割も加わって、目が回りそうです。


© 1999 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

一方でベンは良きパパではあるのですが、夫婦の心の絆を欲し、ケイティーと男と女の関係であり続けることを求めます。
 
忙しいケイティーにとって、そんなベンは手のかかるだだっ子のよう。恋人時代に惹かれたベンの自由奔放さは、無責任で無計画に映り、「なぜ自分だけがしんどい思いをしているの!?」とベンを責め立てます。
 
対して、夫婦でずっと愛し合っていたいと願うベンは、そんな想いを受け入れないケイティーに物足りなさを感じ、「俺の身にもなってみろ!」と応戦するのです。
 
ん~!耳が痛い…! 
国が違っても夫婦は一緒なのですね。
 
ケイティーが忙しさで余裕がなくなるのも仕方のないことですし、満たされない愛情に寂しさを感じてしまうベンの気持ちもよくわかります。
 
どちらが悪いわけでもなく、ただ状況が変化し、どうしても気持ちがすれ違ってしまう…。
 
これは、子供ができたら避けられない夫婦関係の変化のようで、観ていてとても切なくなります。
 
いや、でも、それだと結婚も子育ても怖くなってしまいますよね。
 
この倦怠期から、どうやって愛を復活させるのか? 2人からヒントを教えてもらいましょう!

もらい泣き必至のエンディング!
倦怠期を乗り越える秘訣は?

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コミカルな演出が随所に挟まれているとはいえ、本気のケンカの応酬に気分がどんよりとしてくる本作。
 
ですが、そのフラストレーションが一気に開放されるのがラスト5分です!
 
このラスト5分に大切なことすべて詰まっていて、これまでのストレスフルな演出はこのためだったんだと思えるほどの、最高に爽快な感動が待ち受けています。
 
2人のケンカを冷静に見つめていると、「相手に要求ばかりしてはダメ」「相手の長所を見ること」
「相手の気持ちを思いやること」「時には譲り、歩み寄ること」「素直さが大事」「目を見て話す」など、夫婦関係が冷えないためのコツがいくつも見つけられます。
 
そこから学ぶことももちろん大切なのですが、それよりももっと大事なことは、ケイティーが語る「結婚なんて矛盾だらけ」という言葉ではないでしょうか。
 
夫婦として長い年月を共に重ねていく途中には、子育て期をはじめ、さまざまな時期があります。愛する理由もその時々で変わり、自分には無い個性であったり、パパとママの一面であったり、歩んできた年月そのものであったり。
 
その愛したところが憎しみの対象になる時期もあり、年月を重ねる間には、理屈で考えていたのでは筋が通らないことばかりが起こります。
 
でも、きっとそれが“夫婦”なのです。

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良い時も悪い時もあり、好きな所も嫌いな所も変わっていく。その矛盾をはらんだ関係を受け入れ、理屈ではなく心の奥深いところにある“想い”に気づけるかどうか。
 
「矛盾しているけど、愛しているわ」と気づき、伝えられることが、どんな危機をも乗り越えられる秘訣だと思います。
 
きっとあなたの彼への愛情も結婚当初と結婚途中では変わると思います。
 
でも、「結婚なんて矛盾だらけ」だと知っていれば、例え倦怠期を経験しても乗り越えて新しい愛情を見つけられるはずです。
 
夫婦は山あり、谷あり。
でも、本作の原題「STORY OF US」が示すように、衝突を乗り越えながら2人だけの物語を作って、理想の夫婦になっていけたら素敵ですね。
 
ちなみに、さらに16年を重ねた夫婦の物語が知りたい時は「31年目の夫婦げんか」をぜひご覧ください。
 
こちらも、「夫婦関係を修復するのに遅すぎることはない」と教えてくれるおすすめの1本です。

(木村みずほ)

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