結婚が決まったら♥結婚スタイルマガジン

結婚が決まったら「結婚スタイルマガジン」

  • LINE

結婚後はこんな二人になりたい!理想の夫婦像に出会える映画10

1

円満の秘訣は諦め…じゃない!
理想のおしどり夫婦になるためには?

Hope Springs「31年目の夫婦げんか(2012)」

© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

  • LINEで送る

ベテラン俳優共演で贈る
夫婦が再び輝くためのチャレンジ

「健やかなる時も、病める時も~」と神様の前で誓い合う結婚。
 
結婚後は、「愛する人と一緒に長い人生を仲良く歩いていく」と、キラキラした夢を持っているプレ花嫁さんも多いと思います。
 
でも、既婚者の方々からは「こんなはずではなかった…」という声もチラホラ聞かれますよね。
 
一体、何が“こんなはずではなかった”になるのでしょうか?
 
今回ご紹介する「31年目の夫婦げんか」は、結婚31年目にして“こんなはずではなかった”を解消しようとする熟年夫婦のお話。
 
忙しい子育て期も終わり、また2人だけの生活に戻った時に夫婦が気づく、“このままでいいの?”という気持ちを取り上げています。
 
しかし、そんな状況から抜け出し、より深い夫婦の絆を見つけていく紆余曲折が描かれていますので、今後の参考になることは間違いありません。
 
メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズの自然体の演技も素晴らしく、「こんな可愛い老夫婦になりたい!」と心から願ってしまう本作。

共に人生を歩む素晴らしさを教えてくれる2人から、“理想の夫婦になるための秘訣”を見つけてくださいね。

結婚31年目の熟年夫婦
長く積み重ねたのは、愛ではなく…


© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

ケイ(メリル・ストリープ)とアーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)は結婚31年目の夫婦。
 
子供が自立した今は夫婦2人で暮らしていましたが、会話も少なく、寝室も別、リビングにはテレビの音だけが響くといった、マンネリ化した毎日を送っていました。
 
そんな結婚生活に嫌気がさしたケイは、もう一度フレッシュな気持ちを取り戻すため、アーノルドに内緒で1週間滞在型のカップル・カウンセリング集中コースを申し込みます。
 
しぶしぶ同行したアーノルドですが、目的地に着いてもタラタラと文句ばかり。ケチ臭いことを言っては不満をまき散らしますが、カウンセリングに期待しているケイはぐっと我慢。
 
翌日、フェルド医師(スティーヴ・カレル)によるカウンセリングが始まり、ケイはアーノルドが自分に触れなくなったこと、気持ちを打ち明け合うこともなく、家があるだけで何の絆もない、2人の労働者が同居しているようだと夫婦生活でのたくさんの不満を語り始めます。
 
一方、アーノルドは夫婦生活の問題など考えたこともなく、31年間も結婚している事実が絆であるとして、カウンセリングを受ける理由が全くわからないと怒りをあらわにします。
 
相手のストレートな不満を聞き、ますます気持ちが噛み合わない2人。カウンセリングはなかなか上手くいきません。それでも翌日も我慢して受けると、フェルド医師から「今晩しばらく抱き合って寝る」という1つ目の課題を出されます。
 
驚き、なんとか拒否しようとするアーノルド。そんな夫の態度に深く傷ついたケイがついに怒りを爆発させ、カウンセリング室を飛び出していきます。
 
そのまま2人は昼間を別行動で過ごしますが、それが逆に功をなして、夜にはぎこちないながらも課題をクリア。2人とも少しだけ昔のような華やいだ気分を取り戻します。
 
その後は仲良くカウンセリングを受けますが、次のステップに進み、セックスレスの問題に踏み込んでいくと、またもやアーノルドは課題を拒否し…。

情熱的に愛し合ったはずなのに、
長い結婚生活で空気のような存在に


© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

結婚生活において、ケイの“こんなはずではなかった”ことは、夫婦関係が冷めてしまうことでした。
 
残念ながら、これは現実の多くの夫婦間でも起こりやすいことです。ただ、大抵の夫婦は安定している関係にわざわざ波風を立てたくなくて、“諦め”という解決策をとっている場合も少なくありません。
 
なぜ、結婚当初は世界で一番大切だったのに、その気持ちが冷めてしまうのでしょうか? ケイとアーノルドには浮気などの事件もなかったのに?
 
本作のフェルド医師の言葉を借りれば、「長年の結婚生活による傷跡」だそうです。
 
新婚期、子育て期といろいろな時期を過ごすうちに、相手が傍にいることが当たり前になり、気遣いが少しずつ失せていく。
 
話さなくても、伝えなくても分かり合えていると思っているうちに、話し合わない時期が続き、次第に相手の本心がわからなくなってしまう。
 
恋人同士でも長く付き合っていると、似たようなマンネリ化になる場合もありますね。でも、結婚という枠組みに入れば、安心感から余計にこのような状況になりがちなのかもしれません。
 
この、ある意味仕方がない流れのようなものが、年月が生み出す傷跡なのでしょう。
 
しかし、ケイはその流れに抗おうとしました。
「このまま下り坂はイヤ。いつも何かを楽しみに、幸せを求める人生を歩みたい」と。
 
結婚前で幸せいっぱいのプレ花嫁さんには想像もできない未来かもしれません。でも、もし、結婚後にパートナーと冷めた関係になった時、もう一度情熱を取り戻したいと願ったら。
 
その時はどんな努力ができるのでしょうか?

一筋縄ではいかない夫婦の問題
でも、諦めない。その先には?


© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

夫婦の問題において難しいのは、一方だけが頑張っても解決は難しいところです。
 
本作においても、関係修復にかける意気込みがケイとアーノルドとでは全く違い、そもそもアーノルドは修復するほど関係は悪くないと思っているから厄介。
 
カウンセリングを通して、今まで言えなかった互いの本音が明かされていきますが、セックスレスに悩んでいたケイは行為そのものではなく自分を求めて欲しかったこと、セックスではなくアーノルド自身を求めていると打ち明けます。
 
対して、アーノルドはそもそもケイとのセックスに不満があったこと、それでも文句も言わず、浮気もせずやってきたのにと・・・。
 
“女性として自分を求めて欲しい。愛が欲しい”と望むケイと、傷つけないことを愛情の証とするアーノルド。互いが相手を大切に思っていることは間違いありませんね。

ただ、向く方向だけが違う。
愛情の求め方、示し方だけが違う


© 2012 GHS PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

しかも、長い間この形に落ち着いてしまったので、アーノルドには求めに応じてすぐさま変化する瞬発力もありません。“もう若くない”という気恥しさや意地やプライドも邪魔をします。
 
・・・本当に、夫婦の問題は一筋縄ではいきませんね。相手の気持ちを動かすことはとても難しく、劇中のカウンセリングも上手くいったり、元に戻ったりを繰り返し、やるせない気持ちになります。
 
けれど、そんな風に相手との波があり、前進と後退を繰り返すのが、まさに“夫婦関係”だと言えるのかもしれません。
 
夫婦は長い年月を共に歩むと誓った関係です。夫婦関係を良好に保つには、「思いやりを持ち続けること」「初心を忘れないこと」などと言われますが、当初の情熱を持ち続けることはとても難しいもの。
 
でも、ケイのように“もう一度”と願ったら、何度でも新しい扉を開けるチャンスがあるのが、結婚の希望なのだと本作は教えてくれます。
 
なかなか同じ方向を向いてくれないアーノルドにケイは何度も傷つき、より深い孤独にさいなまれます。でも、決して諦めず、正直に、真っすぐにアーノルドを求めます。
 
フェルド医師が問いかける「自分のプライドより相手が大切か?」の言葉を自問しながら。
 
もし、あなたがパートナーの情熱の薄さに悩んでしまったら、諦めて我慢するのでも、相手の出方を待つのでもなく、ケイのようにまずは行動にでてみてください。
 
一筋縄ではいかない夫婦の問題は、努力が実るまでに時間がかかるかもしれませんが、その先にはきっと今とも昔とも違う、夢見た以上に幸せな新たな夫婦関係に出逢えるはず。
 
そして、そんな未来は、“心が望めばいつだって手に入れられる”というポジティブなメッセージを、この映画を観て受け取ってください。
 
さらに、最高に素敵なエンディングには、結婚生活をうまくいかせる秘訣がぎゅっと詰まっています。
 
結婚32年を過ごした2人だからこそ語れる慈しみあふれる誓いには、人生の終盤に夫にこんな言葉が言えたらどんなに幸せだろうと胸が震えます。
 
“長い年月を重ねてきて良かった”と思える、そんな理想の夫婦になるために、何度もこの映画を観て結婚のすばらしさを感じてください。

(木村みずほ)

結婚映画ランキング TOP