どっちも住んでみたい！！
おとぎの国のような英国式コテージと
プール付きのロサンゼルス大豪邸

The Holiday「ホリデイ（2006）」

“レトロ可愛い”か“ゴージャス”か
最高にオシャレな2軒の家が登場

いざ結婚が決まると、結婚式の次にワクワクするのが新居探しですよね。

大好きな彼との新生活をイメージしながら、立地や間取り、インテリアをあれこれ悩むのは結婚前の幸せな時間の1つです。

そこで、今回はそんな新居探しの参考になる映画「ホリデイ」をご紹介します。

失恋の傷を癒すために期間限定で自宅を交換する2人の女性のお話なのですが、この交換するお家がどちらもとっても素敵！

イギリスの田舎町にあるメルヘンチックな石造りの家とロサンゼルスにある超豪華な大豪邸で、立地、大きさ、間取り、インテリアに至るまでまるで正反対なタイプの住居が登場します。

温もりあふれるアンティークな可愛さと、ゴージャスでモダンな雰囲気の両方をたっぷり堪能できるので、オシャレな住まい作りのヒントがきっと見つかると思います。

また、主演の2人をキャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレットが華やかに演じ、クリスマスシーズンを舞台にした失恋から新たな恋に踏み出すストーリーも見ごたえ十分。

「マイ・インターン」を手掛けた女性監督・ナンシー・マイヤーズらしい、女心のツボをつくロマンチックなお話とオシャレな家を存分にお楽しみくださいね。

では、まずはストーリーのご紹介から。

2週間限定で自宅をチェンジ！
新たな家で見つける、新しい一歩

クリスマスシーズン。ロンドンの新聞社で働くアイリス（ケイト・ウィンスレット）は、3年前に浮気されて別れた同僚のジャスパー（ルーファス・シーウェル）のことを忘れられずにいました。

ジャスパーはその浮気相手と交際を続けていましたが、未練たっぷりのアイリスにも思わせぶりな態度を取り、アイリスは密かに復縁を期待していました。

ところが、会社のクリスマスパーティーで突然ジャスパーの婚約が発表され、アイリスの淡い期待はこっぱみじんに。自殺を考えるほど深く傷ついてしまいます。

一方、同じ頃、ハリウッドで映画の予告編制作会社を経営するアマンダ（キャメロン・ディアス）は、一緒に暮らす恋人のイーサン（エドワード・バーンズ）の浮気が発覚。

大豪邸からイーサンを追い出して悲しみに暮れますが、アマンダの目からは涙の一滴も出ませんでした。

気分を変えるために旅に出ることにしたアマンダは、「ホーム・エクスチェンジ」のサイトでイギリスのサリー州にあるアイリスの可愛いコテージを見つけます。

早速、アイリスとコンタクトを取ると、遠くに行きたかった彼女もすぐに合意。2週間限定でそれぞれの自宅を交換する約束を交わします。

翌日、アマンダはメルヘンチックなアイリスのコテージに到着し、アイリスはロサンゼルスにあるアマンダの豪邸を見て大興奮！　

それぞれ幸せな気分で新たな家を満喫しながら、くつろぎのひと時を過ごします。

その夜、アマンダは酔っぱらってアイリスの家を訪れた兄のグレアム（ジュード・ロウ）と出会います。

ハンサムなグレアムにひと目でときめいたアマンダは、失恋の痛手と旅先での解放感もあり、グレアムを誘って一夜を共に。

翌朝、ぎこちなく顔を合わせるアマンダとグレアムでしたが、旅行者のアマンダとプライベートが少し複雑なグレアムは、互いに深入りはしない方がいいと言い合います。

ですが、心の声に押されるようにしながら、2人は少しずつ距離を縮めていきます。

同じ頃、アイリスはアマンダの元カレの同僚マイルズ（ジャック・ブラック）と偶然出会いますが、彼は女優と交際中。

マイルズとは友達として仲良くなっていきますが、突然ジャスパーから仕事を助けて欲しいと連絡が入ります。

いくら遠く離れてもジャスパーへの想いを断ち切れないアイリスは戸惑いながらも断ることができず、一方でマイルズは女優の彼女の浮気現場を目撃してしまい…。

アイリス家とアマンダ家を
徹底紹介！
あなた好みのテイストはどちら？

2007年の公開当初、豪華俳優共演の華やかなラブストーリーとして話題となった本作ですが、物語の舞台となる「家」のオシャレさも大いに注目を集めました。

テイストが異なるアイリスとアマンダの家には、参考にしたいオシャレなポイントが満載ですので、ここからはそれぞれの家について詳しくご紹介します。

まず、イギリスの田舎町にあるアイリスの家は、珍しいはちみつ色の石で造られた、小さな「ローズヒル・コテージ」。

森の小道を進み、広大な野原が目の前に広がるロケーションが抜群に似合っていて、屋根に雪が降り積もった外観はまるでおとぎ話にでてきそうな可愛さです。

室内は石の壁面や木の梁が剥き出しになった自然あふれる造りで、そこにレンガの床や炎が揺らぐ暖炉がほっこりとした温かみを添えています。

インテリアは昔懐かしいカントリー風で、丸い取っ手をつけたブルーグレーのキッチンや小花柄やストライプ柄のファブリックなどレトロ可愛いものがいっぱい！

絵やお皿、照明、オブジェなどたくさんのものが飾られているのですが、アイリスの好みで統一されているので、ゴチャゴチャした感じは全くありません。

大好きなものに囲まれたアイリスのお城といった風情で、穏やかで安心できる暮らしが想像できるようです。

自然あふれる暮らしに憧れる方、可愛いものが大好きな方、お気に入りのものに囲まれた温かみのあるインテリアが好きな方にはアイリスのお家がぴったり。

たくさんのものをバランスよく飾る、見せる収納のヒントも見つけられそうです。

一方、大都会ロサンゼルスにあるアマンダの家は、広々とした敷地内に大きなプールを備えた、スーパーセレブな大豪邸。

シャンデリアと大理石が輝く室内には、膨大な数のDVDが並ぶシアタールームやフィットネスルーム、キングサイズのベッドが置かれた寝室まであり、もはや何部屋あるのかわからないほど。

どの部屋もアイリス家とは対照的にすっきりとしていて、空間の広さを生かした贅沢な設えになっています。

さらに、壁一面の大きな窓からはカリフォルニアの陽光がサンサンと降り注ぎ、居室には白とダークブラウンのシンプルモダンで統一された家具をセンスよく配置。まさに高級リゾートホテルさながらの趣です。

しかも、ただのシンプルモダンではなく、大きな絵画やグリーンをセンス良く散りばめて、ゴージャスな華やかさを添えているのもポイント。細部まで計算され尽くしたみごとなコーディネートが光っています。

やり手の女社長として富と成功を手にしたアマンダらしい住まいで、刺激にあふれた彼女の日常を感じさせますね。

都会暮らしがしたい方、すっきりと片付いた空間が好きな方、高級感のあるインテリアがお好みの方はアマンダの家をご参考に。

センスのいいグリーンの飾り方やキャンドルや照明の使い方など、オシャレに見せるテクニックが満載ですよ。

その他、アイリス家と似た雰囲気のグレアムの家も素敵です。ある秘密により可愛いパステルカラーのインテリアが多く、クリスマスの飾りつけなどもされていますので、こちらもお見逃しなく。

“自分らしい家“を見つけるために
大切にしたいこととは？

アイリスとアマンダの素敵な家をご紹介しましたが、もう1つ、映画を観ていると気づくことがあります。

それは、「住まいは人を表す」ということ。

交換した家で過ごすアイリスとアマンダは新鮮ではありますが、観ているとどこかしっくりときません。

アイリスとアマンダの持つ雰囲気や服装、言動が互いの家にミスマッチしているのです。

古風で自分の殻を破れず、報われない恋をしていたアイリス。彼女はロサンゼルスで足の悪い老人を助けて温かい交流を重ねますが、そんな彼女の優しい姿は、冷たい石で覆われながら内部には暖炉の火が灯るローズヒル・コテージに重なります。

アマンダも同じで、出会ったばかりの人とベッドインする奔放さは、大きな窓から陽光が降り注ぐ開放的な豪邸がお似合い。またキャリアウーマンとして活躍しながら、ある理由から15年間涙を流したことがない隙のなさは、計算され尽くした完璧なインテリアにも相通じます。

このように住まいが表すのは住人の好みだけでなく、性格やライフスタイルそのもの。

逆に言えば、ライフスタイルを反映しているような家だからこそ、心からくつろげる我が家になるのかもしれません。

新居探しの際には、利便性のいい立地や価格、大きさなど重要な条件がいくつもあって、自分の好みなどは後回しになってしまうことがあると思います。

ですが、新居は彼と家族になって新しい思い出をこれからたくさん作っていく場所。

彼とあなたが自分たちらしく過ごせるかどうか、心から好きな家と思えるかどうかといった「気持ち」や「感性」の部分も大事にして選ぶと、より自分たちの結婚生活を大切にできる住まいに出合えるかもしれませんね。

映画では、自分自身を守っていた家を飛び出すことで、自分の殻を破り、新たな一歩を踏み出す様子が描かれますが、結婚後の新居選びはその逆。

結婚で一歩を踏み出す今だからこそ、アマンダとアイリスの自宅のように、彼とあなたを優しく守ってくれる素敵な家を見つけてくださいね。

（木村みずほ）