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恋愛当初の熱い気持ちを思い出して
イライラを解消！

“落ちるはずのない恋に落ちる”
2人の愛の行方をコミカルに描く

結婚準備期間というと、大好きな彼と今後のプランを練る夢に満ちた幸福な時間のはずですよね。

ですが実際は、挙式の準備で意見が衝突したり、独身気分が抜けない彼にイライラしたり、という話もよく聞かれます。

プロポーズを受けた時の熱い気持ちはどこへやら「こんな人とは結婚できない！」なんてイライラした時には、「あなたは私の婿になる」がオススメ。

決して恋に落ちるはずのない2人が、結婚→恋愛という通常とは逆の順序で愛に目覚めて行く姿を描いた本作。

映画を観れば、きっとアナタが彼を好きになった当時の想いが甦ってくるはずですよ。

女上司と男性部下がパワハラ婚！？
いがみ合う2人のドタバタ劇が痛快

PHOTO:AFLO

カナダ人のマーガレット（サンドラ・ブロック）は、NYで活躍するバリバリの出版社編集長。

非情なやり手で、社内では「魔女」と呼ばれ恐れられています。

PHOTO:AFLO

彼女の秘書として働くアンドリュー（ライアン・レイノルズ）は、彼女の言いなりの気弱な男。

ある日、ビザの申請を怠っていたマーガレットは突然国外退去と解雇を言い渡されることに。

そこで、彼女はアンドリューとの偽装結婚を思いつき、彼を脅して強制的に承諾させます。

PHOTO:AFLO

ですが、偽装結婚を疑った移民局から厳しい追及を受けるはめとなり、お互いを知るためにアンドリューの実家・アラスカへと旅立つことに･･･。

ここからは、強引な上司が従順な部下を振り回す王道のドタバタ劇が展開するのかと思いきや、アンドリューは偽装結婚の見返りに昇進を要求し、態度を一変！

PHOTO:AFLO

今までの恨みを晴らすべくマーガレットに冷たくあたり、マーガレットは顔を引きつらせながら我慢するという逆転劇が起こります。

当然、関係はますます悪化していくのですが、アンドリューの家族が大喜びで2人を迎えるので、偽装結婚がばれないように取り繕い、ハチャメチャな展開へ！

みんなにのせられて初キスをしたり、最悪のタイミングで裸で抱き合ったり、90歳を迎えるおばあちゃまの願いで、急遽挙式をすることになったり｡

2人の意思に関係なく様々なアクシデントが次々に起こって、笑いたっぷりに楽しめます。

PHOTO:AFLO

中でも面白いのが、ラブコメの女王、サンドラ・ブロックの好演です。

状況に上手く対応できないマーガレットの不器用さをチャーミングに演じ、ほぼ全裸といえる体当たりの演技まで披露！

繊細さと豪快さを併せ持った熱演を観て笑っているうちに、彼へのイライラもいつの間にかスッキリ解消していますよ。

知らなかった互いの素顔に、
だんだんと心が揺れ動く

そんな想定外の事態を経験するうちに、いつしか男と女として互いを意識し始めるマーガレットとアンドリュー。

でも、そんなに簡単には恋に落ちない、男女の機微をよくわかっているのが、本作のニクイところ。

2人の心が近づいていく様子も丁寧に描かれているからこそ、自分の経験を重ね合わせてしまうほど深く共感できる内容になっています。

PHOTO:AFLO

一つ屋根の下で週末を過ごすことになった2人は、上下関係の間柄では見えていなかった、相手の知られざる一面に気付いていきます。

マーガレットが、実は16歳で両親を亡くし１人で生きてきたこと。結果、人間関係が苦手で、本当は傷つきやすいこと。

仕事ができないダメ部下だったアンドリューが、実は名家の出身で男らしい性格だったことなど。

今まで相手への印象が最悪だったからこそ、その意外な一面へのインパクトは強烈だったのでしょう。

2人は頭では拒絶しながらも、心は次第に揺れ動いていきます･･･。

若い頃のひと目惚れとは違い、結婚を考えるような相手とは心の結びつきが何よりも大事ですよね。

PHOTO:AFLO

それを分かっている本作では、ふとした時に相手を意識してしまったり、ちょっとした仕草が思いやりのあるものになっていたりと、心の距離が縮まっていく様子がリアルに描かれています。

相手の知らなかった一面に驚き、惹かれ、膨らむ想いに戸惑い、相手の存在に安心する･･･、アナタと彼が結婚に辿りつくまでにもそんな心の軌跡があったのではないでしょうか？

そんな過去の自分とシンクロさせながらマーガレットとアンドリューの愛の行方を見守ると、待ち受けるハッピーエンドがより深く心に沁みると思います。

結婚は2人だけの問題じゃない。
本質的な“結婚”の意味とは

PHOTO:AFLO

本作のもう１つの魅力は、2人の結婚を心から祝福するアンドリュー一家の温かさ。

“結婚”とは2人だけの問題ではなく、家族を巻き込むとても大きな意味を持つものだと改めて気付かされます。

そして結婚とは、そんな家族の一員にこれからなっていくことだとも。

結婚準備は当事者だけで進めることも多く、2人だけの問題と考えてしまいがちですが、この結婚の先には幸せな2人の姿を心待ちにしている家族の存在があります。

イライラしてしまった時は、彼と出会った当初の気持ちを思い出したり、これから家族みんなで味わう温かな幸せに想いを馳せると、今のイライラがただの通過点だと気付くはず。

今までも、そしてこれからも、彼と乗り越えていくたくさんの山アリ谷アリを楽しんでくださいね。

（木村みずほ）