「参列」と「列席」の違いとは?正しい使い分けを知ろう!結婚式マナーの第一歩!
音声で聴く!
結婚式で使われる「参列」と「列席」という2つの言葉。
普段あまり意識せず使っている人も多いのでは?
「でも、そもそも違う意味なの?どう使い分けるの?」
改めて考えると迷ってしまいますよね。
今回はそんな「参列」と「列席」の意味や使い分けについて詳しくご紹介。
結婚式にまつわるマナーの第一歩として、ぜひ読んでみてくださいね!
「参列」と「列席」、それぞれ辞書で調べてみると?
まずは辞書をひいてみましょう。
辞書には、それぞれの意味がこんなふうに載っています。
参列
[名]式などに参加、列席すること。「祝賀式に―する」
列席
[名]その席につらなること。列座。「祝典に―する」
参照:広辞苑
見ての通り、辞書でひくと2つの言葉の意味に大きな違いはありません。
そのため、一般的にはなんとなく似たような使い方をされていることが多いよう。
皆さんも会話の中で、
「結婚式の参列者の中に・・・」
「この前、列席した結婚式で・・・」
など、特に使い分けを意識していない人も多いのではないでしょうか。
では、良く似た「参列」と「列席」、正しくはどのように使い分ければいいのでしょうか?
使い分けの基準は「立場」が基本
「参列」と「列席」は、実は「使う人の立場」によって使い分けるようです。
具体的には、
参列・・・参加者(ゲスト)側の人が使う
列席・・・主催者(新郎新婦)側の人が使う
とされています。
例えば、
自分がゲスト側なら、
「喜んで参列させていただきます」
と言い、
新郎新婦側なら、
「ご列席いただきありがとうございます」
と言うといった感じですね。
この使い分けの理由としては、「参列」の「参(まいる)」に謙譲語としての意味があるからと言われています。
ゲストは自分が行く側なので、謙譲語の「参」を使った「参列」を使うのですね。
言われてみれば納得の理由ではないでしょうか。
ただ基本の使い分けは今ご説明した通りですが、実際には少し違う使い分けがされることもあるようです。
次は、その点を解説します。
「イメージ」が影響して使い分けが変わることも
「参列」と「列席」には、言葉の意味とは別に「慣用的な意味」があるとも言われています。
これは、言葉に「イメージ」が付き、その「イメージ」をもとに使われていくことで、本来は存在しなかった使い分けが正しいものとして認識されるようになる、という言葉にはつきものの現象です。
その「イメージ」というのが、「参列」=葬儀というもの。
なんでも「参列」という言葉は、一般的に葬儀で使われることが多いようです。
その結果、「参列」=葬儀というイメージが強くなってしまい、結婚式で使うと違和感がある、という人も。
そこで、結婚式では参加者であるゲスト側の立場であっても、慣用的に「列席」を使うケースもあるようです。
結果として、本来の
「参列」=参加者側
「列席」=主催者側
という使い分けと
イメージによる
「参列」=葬儀
「列席」=結婚式
という慣用的な使い分けが混ざっているのが現状。
これが余計に2つの言葉の使い分けを混乱させているのかもしれませんね。
では結局、結婚式ではどのように使い分ければいいのでしょうか?
結婚式では実際どう使い分ければいいの?
結婚式はフォーマルな場です。
特に、司会などのきちんとした役目を任された場合は、「立場によって使い分ける」という前提をふまえて、本来の使い分けをした方がベター。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
司会者・受付は主催者側
結婚式で、もし司会を任されたら・・・
「列席」と「参列」、どちらを使えば良いでしょうか?
司会者はゲストをお招きする「新郎新婦側の立場」とされています。
そのため司会をする際は、
「『ご列席』の皆様、どうぞご起立ください」
というように「列席」を使うのが正解。
同じように受付を任された人も、「列席」を使うのが一般的です。
主賓・乾杯は参加者側
一方、主賓や乾杯の挨拶を頼まれた場合は、ゲストの一人として「参列」という言葉を使います。
「新郎新婦の末永いお幸せと、ご両家ならびに『ご参列』の皆様のご多幸とご発展を祈念いたしまして、乾杯」
などですね。
一般ゲスト
一般のゲストとして出席する場合は、そこまで本来の使い分けを意識しなくてもいいとの声もあるよう。
そうすると余計に「お葬式のイメージがある『参列』を結婚式で使っていいのかな・・・」
と迷ってしまう人もいるかもしれません。
そんなときは「出席」を使うという方法もあります。
「出席」といえば、結婚式や葬儀以外でも馴染みのある言葉ですよね。
辞書でひいてみると、
出席
授業や会合などに出ること。「―をとる」「ぜひ御―下さい」
参照:広辞苑
とあり、「集まりに出る」という意味では、「参列」や「列席」と似ていますが・・・
「参列」や「列席」が、式や行事など「かしこまった席」だけで使われるのに対し、「出席」は「集まりに出る」こと全般に幅広く使われている言葉。
また「参列」や「列席」のように慣用的な意味を持たず、偏ったイメージもないので、状況を気にせず使うことができます。
司会などのきちんとした役目を任された場合には不向きかもしれませんが、一般ゲストで使い分けに迷ったら「出席」を使うのもアリですね。
以上、「参列」と「列席」の使い分けについて詳しくご紹介しました。
最後に、似たような表現について2つほど例をご紹介します。
【番外編】その他の表現
「臨席」はどの立場の人が使う?意味は?
「参列」「列席」のほかに、「臨席(りんせき)」という言葉を知っている人もいるでしょう。
これは、「身分の高い人が出席する」という意味の言葉です。
もともとは、天皇陛下や皇族など、限られた身分の人が出席するときにのみ使われた言葉のよう。
ただ最近では、一般人であっても、目上のゲストに対する敬意をこめて、主催者側が
「是非ともご臨席賜りますよう、お願い申し上げます」
というように、使うことがあるようです。
このように「臨席」は「列席」に尊敬のニュアンスを加えたいときに使うと良さそうですね。
ちなみに英語では…?
最近では、日本人以外のゲストが出席する結婚式も珍しくありませんよね。
英語での「参列」と「列席」の使い分けってあるのでしょうか?
英語では「参列」や「列席」は「attend」や「presence」などと言い、立場によって使い分けはしないようです。
例えば、
ゲストから新郎新婦への
「喜んで参列させていただきます」
という言葉は
“I will gladly attend the wedding reception.”
新郎新婦からゲストへの
「ご列席いただきありがとうございます」
という言葉も
“Thank you for attending our wedding reception.”
というように、いずれも「attend」で表現することができます。
立場によって表現を変えるというのは、立場を重んじる日本語独特の文化なのかもしれませんね。
まとめ
「参列」と「列席」は辞書でひくと、意味に大きな違いはありませんが、その人の「立場」によって使い分けるのが正解とされています。
具体的には、
参加者(ゲスト)側なら「参列」
主催者(新郎新婦)側なら「列席」
を使うのが一般的。
一方で、この2つの言葉は
「参列」=葬儀、「列席」=結婚式
というイメージで使い分けされることもあるよう。
ただ司会や乾杯など、きちんとした役割を任されたときは、イメージではなく、本来の立場ごとの使い分けをした方が無難。
一般ゲストの場合は、本来の使い分けをそこまで意識する必要はないとの声もありますし、迷ってしまったらフラットなイメージの「出席」を使うという手もアリ。
ちなみに結婚式でのマナーは、言葉遣いのほかにもたくさんあるので、ぜひこちらのページもチェックしてみてくださいね。
これさえ読めばOK!結婚式お呼ばれマナーの完璧ベーシック!
「ゲストのマナー」の他の記事
「ゲストのマナー」
の次に知っておきたいこと
- 結婚に関する疑問を解決したい方へお役立ち記事2100本!「結婚ラジオ」
- 結婚のあれこれ、スキマ時間に楽しく読みたい方へイメージ膨らむ♪「結婚準備の基礎知識」
- 結婚式場を決めたい、お得に結婚式を挙げたい方へ全国約2000式場をご紹介「結婚式場を探す」