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遠距離恋愛が上手くいかない
原因は…!? くじけそうな
時におすすめの極上ロマンス

トム＆メグの黄金コンビが運命の恋に！顔も知らない相手との遠距離ラブコメ

気になる人が現れたけれど、住んでいる場所が遠かったら･･･恋愛を始めるにはちょっと勇気がいりますよね。
 
最近では「SNS婚」という言葉も出始めるほどSNSを通じた出会いも多くなり、“いいな”と思った人が実は遠くに住んでいた、と悩んでいる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
 
今回ご紹介する映画は、そんな遠距離恋愛に悩んだ時に観て欲しい「めぐり逢えたら」です。若かりしトム・ハンクスとメグ・ライアンが共演したロマンチック・ラブストーリーで、遠距離恋愛を始める勇気が出ない方、今まさに遠距離で辛い思いをしている方にピッタリの内容。
 
正確には恋愛が始まるまでの遠距離“片思い”がテーマなのですが、簡単には会えない相手だからこその不安や葛藤が丁寧に描かれていて、共感しつつ、クスッと笑って、最後にはたっぷりの勇気がもらえる作品になっています。
 
遠距離恋愛を困難にする意外な原因もわかりますので、自分自身の心と照らし合わせながらじっくりお楽しみくださいね。

会ったこともないのに惹かれてしまう！これは運命？それとも一時の気の迷い!?

クリスマス。アメリカのボルチモアで新聞記者として働くアニー（メグ・ライアン）は、恋人のウォルター（ビル･プルマン）と実家のパーティーに参加し、婚約したことを発表します。
 
家族から盛大な祝福を受けるアニーでしたが、昔父と出会った時に運命を感じたと語る母の話には怪訝な顔。ウォルターとの間に、母のような「運命のマジック」はまだ感じていませんでした･･･。

PHOTO:AFLO

帰りの車の中でアニーはあるラジオ番組に興味をひかれます。それは8歳の男の子からの電話相談で、クリスマスのお願いに「パパに新しい奥さんを見つけたい」という内容でした。
 
その男の子ジョナ（ロス・マリンジャー）の父サム（トム・ハンクス）は1年半前に最愛の妻を癌で亡くし、シカゴからシアトルに引っ越しましたが、まだ深い哀しみから抜け出せずにいました。
 
妻への変わらぬ愛と「運命のマジック」について素直に口にするサムの想いは、ラジオを聴いていた全米の女性から大きな反響を呼び、アニーの心にも忘れられない印象を残しました。

PHOTO:AFLO

それからはサムのことが無性に気になりウォルターとのデートにも身が入らなくなるアニー。ですが、会ったこともなく、素性もわからず、しかも26州も離れたシアトルに住んでいるサムに惹かれる気持ちを認められず、マリッジブルーのせいだと納得しようとします。
 
一方のサムはラジオを聴いた全米中の女性から何百通ものラブレターが届き、ジョナの後押しもあって、恋愛に対してもう一度前向きになることを決意。しかし、手紙を送ってくれた女性達ではなく仕事で出会ったヴィクトリア（バーバラ・ギャリック）をデートに誘います。

PHOTO:AFLO

積極的なヴィクトリアに押され気味にデートを重ねるサムですが、その様子が探偵に撮られていました。そう、どうしてもサムが気になって仕方がないアニーは探偵にサムの興信調査を依頼していたのです･･･！
 
サムの恋人の存在を知ったアニーは意を決してシアトルへ。そこでサムと対面しますが、突然現れた女性をサムの恋人と勘違いし、挨拶だけ交わしてその場を去ってしまいます。
 
情けない自分に嫌気がさしたアニーは、心の迷いを捨ててウォルターとの結婚に進むことを決意しますが･･･。

遠距離恋愛の最大の敵はまさかのアレ！陥りやすい意外な落とし穴とは･･･？

PHOTO:AFLO

よく知らない相手なのに募る恋心･･･。これは、相手の気持ちを確かめにくい遠距離恋愛中の方にはよくわかる感情かもしれません。
 
相手の心がわからないと自分にとって都合よく考えて期待してみたり、また逆に不安や猜疑心がどんどん膨らんで辛くなったりしますよね。
 
劇中のアニーも同じです。実はウォルターではなくサムが運命の相手かも!?とドキドキしてみたり、逆に恋愛映画の見過ぎなだけ、私は頭がイカれてると落ち込んでみたり。
 
チャーミングな姿に思わず笑ってしまいますが、ちょっと冷静にアニーを見てみると、彼女の頭の中を支配する「妄想」こそが、遠距離恋愛を阻む1番の原因だということがわかってきます。
 
サムのことをほぼ知らないアニーですが、遠く離れていることもあって「直接会って確かめよう」とはなかなかなりません。
 
代わりに、全部自分の頭の中だけで妄想してマイナス志向に捉われ、その結果、サムのことを諦めようとしてしまいます。
 
遠距離恋愛中の方には似たような経験をしたことがある方も多いかもしれませんね。わからないことは不安で、傷つきたくないから頭で先走って、心をガードしてしまう･･･。

PHOTO:AFLO

でも、これは言わば「一人相撲」状態ですよね。アニーがいくら1人で考えても、サムの真実にはたどり着きません。アニーがいくら1人で浮かれたり沈んだりしても、サムは全く関わっておらず、もちろん2人の関係が進むことも全くないのです。
 
恋愛はやはり相手と一緒に深めていくものですね。妄想にとりつかれて一人相撲をしていても恋の進展は望めない･･･。そんな1つの真理が、痛々しいアニーの姿から伝わってくるようです。

「妄想」なんて時間の無駄！？
その理由は“違い”にあり！

PHOTO:AFLO

また、別の視点からの気付きもあります。
 
この映画では、さまざまな場面で男女の違いが浮き彫りにされています。例えば、恋愛に関して。
 
アプローチをかける時、アニーはパソコンや探偵を使って遠巻きにサムに近づいていきますが、サムは思い立ったら即電話！
 
ラジオから伝わるサムの人柄や声の感じに惹かれるアニーに対し、サムは本人が目の前にいないラブレターには見向きもしません。
 
恋人との結婚を夢見るアニーに対し、結婚なんて考えられない相手でも関係が次の段階に進むことに舞い上がるサム。
 
などなど、“心と頭で恋をする女性”に対し、“即物的で目で恋をする男性”の見事な性質の違いがわかりやすく描かれています。
 
こんな違いを知ると、男女が理解し合うことの難しさがよくわかります。ましてや1人で妄想にとりつかれてジタバタしていても、相手のことなんてわかるわけがない！と吹っ切れてきそう。
 
「恋人たちの予感」や「ユー・ガット・メール」を手掛けた恋愛映画の名手、ノーラ・エフロン監督ならではの粋なアドバイスですね。

PHOTO:AFLO

遠距離恋愛で不安になった時は、1人で考えすぎず、自分の心を信じて行動を起こしてみましょう。直接会って目を見て話せば、心で理解できます。そして、その先には幸せな未来が待っていると信じられる勇気を、この作品からもらえると思います。 

最後に見どころをもう1つ。婚約中のウォルターとアニーの結婚準備のシーンが登場するのですが、これからの参考になること間違いありません。
 
大人の女性にぴったりのシンプルで上品なウェディングドレスや、ナチュラルスタイルに似合う無造作なアップヘア。ブランド食器の数々に、ティファニーの箱に入ったゴージャスな指輪。結婚式のBGMに最適な美しい名曲や新婚旅行で絶対に行きたいバレンタインデーのNY、エンパイア・ステート・ビル。
 
どれもこれも素敵な結婚のイメージが膨らむものばかりです。この映画を観て、今を乗り越えて幸せなゴールを掴むぞ！という気持ちになって、遠距離恋愛を楽しんでくださいね。

（木村みずほ）