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思い出に残る特別な日大切な人と過ごすイベント映画10

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結婚記念日にまさかの離婚!?
危機から学ぶ“夫婦円満の秘訣”とは?

Scenes From A Mall「結婚記念日(1991)」

PHOTO:AFLO

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W・アレン&B・ミドラー共演で贈る
ハチャメチャな結婚“危機”記念日

結婚記念日は夫婦にとって一番大切なイベント。
 
毎年、それも長年に渡ってお祝いし続けているご夫婦は、それだけで仲良しだなって憧れますよね。
 
今回ご紹介する、16回目の「結婚記念日」を迎えた中年夫婦のお話。

PHOTO:AFLO

16回も一緒にお祝いするだけあって、愛にあふれた物語が楽しめるのだろうなぁと期待していると…。
 
結婚記念日当日に夫がまさかの浮気告白!大ゲンカが勃発し、離婚の危機に瀕してしまうコメディ映画です。
 
当初の期待を大きく裏切る内容ですが、夫婦に扮したウッディ・アレン&ベッド・ミドラーの丁々発止のやり合いがとにかく楽しく、夫婦漫才のような言葉の応酬に大笑い!
 
怒って、泣いて、なだめて、仲直りして、またぶつかって…を繰り返すのですが、そんな2人のやり取りに“夫婦の円満の秘訣”がちらりと見えてくる素敵な映画です。
 
新婚夫婦やプレ花嫁さんには、まだちょっと実感がわかない「中年の結婚“危機”記念日」だと思いますが、長く仲良し夫婦でいるためのご参考に、ぜひご覧ください。

愛と感謝に満ちた結婚記念日が、
夫の浮気告白でまさかの離婚危機!

PHOTO:AFLO

弁護士のニック(ウッディ・アレン)と哲学博士でセラピストのデボラ(ベッド・ミドラー)は、結婚16年目を迎えるインテリ夫婦。
 
ロサンジェルスの高級住宅街で暮らす2人は、とても仲の良い理想のカップルでした。
 
16回目の結婚記念日当日、スキー旅行に出かける子供たちを見送った後、結婚記念日の贈り物を買いにショッピングモールへ。
 
クリスマスシーズンで華やかなムード漂うモールでプレゼントを渡し合い、互いへの愛と感謝で胸をいっぱいにしながら歩いていると、ある書店の前を通りかかります。
 
そこには、デボラが長寿婚の秘訣を書いたベストセラー本が山積みになっていました。
 
本には、6~7年ごとに夫婦間で“再婚”して、再出発することが夫婦関係を長続きさせる秘訣と書かれていました。
 
書店をひやかした後、フードコートでヨーグルトを食べようとした時、ふいにニックが「僕は浮気をした」とまさかの告白!
 
啞然とするデボラを前に、「正直に打ち明けて君に許して欲しかった。今日は結婚記念だから、君の本に書いてあるように再出発したくて」と言葉を重ねるニック。
 
“夫婦の再婚”を唱えるデボラには許してもらえると甘く思っていたニックでしたが、一通り話を聞いたデボラは、「情けない甘ったれ!地獄で焼かれろ!」と大激怒!!
 
「離婚する!」と怒り狂うデボラをニックは追いかけていきますが…。

夫婦関係は理屈じゃない。
いつでも再出発できる秘訣とは?

PHOTO:AFLO

24歳で結婚して40歳になるニックとデボラ。
 
映画の冒頭では、16年間しっかりと愛と絆を育んだ、何でも言い合えて、支え合っている夫婦の姿が描かれます。
 
確かに、時間に追われたメイクラブはムードもセクシーさもありませんが、それも16年目のご愛嬌。
 
一緒にお風呂に入って泡だらけで洗いあう姿はとっても微笑ましくて、本当に夫婦の鏡のような2人なのです。
 
それなのに…。
 
ニックの突然の浮気の告白にはデボラじゃなくても目が点に。こんなに仲良しなのに何故!?と混乱してしまいますが、デボラの有無を言わせぬ質問攻めで、浮気相手の年齢や名前、どこが良かったのかなどが次々と明らかになっていきます。
 
デボラの本に「大きな秘密は隠しきれない」と書かれているから告白したとニックは言うのですが、事実が明らかになればなるほどどんどん険悪になっていき、言わない方がいいのでは!?と心配になってくるレベル。

PHOTO:AFLO

 でも、離婚へとまっしぐらに突き進むデボラと別れたくないと追いすがるニックのやり取りはとにかく面白く、着地点の見えないケンカっぷりに大笑いしてしまいます。
 
そうして笑いながら観ていると、これがリアルな夫婦像だなぁと思い至るところもしばしば。
 
例えば、ケンカしていても昔の思い出話をすると笑顔がこぼれるところや、猛省している姿をみると元気づけたくなるところ、仕事が上手くいけばケンカしていても機嫌が直ってしまうところなど。
 
結婚生活という日常を共にしていると、男女として向き合う時間だけが絆を深めるのではなく、生活の全てで結びついていることがよくわかります。
 
その共有した時間すべてが夫婦の信頼関係を作っていて、最後には理屈ではなく、何となく傍にいると仲直りしてしまうという形もとてもリアルです。
 
劇中には、夫婦円満の秘訣として「2人で笑ったおかしなことなど、日々のささいな感動を大切にすること」と出てきますが、本当にその通り。
 
“相手に不満もあるし、他の人と生きる人生を夢見ないわけでもないけれど、やっぱり近くでたくさんの思い出を共有してきた相手が一番”と思えることにこそ、いつでも夫婦としてやり直せる秘訣があるのだと思います。

何でも言い合えるのが夫婦。
何でも言い合ってこそ夫婦。

PHOTO:AFLO

本作は、ほとんどウッディ・アレンとベッド・ミドラーの2人芝居で、舞台もほぼショッピングモール内だけ。
 
2人の会話だけで物語が進んでいくのですが、言葉を重ねることこそが夫婦にとっていかに大事かがよくわかります。
 
ニックとデボラは言わなくていいことや失礼なことも全部正直に伝えるのですが、他の人に言うと亀裂が走るようなことも、夫婦間でぶちまけ合えば逆に絆が深まるところが夫婦の不思議なところです。
 

劇中では何度も面倒くさい電話のシーンが出てくるのですが、ストレートに言葉を交わせるのは夫婦だけというメタファーのよう。
 
秘密も不満も、そして相手の良いところも全部正直に相手に伝え合って、傷つけ合い、認め合って、日々の思い出に変えていく…。
 
夫婦って何年経っても不思議で、他にはない関係だからこそ愛おしいものですね。
 
結婚記念日にこの映画を観た後は、普段は言えない不満や秘密などを互いに言い合ってみてはいかがでしょうか?
 
その後には必ず相手の良いところも伝えて、そして、見違えるほどのオシャレをしてお祝いすれば、完璧!
 
ニックとデボラのように末永く仲良し夫婦でいられるように、ぜひ大切な人と一緒にお楽しみくださいね。

(木村みずほ)

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