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トラブルを予習して結婚式準備を万端に!結婚式までのトラブルに学ぶ映画10

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セレブ姑VS庶民嫁のガチンコバトル!
伝統か新風か、争いの結末はいかに?

Crazy Rich Asians「クレイジー・リッチ!(2018)」

© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

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オールアジアン俳優で
異例の大ヒット!
中国系大富豪と庶民の結婚狂騒曲

結婚にまつわるトラブルの代表的なものの1つに「嫁姑問題」がありますよね。
 
結婚後に勃発するイメージが強いですが、結婚前に揉めることもしばしばあります。例えば「彼のお母さんが結婚を認めてくれない」という辛いケースなど。
 
今回はそういった彼のお母さんと上手くいかなくて悩んでいる方に、2018年に公開された「クレイジー・リッチ!」をご紹介します。
 
本作は、ハリウッドでは敬遠されがちなアジア系キャストばかりで制作されたにも関わらず、異例の大ヒットを記録した話題作。
 
シンガポールの不動産王の御曹司との結婚を巡り、中国系アメリカ人のキャリアウーマンと彼のお母さんが激しく対立する物語です。
 
タイトル通りのクレイジーなまでにゴージャスな世界観が大きな注目を集め、さらに、新旧の価値観の狭間で悩みながらも自分らしい幸せを見出すヒロインの姿を全世界の女性が絶賛!
 
観たこともないほど煌びやかな世界にうっとりしながら、悩みから一歩抜け出す後押しをしてくれるので、出口の見えないストレスの気分転換に、ぜひご覧ください。

セレブな御曹司と一般庶民の恋人
結婚には富豪一族総出で大反対!

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

NYで若くして大学教授に昇りつめた中国系アメリカ人のレイチェル(コンスタンス・ウー)とシンガポール人のニック(ヘンリー・ゴールディング)は付き合って約1年の恋人同士。
 
親友コリンとアラミンタの結婚式に出席するために故郷に帰るニックに同行し、レイチェルも初のシンガポールへと旅立ちました。
 
家族のことをあまり話さないニックでしたが、ニックが取った飛行機のチケットはなぜかファーストクラス。
 
「まさか、リッチなの?」と疑うレイチェルでしたが、シンガポールに住む昔の同級生ペク・リン(オークワフィナ)からニックがシンガポールを代表する不動産王の御曹司だと知らされます。

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

レイチェルはニックの祖母とお母さんに紹介してもらうために祖母の家に向かいますが、そこはジャングルのような広大な敷地に建つ大豪邸。
 
ちょうど月下美人の開花パーティーが開かれており、ニックの親戚中に紹介されますが、家柄もお金もないレイチェルをみんなはバカにします。
 
さらに、ニックの母エレノア(ミシェル・ヨー)は仕事への情熱を口にするレイチェルを冷たくあしらい、レイチェルは戸惑うばかり。
 
翌日、レイチェルは新婦・アラミンタのバチェロレッテ・パーティーに参加しますが、そこでもニックの元彼女やニックを狙っていた独身女性から、資産目当ての強欲女と囁かれ、酷い嫌がらせを受けてしまいます。

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

怒るレイチェルでしたが、何があっても味方でいてくれるニックの為に再びニック家での餃子作りに参加。おばさん達やエレノアと交流を持とうとしますが、エレノアに「あなたにはヤン家の嫁は務まらない」とはっきり言われてしまいます。
 
深く傷つき、ヤン一族も全員出席するコリンとアラミンタの結婚式に出たくないと消沈するレイチェル。
 
しかし、レイチェル自身のことを何も知らないのに拒絶するヤン家一族に負けてはいけないとペクから励まされ、気を強く持ち直して結婚式に参列。
 
ですが、エレノアはさらなる奥の手でニックとレイチェルの結婚を阻もうとしており・・・。

女性は家を守る?キャリアを積む?
新旧価値観のぶつかり合いが
火花を放つ

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

「アジア人キャストの映画はヒットしない」という定説がある中で、本作が予想を覆す大ヒットを飛ばしたのは、中国系セレブのゴージャスな世界観をとても魅力的に映し出したのも理由の1つ。
 
西洋の様式とは異なる、贅の極みを尽くしたモダンチャイニーズの豪華さはまさにクレイジーのひと言です!!
 
洗練されたハイブランドのファッションはもちろん、まばゆいほどに煌びやかな豪邸、ありとあらゆる装飾やイルミネーションを駆使したパーティーなど、何を観てもため息がでるほどの美しさ。
 
さらに、究極は世紀の大イベントと呼ばれるコリンとアラミンタの結婚式で、自然美を取り入れた圧巻の会場装飾や幻想的な演出、ゴールドのドレスは、プレ花嫁さんには目を見開いて絶対に観て欲しいシーンです。
 
女性ならばみんな「こんな世界を体験してみたい」と願ってしまうと思うのですが、本作の主人公レイチェルはちょっと違うよう。
 

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

豪華な世界を素直に楽しみはするのですが、決して自分を見失うことはなく、突然湧き出た玉の輿の可能性に浮足立つこともありません。
 
ニックが御曹司だと知っても何ら変わらず、母の手1つで貧しい環境で育った自分自身を卑下することもなく、周りで繰り広げられる狂騒を冷静な目で見つめているのです。
 
それは、彼女が自分の生き方に自信があるからかもしれませんね。情熱を傾けられる仕事を持ち、NYで心から楽しめる日々を送っていたからこそ、彼女は周りに流されることのない自分自身の価値観をしっかり持っていたのだと思います。
 
しかし、ニックの母にとっては、レイチェルのその自分の生き方に対する情熱こそが嫁として彼女を認められない所以。
 
夢を諦めてヤン家に嫁ぎ、「家族を第一に優先し、子どもの将来を用意するのが親の仕事」と言い切るエレノアには、レイチェルの生き方は全く認められないものだったのです。

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

このニック母の「女性は家を守り、家族に尽くすのが務め」とする価値観は今の日本においても少し古く、現代では「女性も妻や母としてだけでなく自身の生き方を大切にしていきたい」と考えている方が多いのではないでしょうか。
 
これは、どちらが正しいというわけではなく、世代によって移り変わる価値観や常識の違いですよね。
 
時代の流れの中で物事は変化していき、当然生き方や価値観も変わっていく。だから、現代の視点から見れば我慢を強いられたように見えるエレノアの生き方も彼女自身は「喜んで尽くした」と語っており、決して不幸だったわけではないのです。
 
本作と同じ事例でなくとも、日本でも嫁姑の揉め事の多くは、この世代間の考え方の違いが原因であることがよくあります。
 
正誤で片付けられず、だからこそ折り合いがつかなければずっと平行線のままになってしまうのが嫁姑問題の難しさ。
 
まさに出口のない苦しみになってしまいがちですが、賢くガッツのあるレイチェルが見出した答えから、ちょっとしたヒントを探ってみましょう。

争いの裏には悲しむ人が。
愛する人の為に下した
彼女の決断は?

エレノアをはじめとするヤン一族みんなから総スカンをくらい、狼の群れに囲まれた状態のレイチェルですが、彼女には最大の味方がいます。
 
それは、もちろん恋人のニック。彼自身も「資産は親のもので僕のものではない」と言い切る、とても地に足がついた常識人でレイチェルとの相性はぴったり。
 
彼女のことを心から愛する彼は、しかし、一方で家族のこともとても愛していました。
 
このニックへの愛がレイチェルにある決断をさせるキーポイントとなるのですが、アッと驚くその内容は観てからのお楽しみに。

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

でも、彼女が最後に出合う幸せは、その決断が「誰かに強いられたもの」のではなく、「彼女の意思によるもの」だからであることは間違いありません。
 
結婚して夫や姑、親戚、子どもなど家族が増えれば増えるほど、さまざまな価値観の中で悩むことがあるかもしれません。
 
しかし、どんなに悩んでも、自分が何を大切にしたいかを考え、自分の意思で道を決断していけば、きっとすがすがしい喜びを手に入れることができるとレイチェルの生き方から学べると思います。
 
嫁姑問題は難しいですが、結婚とは大好きな彼と一緒になり、その彼を生み育てた親と家族になるということ。愛情の対象者が広がると考えれば、いい折衷案が見つかるかもしれませんね。
 
自分と彼、そしてその周りにいるすべての人を笑顔にするのが幸せな結婚の力。本作に登場するような素敵な結婚式を体験してくださいね!

(木村みずほ)

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