結婚準備の基礎知識

顔合わせ」食事会、今すぐ知りたい準備とマナー

-「顔合わせ」と「結納」って、同じものではないの?- ・・・
親へのあいさつを無事済ませた2人が次に向かうのは「婚約」という新たなステージ。
そこで、よく耳にするのが「顔合わせ」「結納」という儀式の名前。
する・しないの選択を検討する段階どころか、その具体的な内容の違いを知らないカップルも多いはず。

「顔合わせ」とも呼ばれる食事会と「結納」。
まずは内容や仕切り・用意するものなどを理解し、ふたりや両家の意向に沿ったスタイルを選びましょう。

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顔合わせ」と「結納」って、何が違うの?

顔合わせ 結納
予算

3~6万円

食事会にかかる費用が主。婚約記念品を用意する場合、別途費用がかかってきます。2人が親を招待する場合には事前に「支払いは2人でします」と、双方の親に伝えておきましょう。

4~10万円

男性側と女性側、用意するものの内容でその額が異なります。男性側は結納品、女性側は結納返し、両家共通のものとしては、会場にかかる費用と食事代です。 婚約記念品や結納金を用意する場合別途費用が必要です。また、仲人を立てる場合車代などの謝礼も準備する必要があります。両家で相談して予算をたてましょう。
内容

食事会

両家が顔を合わせて、一緒に食事をして親睦を深めるのが主な目的。結婚式や披露宴について、親の意向を確認するのにもいい機会です。また、両家の結納の形式や考え方が異なる時には、顔合わせ食事会の形式をとることでトラブルを回避できる場合もあります。

結納品のやりとり

仲人を立てない略式結納ならあいさつ、結納品と受書のやり取りを行い、婚約記念品がある場合は披露。結納の式自体は20分程度で、その後会食を行います。
仕切り

本人たち

それぞれの親を紹介し合う意味合いが強いため、準備も顔合わせ当日もたいてい結婚するふたりがリードします。当日は男性の父親が進行役を務めるケースも。

親がメイン

当日までの準備はふたりが親の間に入り、内容やしきたりなどの調整をします。結納当日は、両家の父親が進行役をつとめるケースが多いようです。
会場

レストランなど

レストランや料亭など個室のある場所がおすすめ。おめでたい席にふさわしく、日本料理の場合は懐石、それ以外はコースが準備されているなど、ある程度格式があり料理にこだわっている店を選ぶ場合が多いよう。また、結婚式が決まっている場合には披露宴や会食を行う場所を会場とするのも手。下見や試食を兼ねた顔合わせ食事会になり、会話も広がりやすいという利点もあります。

料亭・ホテルなど

由緒ある料亭、ホテルのレストラン、結婚式を行う会場などが一般的。仲人を立てる場合は仲人の家、また女性の家で行う場合もあります。
用意

婚約指輪など

婚約指輪や婚約記念品を持参し、親の前で披露します。必ずしも必要ではないけれど、あるといい記念に。家によっては結納金を用意することもあるようです。

結納品など

結納金、縁起物一式の結納品を準備します。金額、内容は地域や家ごとに異なるので必ず事前に確認が必要! 結納プランがある会場なら用意してくれることも。

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顔合わせ」と「結納」、みんなは実施した?

近年、結納を実施するカップルは減少傾向にあります。
しきたりにこだわらず、「顔合わせ」の食事会だけで済ませるカップルが7割以上。
親の意向を汲んで両方行う人もいます。

Q.「顔合わせ」と「結納」は実施しましたか?
A.「顔合わせ」のみ実施・・・74.1%、「顔合わせ」と「結納」両方実施・・・16.4%、「顔合わせ」と「結納」両方実施せず・・・5.2%、「結納」のみ実施・・・4.3%

  • 「顔合わせ」のみ実施した人
    「『顔合わせ』にするか『結納』にするか、特にこだわりがなく親も任せるよと言ってくれたので『顔合わせ』のみ行いました。堅苦しい雰囲気にしたくはなかったので、会話がはずむように新居の間取りと2人のプロフィール表を事前に用意して持参。親同士、初対面でしたが“私たちのが最初に住んだのは社宅で・・・”“この駅の近くに有名な和菓子屋がありましたよね”といった話題が広がり、打ち解けた雰囲気で食事会ができたのでよかったです」(A子さん・27歳)
  • 「結納」のみ実施した人
    「『顔合わせ』だけで済ませるつもりでしたが念のため双方の親に確認。もちろん『結納』はやるんでしょ?と彼の両親に聞かれて実施することに。しきたりや儀式など始めは正直、興味がなかった『結納』ですが、結納品の意味合いや歴史を知るうちに伝統文化のよさを改めて感じました。2人と両家の絆が深まったような気がしてとてもいい記念になりました」(B美さん・30歳)
  • 「顔合わせ」と「結納」両方実施した人
    「『結納』の前に少しでも打ち解けておきたいと思い、『顔合わせ』の食事会を自分たちの仕切りで行いました。距離が縮まったからか、おかげで結納も滞りなく終了しお互いの親も仲良くなってすごくうれしかったです」(C子さん・24歳)
  • 「顔合わせ」と「結納」両方実施しなかった人
    「彼の親は九州、私の親は北海道。交通費がかなりかかってしまうので、双方納得のうえ『結納』も『顔合わせ』もしませんでした。結婚式の前日にお互いの親を紹介し合いました。事前にお互いの親に確認をとっていたので、問題は特にありませんでした」(D子さん・31歳)

地域・家によって習慣や考え方は大きく違います。「実は結納がしたかった」などと後で言われないように、双方の親の希望を事前にリサーチしうまく調整することが大切です。両家の希望を確認しつつ、基本的にはふたりがリードして計画を立てて。まずは日程の調整からスタート!日取りを気にする親もいるので、くれぐれも慎重に。

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顔合わせ」の準備ポイント3

  • ゆっくり過ごせる個室を予約
    ・・・両家の中間地点にあるお店を予約するなど、配慮があるとベター。また、お互いの実家が離れた場所にある場合は「相手方の地元の雰囲気が見られるチャンス」ととらえて訪れてみるのもいいでしょう。
    予約する際には顔合わせの食事会で使用する、ということも必ず伝えて。部屋や席のセッティング、料理内容や飲み物のタイミングなど配慮してもらうことができます。当日慌てないために、料理は予約時に決めておくのがベター。親の好みやアレルギーの確認も忘れずに。
  • 折半or招待? 事前に支払い方を相談
    ・・・一般的には両家折半。交通費や宿泊費の負担があるなら、それを含めてバランスが取れるよう調整して。最近ではふたりが費用を負担し、親を招待するケースも多いよう。また手土産は先方の好みも含めて事前に確認が必要です。先方は、手土産を用意していたのにこちらは何も準備していなかった・・・など、気まずいことのないように注意しましょう。基本的に、手土産なしでも問題はありません。
  • 気張りすぎず、カジュアルすぎない服装を
    ・・・基本的に男性はスーツ、女性はワンピースやジャケット&スカート。振袖もおすすめです。場所の格式に合わせ、また両家でちぐはぐな服装にならないよう、事前に話し合いをしておいて。詳細は以下をチェック!

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顔合わせ」当日の服装は?

気軽な食事会のつもりでも、「よそいき」感はマスト。
きちんと具合は両家で差が出すぎないように注意して。

  • 女性は上品&清楚なワンピースがおすすめ。アクセサリーまで品よくまとめて。おめでたい場なので、地味になりすぎないよう意識。ミニ丈はNGです。ジャケット&スカート、振り袖でもかまいません。
  • 男性はビシッとスーツで!小物にまで心配りを。黒またはダークスーツに、あまり派手すぎないネクタイを合わせて。料亭の場合は靴を脱ぐので、靴下や靴もきれいなものを。汗が心配ならハンカチも忘れずに。
  • 父親は店の格式にふさわしいスーツ姿でのぞんで基本的には男性本人に合わせ、黒またはダークスーツを。顔合わせを慶事と考えて、ネクタイは白またはシルバーを選んでも大丈夫です。
  • 母親はスカートスタイルまたはワンピースがよいでしょう。よそいきを意識しつつ、あくまでも主役のふたりより派手になりすぎないことが大切。新婦が振袖の場合は、和装にしても。
    しきたりにとらわれず、比較的和やかに進められるのが顔合わせのメリット。みんなが楽しく食事し、打ち解けられることを一番に考えて。相談&準備をすすめましょう。

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  • 1.待ちあわせ・・・親同士に面識がない場合、それぞれが自分の親と合流して向かうのがおすすめ。時間には余裕を持って、遅刻厳禁です。
    遠方から来る場合は、慣れない場所で親が不安にならないよう駅や空港まで迎えに行ってあげると親切。現地集合だと、親同士が先に到着して気まずい雰囲気になる可能性も。余計な気を使わせないよう、待ち合わせするのがベターです。
  • 2.彼のあいさつ・・・招待したふたりを代表して、男性があいさつ。カジュアルな食事会の場合でも、きちんとあいさつすることで場が引き締まります!
  • 3.両家族の紹介・・・事前に、自己紹介を済ませましょう。まずはふたりが、続いて自分の親を紹介して。
    基本的には男性側から行います。ほとんどの場合、親同士は初対面。緊張して固い雰囲気になりがちなので、ふたりがリードして親を紹介してあげて。
    場が和んで、その後もスムーズに進行できるはず。親の紹介には、共通の趣味やプロフィールなど両家で盛り上がりそうな話題を織り交ぜて。旅行、出身地や仕事の話もおすすめです。
  • 4.婚約指輪の披露・・・婚約指輪など婚約記念品を交換するなら、料理が出てくると中断してしまうことがあるので自己紹介と乾杯の間に行いましょう。結納金がある場合も、このタイミングで取り交わします。
    婚約記念品の交換は、顔合わせのハイライトのひとつ。その場で包みを開けて披露して。場が盛り上がるうえ、セレモニーらしさも一気に高まります。
  • 5.乾杯&食事・・・乾杯の音頭・あいさつは男性または男性の父親が行うケースが多いよう。事前に決めておくとスムーズです。
    食事は楽しく、歓談しながら頂いて。ふたりはお酒をやや控えめに。段取りよく進めるため、飲み物と食事を出してもらうタイミングは店と前もって相談するのがベターです。飲み物の追加もふたりが心配りをしましょう。
    また、会話がスムーズに運ぶよう話が詰まったときのネタをいくつか用意しておくと安心。地元の話、趣味の話、お互いの家族構成やふたりの出会いや今後の話、結婚式の相談、仕事の話題などが無難。その場にいるみんなが、会話に入れるように工夫を。
    逆に、宗教の話や政治の話、病気の話や財産の話は考えや価値観の違いが露呈しやすくカドが立ちやすいので避けたほうが良いでしょう。
  • 6.おわりのあいさつ・・・食事が終わったら、ふたりそろってあいさつ。親への感謝、結婚に向けた今の気持ちを話しましょう。男性の父親があいさつするケースもあります。
    折半、ふたり持ち、どちらの場合も支払いはふたりで先に済ませて。食事が終わるまでに、どちらかがさりげなく席を外して払うとスマートです。後日清算すればOK。
  • 7.記念撮影・・・この日の記念に、ぜひ集合写真を!
    会計時などに店のスタッフに頼んでおくといいでしょう。お酒で顔が赤くなるのが心配なら、食事が始まるまでの間に撮影を済ませておくのもおすすめです。
    店を出る前に、改めて今日のお礼を伝えましょう。さらに「今後もよろしくお願いします」と固い握手を。相手の親に誠意が伝わるはずです。両家が打ち解け2軒目に流れる場合は、近くの店や帰宅しやすい場所を選びましょう。下調べして、候補をいくつか上げておくと当日慌てなくてすみます。

「顔合わせ」は両家が親睦を深めるための食事会。その目的は守りつつ、形式や段取りを簡略化したり自分たちらしくアレンジしたりすることも最近では増えているよう。双方の親と、円満かつスムーズにすすむカタチを相談しましょう。